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私的予想ー新型コロナ出口戦略(2022/2月時点)

note投稿とても久しぶりになってしまいました
コロナの感染は第6波で過去最大の感染者数となっていますが、今後どのような推移を進むか予想しておくことも大切かな、と思うので、あくまでわたし個人が感じている新型コロナとの付き合い方の今後予想を備忘録的に書き残しておきます

新型コロナウイルスは根絶可能か?(ゼロコロナは達成できるか?)

不可能だと思われます。理由はいくつかありますが、一番大きな理由は新型コロナが「人獣共通感染症」だからです。
人間社会でどれだけワクチン接種して外出自粛などの対策を繰りかえしウイルスを一時的に根絶しても、ペットや家畜、野生生物に拡がっていたウイルスがいずれ人間社会に再流入します。ウイルスに感染する動物すべてと共にウイルスを消滅させる(全頭処分)など不可能なので、消去法として私たちは新型コロナとの共存(ウィズコロナ)を目指さざるを得ない、と思います。

新型コロナウイルスとの共存(ウィズコロナ)とは「どんな状態」になることか?

では、どうすれば現在行っている感染対策を緩め、気兼ねなく飲み会をしたり海外旅行できるようになるでしょうか?
現在に比べてどのような条件が整ったら「ウィズコロナ」社会に移行できそうか? わたしの考える条件は以下のようなものです

  1. ワクチン接種の普及、罹患による自然免疫獲得などにより、人類の大半が免疫を獲得できた状態にあり、重症化率がインフルエンザ以下となること
    (ただし、罹患による自然免疫はmRNAワクチンで得られる免疫に比べてかなり弱い事が分かってきていますので、パンデミックを防ぐにはワクチンは不可欠と思います)

  2. 軽症時用の薬がインフルエンザ薬と同程度の容易さ・価格で入手できる状況になること
    (現時点では薬の種類も量も不充分で、税金で払っているので自覚し難いですが価格も高価です)

  3. 基礎疾患や加齢などで免疫が低下している人でも多くの場合で重症化が回避できる治療法・薬が確立していること

  4. 一般的な衛生環境・感染対策マナーを実践していれば、同じ部屋に感染者がいてもほぼ罹患・発症せずに過ごせること それにより免疫が低い人でも集団免疫で守れること

  5. 感染拡大が生じた際の社会的対応方法(マスク・手洗い、体調不良時の休養促進、学級閉鎖等)が確立して、エンデミック(感染が一定地域・一定の罹患率を超えて拡がらない状態)レベルを維持できるようになること

主に医療における条件と、社会の習熟というふたつの側面で条件を考えてみました。1~3は医療における達成条件、4,5は社会活動の状態が挙げたような状況にできれば「ウィズコロナ」と言えるのではないかと思います。
現時点ではひとつも達成できていないと感じるので、まだまだ戦時(ウイルスとの戦い)のまっただ中と感じます。

当面(2022年梅雨頃まで)の予想

では、ウィズコロナの条件が揃っていない現状で今後どのような展開があり得るか、短期的な予想をしてみます。

  • 第6波が急速に収束できるかどうかは私たち日本社会が感染対策マナーをどれだけ励行できるか次第
    ちょっと油断すると増えるのが潜伏期間短く感染サイクル早いオミクロンの特徴なので、減り始めたからと対策を緩めるとあっという間に元の木阿弥になりかねません
    最悪の想定としては、減り始めても現在と同程度~減っても半分程度の感染者数で底打ちしてしまい、春頃までズルズル続く可能性があると感じます(春頃で収束していくと予想するのは、気温上昇により換気する環境が増えるため)

  • 第7波がどうなるかはブースター接種および11歳以下のワクチン接種率次第
    ワクチン接種を加速できなければ春~GWにかけて人流が増えたタイミングで第7波が起こりえます(ただし、運良くオミクロンを置き換える変異株が出なければ第6波より小さい波になる可能性はある)

  • 世界で感染者数が爆増している以上、新型コロナの変異株は次々と生まれ続けます。ただし、オミクロンを押しのけて置換できるだけの力を秘めた変異株が生まれるかは不明です

    あり得る方向性は2つ
     1.オミクロンよりさらに潜伏期間が短くなる:現時点で2日程度と爆速ですが、理論的にはより早い変異株が出てきたら置き換わり得る
     2.オミクロンよりさらに実効再生産数が大きくなる:潜伏期間は同じでも、一度により多くのひとに伝播するタイプが出てきたらオミクロンを駆逐できる。感染力の高まりやヒト免疫の回避力が高くなればあり得る

    人類にとってもっとも都合の良いのは「ものすごく感染するけど、ほぼすべてのヒトが無症状又は軽症」という特徴を備える変異株が生まれてオミクロンを駆逐することです。そうなれば重症化リスクの高いひとへの医療さえ確立すれば「ウィズコロナ」を実現できます。ただし、そう都合の良い変異株が出てくるかは分かりません
    逆に「オミクロンより早く広まり、オミクロンより重症化しやすい」変異株が出てくる可能性も充分にあり得ます

  • 第5波と第6波の間にあったような「凪」の期間をどの程度確保できるかは、第6波出口の動き次第
    最も楽観的な希望では、3月は「凪」期間にできる可能性があります。ただ、最も悲観的に考えると、「凪」期間なくズルズル夏頃まで続いて第7波・第8波、というシナリオもあり得ると感じます

進めて欲しい対策について

最後に、どうすれば「ウィズコロナ」状態に近づけるか、短/中/長期的に取り組んでほしいことを挙げておきます。

  1. ワクチンのブースター接種(3回目)の促進
    春までには接種対象者の9割を目指したいところですが……

  2. 11歳以下のワクチン(1,2回目および来冬前の3枚目)接種の推進
    始まるのが3月中とのことで、第6波には間に合いませんが、第7波以降の影響を弱めたりウィズコロナに向かうには必須と感じます

  3. ワクチン未接種者への接種呼びかけの継続
    より副反応の少ないワクチンも運用され始めるはずなので、常に接種できるような窓口を維持しておくことが大切だと思います

  4. 治療薬のさらなる開発と普及
    より安価で入手しやすい薬の開発が不可欠です

  5. LongCOVID(後遺症)の治療法の開発
    これも「ウィズコロナ」を実現する上で避けて通れない問題。症状が軽くなっても一定割合でQOLを大きく下げかねない後遺症がたくさん出るなら「ウィズコロナ」は受入できないでしょう

  6. 4回目以降のワクチン戦略構築と取扱容易な新ワクチンの開発
    mRNAワクチンの抗体価の変動を見ていると、少なくとも1年に1回程度はブースター接種を続ける必要がありそうです 毎年接種しているインフルワクチンと混合接種できればベストです

  7. 感染対策マナーの継続と緩和、ハードの開発・普及
    現在取り組んでいる感染対策マナーのうち、どこを緩和できるか、社会で合意形成をしていく必要があるでしょう。欧州のようにマスクを外すことを最優先するのか、ある程度マスク着用を受容し続けるかで、「ウィズコロナ」の達成しやすさは大きく変わるでしょう
    個人的には不特定多数が行き交う場でのユニバーサルマスクというマナーは継続した方が「ウィズコロナ」の実現が近くなりますし良いと感じます
    手洗いは、飲食店のみアルコールを残すという方向性もありと思いますまた、一般住宅でも帰宅時にすぐ手洗いできる設備を備えるのは良いと感じます
    建築基準法などで建物(特に公共/集客施設、飲食施設)の換気に対するルールを強化する一方、換気と高断熱を両立できるシステム開発が求められますね

  8. (新型コロナ対策そのものではないけれど)入学試験実施時期の再検討
    新型コロナも日本では冬の方が大きな山になる傾向が出ています。他にも風邪やインフル、そして花粉症など、冬~春にかけては、受験生にとってかなり体調管理の難易度が上がる季節です
    受験生みんな同じリスクを抱えて取り組んでいるから平等だ、という悪平等の考えを脱し、子ども達一人ひとりがみんな悔いなく将来に向けて立ち向かえるよう、入学試験の実施時期をゼロベースから見直せないでしょうか(入学時期は春のままでも、入試のみ秋実施にする等 企業の入社試験は実現できているのだから学校の入試だって可能なはずです)

終わりに

デルタがオミクロンに置き換わる、という劇的な変化は新型コロナウイルス対策の難しさを思い知らしめました。現場での最適解は常に移り変わっていきます。ただ一方で、私たち市民にできる戦い方は従来株の頃に日本発で開発された「3密回避」「ユニバーサルマスク」「適切な手洗い」と替わっていません。変化がないからこそ継続が難しい面もありますが、マナーにしてしまうことで、新型コロナ以外の感染症に対しても私たちは強力な武器を手に入れる事ができます。地道にコツコツ。敵はウイルスです。ひと同士で意見の相違からぶつかり合うこともありますが、真の敵を見誤らないようにこの長い戦いを生き抜きましょうね。

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