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XENO公国 No.127

0127〜追憶

ヒカルは突然アレッサの声を聞いた。それはアレッサから預かった紫色のゼクノライトから響き渡るように頭から入ってきた。
"ヒカル!ごめんなさい。わたしは皇帝と相打ちになってしまってやられたわ。私の魂がまだ逝かないうちに話したいことがあるから聞いて。マコトはこのままだとケンの二の舞いになって西国で殺されてしまうわ。それだけは食い止めてほしいの。だからそのゼクノライトをうまく使ってマコトから皇帝の記憶を抜いてしまうのよ。それには紫と黒のゼクノライトをヤギリさんに使わせるのよ。もう時間がないわ。さよなら。アレッポによろしくね''
声がなくなった。ヒカルは自分をかばって皇帝と相打ちになってしまったことに心を痛めてしまっていた。
"なんでなんだよう。一緒にマコト様に会いに行くんじゃなかったのかよ!オレがもっと強ければ、アレッサは死なずにすんだのか?"
ヒカルは泣き崩れた。
"どうしたの!大丈夫?"
サキが心配そうに尋ねてきた。
"う、うん。こうしちゃいられない!早くヤギリさんの所に行かなきゃ"
ヒカルとサキは地下通路を探した。
"サキ、皇帝は死んだよ。ボクの仲間と相打ちで"
"ああ、本当なのですか?早くマコト様に伝えなければ!"
"サキ!聞いてくれ!今からマコト様から皇帝の記憶を消しに行くんだ。でないと大勇者ケンが西国で処刑されたようにマコト様も西国に消されてしまうんだよ!"
"ええっ!本当なのですか?い、いえ、やっぱりそんな気がしてました。実は西国の将軍オーカに服従することで皇帝から逃れて西国で暮らす手筈を整えていたところだったのです"
"うん、それが罠だってことさ。本当にマコト様を救いたいならマコト様から皇帝の記憶を抜くしかないんだ"
"分かったわ"
二人が地下通路の入り口に着くと、そこには術の解けた五英傑のダルクが立っていた。
"サキ様!そいつは族でございます。離れてください!"
ダルクは言ったがサキは動かなかった。
"お前さぁ、敵と味方の区別もできないのかよ。
本当に強いのか?さっきもアレッサに一蹴じゃねぇか"
"なにをっ!我が剣を喰らうがいい!はぁっ!"
ヒカルはアレッサの見よう見まねで持ってた赤のゼクノライトをダルクの足元にばらまいた。
"な、なにをした?"
"少しは勉強しなよ。おじさん。さぁ、サキ行こう"
"こ、こら、待て!この石、なんとかしてくれ!"
結局その結界からダルクは出られず、うらめしそうにヒカルを見つめてはずっとクダ巻いていた。

#XENO公国


西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!