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XENO公国 No.120

0120〜過去

アレッサには心を許せるたった一人の男がいた。もともと勝ち気が強く両親と離別してからはたった一人で各地のゼクノライトを探しては効能や効果を研究する鉱石屋だったのだ。
そんなある日のこと西国に珍しい鉱石があるとの情報を仕入れて出かけた時のことだった。
"ねーちゃん、ねーちゃんよ。この先は何にもない石だらけの荒野だぜ。悪いこと言わねーから、ここいらで休んでゆきな"
いかにもガラの悪そうな男がからんできた。
"ふうん。アンタのような人間ばっかりじゃ、この先の石の方が付き合いやすいわよ。じゃあ"
"言うじゃねぇかよ。気にいった!お前ら、コイツひっ捕らえろ!"
するとどこからともなく岩陰から男が三人出てきてアレッサに襲いかかった!
"あらあら、分かりやすいわね。そんなんじゃ乙女にモテないわよ!それっ!"
得意の槍で一蹴し、叩きのめしてから言った。
"い、いや面目ない。こんなに強いとは思わなかったんだよ。み、見逃してくれ!たのむ"
"はぁ?水と食べ物を置いていくんだね。もう二度と女を襲うんじゃないよ!いいね"
盗賊たちは去っていった。
"はっはっは。いいね!なにその槍メチャクチャ強いじゃん"
岩陰に目をとられていたせいで、その岩の上にいた青年にアレッサは気付けなかった。
"だ、だれなの?"
"ゴメンよ。あのクズどもに襲われた村の者さ。アンタが悲鳴でもあげてくれたら、カッコよく叩きのめしたんだかな"
"本当かな?盗賊の一味じゃない証拠でもあるの?"
"なるほど疑うってわけかい。分かったよ。俺を叩きのめしてみたらいい。俺が勝ったら認めてくれよ。負けた時は好きにすればいい"
"いくぜ!"
"ふうん。どうぞ。どれだけのものかしら。それっ"
アレッサは青年に黒のゼクノライトをいくつか投げて彼の攻撃を無効にした。
"おおっ。ゼクノライトじゃん。なんだ一応俺を強者扱いしてくれるんだ?その槍で襲ってこないのかい?"
"そのスカした笑いを一気になくすためよ!"
アレッサが槍で攻撃をするものの青年の動きが早すぎていっこうに当たらない。何回か当たっているものの実体がないというのが本当のところだった。
"どうしたんだい?こっちは攻撃できなくされてるんだよ。いっこうに当たらないね"
"くっ、なんですって?これならどうなの!''
アレッサは槍を投げてその青年の足元をすくいにいった。その瞬間に悟られたかのように背後をとられ、アレッサは投げ飛ばされた。
"いったぁ。なんでなのよ!この!"
アレッサが振り向いた時には、青年の剣がアレッサの喉もとにあったのだ。
"どうだい?まだやるかい"
"負けたわよ!何を使っているか知らないけど、全く歯が立たないわ"
"そうかい。じゃあ、敵じゃないことはわかってくれたってことでいいのかな"
"私はアレッサ。あなた名前は?"
"俺はケンだよ。ゼクノライトの研究をしている。街を守りたくて結界を張ったけど、まだ未熟でさ。盗賊に襲われたんだよ。盗賊を追ってきたら、アレッサに会ったってわけさ"

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!