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インスタントフィクション【夢と現実の間】

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筆者が2020年から約1年間、小説執筆前の助走機関として書き溜めた500字程度のショートショート集。作品に昇華していく前段階の着想が散りばめられている。
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#一人の悩みはみんなの悩み

天上ビト

「おはよう諸君。今日も必死に生きているかね?」 カミは卓上にコマを並べ、無反応なコマに語りかける。 彼は、この部屋で数千年も生きている古株なカミだ。 「失礼します」 トントンとノックの音がすると、真っ白な無機質なこの部屋に、ドアが開き、新鮮な空気が入ってくる。 新人のカミコだ。

明けない夜と沈まない太陽

僕がこの日記を書き始めたのは、NN19と言われるウイルスが日本に上陸した日だ。歴史史上、全盛期を謳歌していた人類に一石を投じた有名なウイルス。 このウイルスを期に、人類は労働集中型、生産拡大という側面を一度見直すことになる。 なぜかというと、前者の労働集中型は感染リスクの増加を、後者は経済が止まったときの財務へのリスクの増加を呼び込むからだ。 過剰に供給しないエコシステムが世界に好まれるようになった。 エコシステム。〇〇に優しいエコシステム。母なる〇〇に優しいエコシステム。

SNSがこの世界にもたらしたもの

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ホワイトノイズ

自分の身に常にまとわりつくもの。 ノイズである。 電車に乗ったときにふと、自分の耳に付けているイヤホンを外してみてほしい。