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おすまし祇園は舞妓はん

おすましギヲンは、舞妓はん
おすましギヲンは、舞妓はん

いつでもツンとすましてる
いつでもツンとすましてる

ギヲンのおうちは芸妓(げいこ)のおうちだったので、
ギヲンは物心ついたときから笑うことはありませんでした。
笑うということをはしたないと思っていました。
お父さまもお母さまも、それをよしとしていました。

そしていつのまにかギヲンは、ツンとおすましするようになりました。

そんなギヲンもいつのまにか学校に行く時期になりました。

みなさーん。今日からこの教室にもまたひとりお友だちがやってきました。
みんな仲良くしてあげてくださいね。
ギヲンちゃん。あいさつできますか。

ギヲンです。みなさんごきげんよう。よろしゅうおたのもうします。

ギヲンはツンとおすましして語りました。

おい!見ろよ。アイツつんとすましてる!

笑ったことないんだってさ。

顔も人形みたいじゃん!

へんなの。

ギヲンは今まで自分がしてきたことが間違えているよな気がして恥ずかしくなって顔が真っ赤になってしまいました。

やーい。真っ赤っかのお人形じゃーん。

ギヲンちゃんは固まって涙がポロポロとあふれてきました。

そして次の日から学校に行けなくなってしまったのです。

おすましギヲンはまいこはん。

お父さまもお母さまも心配です。

そんなある日、イーナはギヲンに会いに行きました。

ギヲンちゃん。コレあげる。

イーナは折り紙で作った自作の白ウサギのおうちを渡しました。

・・・・→

ありがと。私ヘンだよね?みんなの前だと、おすまししちゃって固まっちゃうの。

私もそうだよ。みんな見てくるから。
コレ、かしたげる。

イーナはギヲンにハート形のチョウを手渡しました。

これはビーナにもらったチョウだけど、
ギヲンにも寄り添ってくれるよ。

きれいなチョウね。素敵。

ギヲンはそのチョウを見ているうちに
ちぎり絵としてチョウの絵を作り始めました。

初めてできたちぎり絵は不恰好でした。

それでも寄り添ってくれるチョウに喜んでもらうべく、何度も何度も作り直してみました。

作っている最中は、誰も振り向くことはありませんでしたが、ギヲンはその目が製作の間だけ気にならないコトに気がつきました。

その分、祇園新橋の風景や川の流れてくる音には自分を心地よくさせてくれるコトに気がついてきたのです。

ついにできたちぎり絵はギヲンもビックリするほどの作品になっていました。

これにはまわりのお友だちもビックリです。

わぁーっ。スゴーい。

ギヲンは笑顔をみんなに見せました。

私、ギヲンの笑顔好きだな。イーナは言いました。

その言葉にギヲンの目からキレイな涙がポロポロ落ちました。

私、今まで笑っちゃいけないって思ってた。でもみんなと仲良くできてうれしい。

するとどうでしょう。チョウはハート形になって、ギヲンの背中につきました。

ギヲンもまた、自由に羽ばたき空を飛べるようになったではありませんか!

これにはまわりのお友だちもさらにビックリです。

みんなもいっしょにつくりましょ。

今ではギヲンはみんなと笑顔で話すこともできて、お友だちがたくさんできました。

よかったね。ギヲンちゃん。

おすましギヲンは舞妓はん 

今日もギヲンは祇園新橋で舞妓の稽古に励みます。

おすましギヲン
おすましギヲン
あらたな自分をとりもどす

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!