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インスタントフィクション【夢と現実の間】

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筆者が2020年から約1年間、小説執筆前の助走機関として書き溜めた500字程度のショートショート集。作品に昇華していく前段階の着想が散りばめられている。
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#夢

夢と追憶の境界

ときどき夢を見る。 僕がずっと追いかけている夢だ。 果てしなく、遠い道のりで絶対に辿り着けない夢。 でも、そんな大層な夢じゃない。誰もが思いつくような夢だ。 人の心に近づくためのしがない研究者が見るちっぽけな夢だ。 時の権力者は言う。国際的競争力を上げるために、コストを下げる必要がある。しかし、周辺諸国の人件費は上がっていくばかり。 君の作ったロボットは、そんな社会問題を解決できるポテンシャルがあると。 僕は、人を愛し、人から愛されるロボットが作りたかった。 しかし、