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XENO公国 No.99

0099〜サキの願い

"そなたの望みはなんだ?マコト卿よ"
"はい。西の国オーダイルを支配下に治めて陛下の支配力をXENO公国に轟かせることにございます"
"フッフッフ。そなたも変わった者よのう。余と交わった際には両親と家族が暮らせればよいと意気込んできたのが昨日のようじゃ"
"いえ、陛下の深い配慮も知らず自分だけの事だけで精一杯だっただけのこと。御用がお済みでしたら、まだやることがありますので失礼致します"
"まぁ、そうせくでない。そなたを呼んだのは他でもない。サキのことじゃ。我が妹ながら召使い以外のなんの価値もないのだ。兵力が足りないようであれば鉱山にでも送ってしまったらどうだと思ってな"
"差し出がましいようですが、陛下の想いの深さを学んだのはサキの助言があってこそ。今しばらく側に置きとうございます"
"ふうん。恋煩いではないだろうな。いまだ我が家族で処刑してないのがサキだけなのだ。余にとっての家族とは判断の迷う不安材料でしかないのでな。よかろう。今しばらく様子見るとしよう"
"ははっ。良き計らいに感謝致します。では"
マコトは皇帝の玉座から離れて自分の執務室に入った。
"どうだったの?"
"うん。やはり陛下の家族に対する想いは辛辣そのものでしかない。サキを遠ざけないと命に関わってくるな"
"やっぱりそうなのね。西の国オーダイルから使者が届き次第逃げましょう!結局、情に溺れてあの男は身内全てを処刑しなきゃ気が済まないのよ!"
"ならば、尚更のこと逃げたって逃げきれる相手ではない。倒すんだよ!サキの兄である皇帝を!"
"そ、そうね。しばらく様子を見ましょう。ああ、今となってはオーダイルからの使者だけが頼りだなんて"
"サキ、ボクはあなたに出会って救われたんだ。ボクにとってサキは光なんだ。どうかそばにいておくれ"
執務室のドアが叩かれた。
"大貴族どの、見回りのお時間にございます。いつものように兵士隊の士気を昂めていただけますか?"
"うん。分かったぞ!今行く"
"じゃあ、いってくるよ"
"気をつけてね"
マコトは皇帝の剣を取り、執務室を出た。

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!