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XENO公国 No.118

0118〜踊り場にて

アレッサがドアの前に立ちふさがった。
"ここから城内に入れるはずなんだけど古びて開きそうにないわね"
"地下牢まで戻るしかないのかなぁ"
ヒカルが諦めかけたその時、透明のゼクノライトが光った。
"えっ!なにっ?"
ヒカルはよろけてドアに手をかけるとガチャリと音がして、その後大きな音をたててドアが開いたのだ。
そして中に入るとそこは広い踊り場となっていた。
ヒカルは自分の持ってるゼクノライトに驚く前に目の前に兵士がいたことに目を見張った。
そこには五英傑の二人である。
ダルクとコジロウがいた。
"お前たち!何者だ!どこから入ってきたのだ!"
ダルクは怒鳴ると剣を立てて近づいてきたのだ。
"近よると、拘束するわよ!"
アレッサは言ったがダルクは止まらない。
"わかったわ。容赦なしってわけね"
アレッサはダルクに対して黒のゼクノライトの粉を振りまくと、少年のカードを取り出して効果を発動した。
"な、なんだ?"
ダルクが言うと彼の周りに幻覚が湧いてきた。複数のアレッサが彼を取り巻いてダルクはやみくもに剣をふるっている。
"さて、あなたはどうなの?話しを聞いてくれるのかしら?"
"一応、彼がリーダーなんでね。顔は立てたいけど、最早勝負はついてしまっているようだし。ボクができることといえば、話しを聞いてあげることじゃないかなぁ"
コジロウは言った。
"ふうん。とぼけているのかしらね。本音はどうなのかしら"
アレッサは白のゼクノライトの粉をコジロウ向けて振りまいた。するとコジロウのココロの声が響いてきたのだ。
"ボクにとっては君たちを捕まえてもどうしようもない。マコト様に害がなければほっておこう"
"ふうん。なるほど敵とまではいかないようね。
わかったわ。私はアレッサ。この子はヒカル。私はマコト様に会いたいだけよ。ヒカルはね。マコト様に渡したいモノがあるそうよ"
"ああ、そうなんだ。じゃあ、それをボクが渡した方がいいんじゃない?"
コジロウは不敵に笑った。
"なんだって?"
ヒカルは言った。
"だから、下民のお前が持っていても、なんの値打ちもないってことなんだよ!"
コジロウは兵士の剣を抜いた!
"ボクはね。ずっと自信がなかったのさ。けどね、五英傑に選ばれてからマコト様にこのカードを授かってからは自信に満ちあふれているのだよ。見よ!これが英雄加護付きの皇帝のカードだ!"
次の瞬間コジロウがヒカルを捕らえるとヒカルは倒され動かなくなった。
"遅い!キミたち遅すぎるんだよ!"
"困ったわね。マコト様にお見せするつもりだったんだけど、ここで出し惜しみしてる余裕はないようだわ!あなたのカードは確かに強いけどあなた自身はまだ発展途上のようね。いくわよ!"
アレッサは自分の指輪を口にあて指輪の中に入っていた皇帝の粉を飲んだ。するとアレッサの身体が光り始めたと思ったら少し身体が浮いていた。コジロウが背後に回ったがアレッサの身体はそこにはなくヒカルのそばにいた。
ヒカルに緑のゼクノライトを当てると動かなかったヒカルの身体が動き始めた。
"あ、あれ?オレは一体?"
"まだじっとしてなさい!アイツにまた攻撃されないようにこれで結界張っておくからね"
アレッサから乙女のカードを渡されたヒカルは結界の中でじっとした。

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!