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有言実行

第6回目の今週は、有言実行について書いていきたいと思います。

有限実行とは、言ったことをしっかり実行する、結果を出す。という意味です。ライザップでも有名になった「結果にコミットする」という言葉があったと思いますが、このコミットが有言にあたります。今回は、「有言実行」をテーマに、何か目標を達成する際に、重要な有言することの大切さを少しだけお伝えできたらと思います。

日本人は有言が苦手

そもそもの話ですが、日本人はとても有言することが苦手です。ただ、これは生まれつきの性格ではなく、育っていく過程の中で作り上げられた性格だと思っています。小学校1年生の時、よく手を挙げて発言していたにも関わらず、年齢が増すことに徐々にその数も減っていく。これは、発言することの恥じらいの他に、発言することで付いてくる責任の問題もあります。

日本と海外の有言の違い

社会人の私たちとしては、学生時代の修正はできないので、発言することの大切さというのは教育現場に任せるとして、この責任について考えていきたいと思います。日本企業の会議の現場で全く発言をしない人がいたりするのは、よく見る光景だと思います。この光景は、日本では当たり前ですが、海外や外資系企業の現場ではありえません。

海外の現場では、会議で発言しないと上司から「次の会議から出なくてもよいですよ」と言われます。海外では「会議で発言をしない人=そのプロジェクトには必要のない人」なのです。

でもここは日本だから。という「郷に入っては郷に従え」という思考はこれからの日本社会では通用しません。実際にただでさえ生産性が悪く、国際社会でも負けている日本企業が、このコロナ禍で更なる苦戦を強いられているのは、日本独自の有言しない文化を推し進めてきた結果とも言えるでしょう。

300億円以上の価値があるAI企業が先進国で圧倒的に少ないという記事を先日書きましたが、これは、現場である下の声を受け入れるボトムアップの文化がなく、アナログな上の人間だけで会社運営をしている日本企業の実態が生み出していると言えます。

評価制度にも問題あり

発言をすることでその発言の責任を負わされ、その責任全うするメリットより、失敗してしまうデメリットの方が大きいと思っている人が多いのではないでしょうか。これは個人の考えよりというよりも、日本企業の減点主義に問題があると思います。

日本の大企業は長く年功序列と終身雇用の制度を取ってきました。この制度の良くない点としては、基本的には同期と徐々にステップアップしていく点で、尖った存在は淘汰されるところにあります。よく聞かれる「出る杭は打たれる」というやつです。

年功序列の社会の中では、上に意見を言うことが許されません。仮に言ったとすると、「おまえはその言ったことにしっかり責任取れるんだな?」と大きな責任まで負わされる”脅し”が付いたりするわけです。実際に意見は言えてもなかなか通らないという文化も、現場に有言が無くなる大きな理由のひとつでしょう。

こういう環境に長くいると、意見を言わない方が正解。という企業体質になっていきます。そもそも、どんな意見が出ようと責任を取るのはその意見にGOサインを出した上の人間です。意見を言った人間に最終的な責任を負わすなんて言語同断なわけです。

成果型のジョブ型に変わっていく

コロナになり、経過が見えにくくなっているということで、ジョブ型(簡単に言うと成果型)にシフトする企業が増えてきています。このコロナ禍で資生堂などの大手企業はいち早くジョブ型に切り替えたと日経一面にも掲載されていましたが、この動きは今後も加速していくでしょう。

当たり前ですが、仕事は経過管理も大事ですが、結果が全てです。いままでの日本の評価制度はこの結果に対しての評価があまり高くなかった。それゆえ、結果を出すメリットよりも、動かずして普通に給料をもらっているメリットの方を優先する人が多かったのが今までの日本企業の特徴です。

人は本来怠惰で変化を拒む生き物。それこそ、大昔は「新しい事をする=死」を意味したわけです。だから人間は自ら進んで動かなくても現状維持ができるのであれば、そっちを好むというのは人間の正しい本能です。

しかし、何度も言いますが、これからの日本は違います。実際にトヨタで終身雇用を廃止していくニュースがありましたが、こういった環境の変化に対応するためにも、今から有言実行型になる習慣を付ける必要があります。

有限実行と無限実行はどちらが正解か?

誰にも何を言わず結果を出したとすれば、それは素晴らしいし、人としてとても格好いいと言えます。ただ、この無限実行は相当大変です。もし、自分が無限実行型の人間であるとすれば、そもそもしっかりと自己管理ができているので、目標達成に対して悩むこともないでしょう。

有限実行の良いところは、人に自分の目標を伝えることで周りから応援される点です。例えば、私は最近使わないことで鈍ってしまった英会話をスタートしたのですが、周りにこの事を話すと、「この英会話はコスパいいよ」とか「この単語帳を覚えるといい」とか目標達成するための最速の手段を教えてもらえるわけです。

それだけでなく、「そういえば英会話どうなった?」とか進捗管理までしてくれます。他人に管理されず目標達成できる人はなかなかいません。これはマネジメントの立場になると分かりますが、7割、8割の人が自らコミットしません。コミットしたとして経過管理をしているにも関わらず、7割、8割の人が目標達成できません。こう考えると無限実行がどれほど大変なことなのか、分かるのではないでしょうか。

そして、言ってしまった事を今更やめられない、こういった恥じらいも目標達成には大事です。以上の点から私は無限実行より有限実行を強くオススメします。今まで人に言わず達成できていない目標があれば、ぜひこれからは有限実行型に切り替えてください。

以上となりますが、有言実行の大切さが少しでも伝わったでしょうか?
もし少しでもいいなと思ったら、今日から誰かに有言して少しでも目標に近づいてもらえれば嬉しいです!

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