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XENO公国 No.111

0111〜敗北

ナギサは城に向かいながら、これだけの実力の差がありながら何故自分を闘わせたのか考えた。ヤギリ一人でも歯が立たなかったのにマナカ、マヒルまで倒せたのだろうか?あれだけの強さであれば大貴族のマコト様いや、皇帝ほどのチカラをもってして初めて対峙できるのではないだろうか?兵士の中では群を抜いて強かった私に何ができるというの?せめて城に戻る前に反乱者たち何人かでも消しておかなければならないわ!
見回すと人だかりの中で兵士たちがモメていた。
"お前たち!家に戻れ!"
"これ以上の大人をさらってどうするんだ!こっちにも生活があるんだよ!"
"なにっ!歯向かうのか!"
"あんたら兵士は弱いって知ってるぞ!"
"ううっ!"
"あっ、ナギサ殿!すみません。市民たちが収まらなくなってしまいまして・・・"
"そうか"
そう言うとナギサは乙女のカードを出して、市民たちと兵士たちとの間に結界を張って行き来できないようにした。
"この程度しかできなくてすまない。よいか!市民たち!皇帝陛下は我が国を他国から守っておられるのだ!我らがチカラを貸さんでどうする!差し出すモノは差し出す。それが市民なのだ!わかったか!"
"なんだと!女のくせして、我々の何が分かるってんだ!"
"少々言葉がなってないようだな。兵士ども!下がりなさい!"
ナギサは言うと市民側に剣を振り、乙女のカードを使って市民たちを拘束し始めた。
"ううっ、動けない。なんなんだ!これは?"
"このままお前たちを皇帝陛下に突き出しても、こちらは一向にかまわんのだ!我らが弱くとも陛下ご自身で処罰してくれようぞ!"
市民たちはその言葉にすごすごと引き下がっていった。
"ナギサ様、ありがとうございます。流石は五英傑ですな"
"ふん。確かに弱い者イジメだわ!市民に監視をおくのもほどほどにしなさい!"
"はっ"
"先に大貴族様のもとに行きます"
"お気をつけて"
ナギサは満たされないまま、また城を目指した。
ヤモリもナギサに見つからないように密かについていってた。
タケシはヤギリたちが行ってしまった後で効果が解除され一人残された。家の周りにいた兵士たちはちりぢりとなっていた。
"敵に情けをかけられて、結局一人になってしまった。ナギサ殿やヤモリ殿もうまくあしらわれたのだろう。このまま城に行っても何も変わらない。さらなる敵を見つけて精進しなければ"
タケシは城には向かわず北を目指した。

#XENO公国


西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!