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Webの文章はつかみが9割

Webで最初に3,000字の文章を書いたとき、反響は悪かった。

今にして思えば、原因は雑誌とWebの読者の違いを理解していなかったことだ。とくに、Webの読者はすぐ離脱するということをまったくわかってなかった。文章の後半に大事な情報を置いては、ことごとく読んでもらえない、いいねがつかない、みたいなことを繰り返していた。

たぶん、起承転結の流れとか、時系列の味わいとか、読者にとっては何の価値もないところで変にこだわっていたんだろう。「最後まで、じっくり読んでもらえばわかる」と言ったところで、つまらないと判断した読者は即座に別のサイト、別の記事へ飛んでいってしまうのに。

Webの記事はタイトルとリードそして最初の段落と、「つかみ」の重要性が9割だ。イメージとしては、いきなりサビから始まる歌の「頭サビ」。そこで読んでもらえるかどうかが決まる。

経験上、インタビューや3,000字を超える長い原稿は最初の500字にクライマックスというか、読者の関心を強く引きつける情報を置くといい。それが、数多くあるWebコンテンツの中から記事タイトルをわざわざクリックしてくれた読者さんへの、お礼の気持ちだ。「まずは座って。お茶でも飲んで」というおもてなしだ。

おもてなしの仕方には、3つの方法がある。


1.成果の数字やグラフを見せる

文章の価値が「役に立つ」という内容の情報なら、最初にそのノウハウによって得られた成果や、数字のグラフを示すのが手っ取り早い。

たとえば、下記のようなイメージだ。

グラフや画像は直感的に読者が理解できるので、役に立つ情報を知りたいと最後まで読んでもらいやすい。


2.結起承転結で「結論」を見せる

または、最初に「結論」を示すのも良い。起承転結の前に結論を加えた、起承転結というイメージ。
ここでも「絵」にして見せられると、理解しやすくて読者に親切だ。

最初に結論を示しているので、あとは結論に至る経緯や根拠を丁寧に説明していけば、読者は納得してくれる。


3.刺さるセリフから始める

これは、最近やりたいと思っているパターン。

インタビューのクライマックスとなるセリフを抜き出して、冒頭に置いてしまう方法だ。書籍でも見る構成だけど、先日読んだオードリー若林さんのインタビューが導入200文字ほどのセリフを最初に配置していて、まさに頭からサビという内容だった。

1.と2.のような、「役に立つ」系の記事よりも「共感した」系の記事に向いている方法だと思う。

この3つ以外にも、「頭サビ」をつくる方法はいろいろあると思う。

ただ、大事なことはWeb記事で最初の500字が、最後まで読んでもらえるかどうか、感想をツイートしてもらえるかの山場だということ。ちなみに、SEOの意味でもタイトルと冒頭に検索キーワードが入っているかどうかは重要になる。

「読んでもらえばわかる」はWebの記事で通用しない。
Webの文章はつかみが9割だ。


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