生活のたのしみ展での、忘れたくないひとコマ
「え。糸井さんがいるって普通のことなんですか?」
生活のたのしみ展の2日目。
空は快晴で、会場には気持ちいい風が吹き、タブラ奏者U-Zhaan(ウザーン)のドラクエのファンファーレが流れた夕方のこと。
ぼくは、サブエントランス2と呼ばれる出入口で入場パスのチェック対応をしていた。その2mくらい外で、糸井さんはスタッフや来場した方と立ち話をしていた。
すると、スタッフのエプロンをつけた女性がひとり、ぼくのところへ近寄ってきて遠慮がちに聞いた。
「あのー、ちょっと聞いてもいいですか? あれって、糸井さんですよね?」
そして、聞かれたのが最初の質問だった。
「私、もうバイトあがりの時間で帰るところだったんですけど、糸井さんに会えるなんて超うれしい。」
「糸井さんが、ほぼ日を立ち上げたころから大好きなんですよ。今って、話しかけたりしてもいいんですかね? あー。でも、大事そうな話をしてるっぽいなー。」
10分ほど、彼女は糸井さんをじっと見つめて言った。
「うーん。いったん着替えて、お客さんとして話しかけるタイミングをうかがうことにします。お疲れ様でした!」
会いたかった人に会える。
これは、何よりのたのしみだなと思った。
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