他人の考えはあくまで他人の考え

 主に、低資産セミリタイヤ界隈を観察していて気付いた事があるので、残しておく。前提として批判と言う内容ではない。


人は考えが変わる動物

 ここで言う低資産とは主に、1000万かもしくは以下のセミリタイヤを指すが、そうした人間の動画やブログを観察していると、まず労働への強い批判と忌避感が発信の主軸となっている。共通してそう。

 最初の段階は、それで人は集まる。そして、この世の99.9%の労働者で労働が好きな人間なんてのはいない。で、労働に向いていない人間や、組織に所属する事に適性がない人間が、現実逃避でセミリタイヤ界隈のコンテンツに惹かれる。

 発信の最たるもののユーチューブなどの動画サービスは、人を一定の宗教に教化するのに優れたSNSなので、どんな層を取り込むか考えて発信していれば、今が辛い人間ほど教化されやすい。

 人のあらゆる悩み、コンプレックス、ありとあらゆるものが金になる。だから悩みやコンプレックスが強ければ強い程取り込まれやすい。

 今が辛ければ辛い程依存させられるので、妄信しやすい。ただ妄信するのは観る側の勝手だが、発信者も人間なので時間が経過したりなんらかの体験をすることで、当然考えが変わる。人は考えが変わる動物だ。

他人は他人の理屈でしか動いていない

 他人は他人でしかなく、他人の頭の中は誰も覗けない。発信者に教化され、思った様に行かなく逆に働いていた方がもしかしたらよかったんじゃないか、と言う話も頻繁に聞く。かといって誰の所為にも出来ない。何故なら選択したのは良くも悪くも自分だからだ。

 状況的に選ばざるを得なかった、その選択肢しかなかった、選ばされた、と言う事もあるのかもしれないし、むしろ今の世の中、その選択肢しかなかった、の人が多いと思う。そこら辺はどうしようもないのだから、仕方のないことです。

 発信者に教化され、信じてそいつの生き方を真似ても、結局自分で自分の人生の責任を取るのが大体の人間は怖いし、何より人間は弱いので、誰かの所為にしがちだ。仕方がない。何らかの苦痛に耐えきれず、誰かに救いを求めようとしても、根本として自分が無い、自分の事を突き詰めて考える時間を与えられなかった人間が大半なのだから、迷って失敗するのも当然と言えば当然だ。

 だが他人の考えに縋っても、他人は他人の理屈と経験でしか動いていないし、人間は自己正当化の天才なので、後からいくらでも自分の都合の良い様の物事を言い換える。

他人の考えはあくまで他人の考え

 低資産で労働から半分足を洗い、働き方や生き方を変える人間を見掛けるが、後から所属していない恐怖に耐えきれず就職を目指したり、孤独に耐えきれず婚活を始めて結婚したり、な人をちょこちょこ見掛ける。

 当初は労働批判、低資産低支出でリタイヤ、と謡い客を集めていたが、経験と体験を重ねる事により考えが変わり、やっぱりやーめた、となる人がいるが、そうした人間達の発信に縋っていた人間達からしたら、たまったもんじゃないだろう。しかし経験して体験してみないと分からないことがあるので、方向転換するのは無理からぬ話だと思う

 だが他人はどこまで行っても他人であり、小銭稼ぎの為にブログやYouTubeで、労働や生きる事の苦しみに喘ぐ人間に対して説法をしていただけだ。当たり前だが、発信者含めて生きとし生けるもの皆、自分の事しか考えていない。

 期待して縋って時間を吸われて信奉して、となっても、他人は他人の理屈でしか動いていないので、発信者が自分の意図しない行動をし裏切られた、と感じる人をちょいちょい見かけるが、人と言う身勝手な動物に期待し過ぎだと思う。

 ただ低資産でもやり方次第で、労働から抜け出す事が出来る。また、支出を最適化する事により、強いられる労働から徐々に離れられる思想を根付かせたのは、多くの労働に苦しむ人間には救いだったのかもしれない。

 それでも最低1000万ほどの資金と、何よりあまり金の掛からない住む場所の確保は必須となるので、強いられる労働から抜け出す意欲と労働耐性が強い若い段階からの準備を行えば、比較的平和な日本が続く限り、個人単位では労働から救済される可能性はあるのかもしれない。

 ただそれで幸せになれるとは限らないけど、少なくとも日本型の奴隷労働で殺されるよりかはマシなのかねぇ。

 まぁ他人は他人の考えでしか動いていないから、画面の向こうの他人に影響され過ぎて他人に人生を振り回されない様に、労働に苦しまされている人は注意されてください。もしかしたらそのまま働いていた方が、孤独も癒されて逆に幸せなのかもしれないですからね。結局責任を取るのは全て自分なんすよねぇ。

 しかし人間は俺を含めて弱いので、誰かの所為にしがちになってしまうから困ったもんだ。だが自分で選んで、自分で道を切り開くのって怖いよな。そりゃあ、あんさん、ネット上で他人の生き方に嫉妬したり、他人の考えにケチ付けて浮世の憂さを晴らし、自分の人生から目を背けていた方が楽だよなぁ。強い人間ばかりじゃないのが、現世のどうしようもないところだよなぁと、たらたら書いておわる