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XENO公国 No.141

0141〜ゾルの願い

ひょっこり出てきたのはガリガリにやせた老人だった。
"なにっ!あなたまさかここの王様のヒトなの?"
マナカは聞いた。
"そうだ。だがもうジル亡き今となっては闘うことはできんよ。もう終わったんじゃ"
聞くとゾル自体はモルガン王国の貴族であったが現皇帝からは、うとまがられていて一介の貴族であったが鉱山に派遣されてからはジルと出会い、人造ゼクノライトを発見してからは、勝手に他国に人造ゼクノライトを売りさばき独立国家と名乗ったというのだ。
"お願いがあるんじゃが"
チカラなくゾルは言った。
"ワシのチカラの元はもはや人造ゼクノライトだけなのじゃ。せめてそのそばまで連れて行っておくれ"
ゾルはお願いした。
"私たちは両親を探しているの。あなたの願いは私たちの願いが叶った後よ!"
マナカは言った。
"そうか、ならば仕方がない。お前たちの両親たちは、とある王国に連れていかれたんじゃ"
"えっ!なんなの!ウソをつくならもっとマシなこと言ってよ!"
"ウソではない。ここにいたほとんどの人が連れていかれたんじゃよ。ワシらは人造ゼクノライトを悪魔たちに売りさばきながら生活していたんじゃて"
"お姉ちゃん。このヒトはウソを言ってない。感情を探っているけど本当のことを言っているよ"
"だからなんだって言うのよ!私たちが今までどれだけの苦労をして探し回ってきたかマヒル知ってるでしょう!"
"とにかく今はこの人からじゃなきゃ、お父さんお母さんの居場所は分からないんだ。ボクらは充分強くなった。このヒトを信じてみようよ!"
マナカは落ち着きを取り戻してマヒルの言うことに耳を傾けた。
"分かったわ。じゃあ、あなたを人造ゼクノライトのところに連れてってあげる。変なことしないでね"
"おお!助かる。分かったよ"
マナカとマヒルはゾルを人造ゼクノライトのところまで連れてゆき様子を見守った。
すると、みるみるうちに身体全体が大きくなって、デップリとした将校の姿を取り戻した。
"ふっふっふ。我が姿を取り戻したぞ。お前たちには感謝する。して両親たちを取り戻したいのだったな。いいぞ。お前たち程の実力があれば悪魔の国サーカスナイトでも充分通用するだろうて。デル!デルはおるか!"
すると何もなかった岩場の空間が歪み始めてデルが姿を現した!
"こいつはデルじゃ。もともと悪魔だった奴じゃがゼクノライトを埋め込んで我が配下に取り込んだのじゃ。こいつと一緒であればクルンクルンの世界に行けるはずじゃて"
"なに!クルンクルンの世界?"

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!