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淡麗プラチナムダブル


糖質ゼロ
プリン体ゼロ


水色のパッケージ、淡麗プラチナムダブル。


これが母の味。


わたしが、初めてビールを"美味しい"と思って飲んだのは22歳の頃。

ヒューガルデンホワイトだった。


当時、バイトをしていた世界のビールのお店で
唯一のめた生ビール。

"とりあえず生で!"


理由なんてないけど、なんかそう言えるおとなが羨ましかった。なんかかっこよかった。
居酒屋で、レモンサワーじゃなくて
生ビールを頼める女になりたかった。

そんな、大学生のわたし。邪念だらけのわたし。


その願いが通じてか、体のポテンシャルか、(ポテンシャルがあったに決まってるけど)
程なくしてわたしはビールを飲める体質だとわかった。


そしてなにより、その当時付き合ってた彼は
ビールが命かというくらいに
ビールが大好きなひとだった。


意味不明なくらいの、海外ビールをバイト先で初めて知った。
味のおすすめ?

ニュートン(青リンゴのビール)が飲みやすいですよ。


世界のビールのお店で働いてるのに、
わたしにあるおすすめはたったそれだけだった。


浅はかな知識で、それでもビールがおいしいね。と語っていた23歳のわたし。


それから月日は経ち、彼や家族のことしか自分の世界にないわたしは、

とにかく安いバーリアルがだいすきだった。
(イオン系列の安い第3のビール)


"安くて美味しい" とうたう、
そのビールになんの疑問も持たずにいたし
もちろんそれを喜んで飲む彼のことも大好きだった。



いつからだろう。


わたしの実家でお母さんとお父さんが飲むビールは
淡麗プラチナムダブル、水色のパッケージの第3のビール

になった。

お父さんか痛風になった?

そういう理由もあるかもしれない。


お母さんが思ったより太った??


そう言うりゆうももしかしたらあるかもしれない。


真相はわからない。

でも、、お母さんのすきなビールはこの水色の
淡麗プラチナムダブルとなったわけです。

本当に、死ぬ2週間前まで
これが好きだといい続けていた。



添加物というものが人生のトピックに入ってきてしまった人にとって、(それはやすかなんですけどね)

第3のビールって、偽物のビールじゃないですか??
"ビールもどき"なわけでしょう?

ホンモノじゃない。


安いけど偽物のビール飲んで体悪くなってそういうのって、本末転倒な気がしてて、

それなら、どうせカラダがわるくなるのなら
本物を飲んでわるくなりたい。


そう思っていつからか発泡酒は
飲むのをやめた。



先日、実家に帰ってひさしぶりにニセモノのビールをのんだ。。


やっぱり別においしいともおもわないけど

なんかお母さんをおもいだして、


一緒に乾杯した記憶をおもいだして、


子供のころから、早く20歳になって乾杯したいね。って、一緒にお酒飲みたいねって、

言われてて


わたしが唯一娘として叶えてあげられた夢は
それだけな気がしたり。


それでもやっぱりわたしがただ生きてるだけで
お母さんの願いはきっと叶えてる気がしたり。



おいしくない、水色の淡麗は
わたしにとって大好きなおかあさんのあじ。


ニセモノのビールは

ホンモノの愛をわたしにおしえてくれた
ホンモノのお母さんの味。


なんだかそんなことを思い出したよ。


選ばない世界で、交わることがあって


魂はほんものだけど、
まとってる層が厚過ぎれば見破れる人は
そう多くない。


それでも、にたものどおし、
自分たちのなかのホンモノが同じ通しは

どれだけジャンル違いでも見た感じ違うタイプでも
惹かれ合うらしい。


それは脱ぎ切った魂のいろが似てるからなんだって。


人はいつもすぐ外側で判断して
似てるとか似てないとか、合うとか合わないとか
やってくるけど


そういう情報でのはんだんしかできないで
人生がおわるのは 勿体無い気がしてて、


いつも、目の奥とか心の中とか、
言葉にしなかったほうのコトバとか

感じれる人間でありたいものです。


絶対はこの世にはないけど
わたしの中には絶対がある。


みんなのなかにも。


そのちがうかたちの、違う色の、
でも絶対を握りしめてる同じキモチを


わかりあえれば世界はなんともやさしいかな。


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