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【2023年 天皇賞・春】全頭見解

■1枠1番 ジャスティンパレス

昨年は、クラシック戦線を皐月賞9着、日本ダービー9着と振るわない結果だったが、最後の菊花賞では3着となった。今年、阪神大賞典でメンバー上がり最速をマークし勝利。長距離タイプとしての風格が出てきたと言っていいだろう。

不安材料は初の京都、そして3200メートル。ただ、過去10年で産駒の連対成績をみると、ディープインパクト産駒は上位になっている。兄弟たちも、長距離を走っているため、距離に関してはそれほど不安視する必要はなさそうだ。

鞍上は、C.ルメール。コンビを組んで3戦3勝していため好材料。タイトルホルダーという主役がいるが、負かすならこの馬が一番有力候補。初のG1制覇に向けて期待が高まる。

■1枠2番 ディープモンスター

デビューから武豊騎手とコンビで勝ち星を上げクラシック戦線に挑んだが、日本ダービーでは16着大敗。唯一良かったのは菊花賞の5着だった。その後、格下レースで好走し、久しぶりの重賞の金鯱賞を5着となった。重賞で5着はまずまずと言いたいが、1着馬との差がありすぎる。着順ほど評価はできない。長距離の経験は菊花賞であるが、さすがにこのメンバーで上位に入るのは難しい。

■2枠3番 タイトルホルダー

昨年の天皇賞春の覇者タイトルホルダー。その後、宝塚記念も勝利し、2022年の春競馬は順風満帆の結果となった。しかし、秋は凱旋門賞で11着、年末の有馬記念も9着と結果が出せていない。
凱旋門賞の結果は、日本競馬界の永遠の課題と言えそうだが...その後の有馬記念でも結果が出せなかったのはイタイ。ただ、これに関しても、「凱旋門賞で大敗した後の調整の難しさ」が、要因の一つと言えそうだ。凱旋門賞優勝は日本競馬界・競馬ファンの夢であるが、そのリスクは計り知れない。

今年の初戦の日経賞では、不良馬場の中、先行し最後はメンバー上がり最速で、2着馬に8馬身の差をつけて完勝。やはりこの距離では、まともに走れば右に出るものはいないと言ってもいいだろう。

昨年は、日経賞1着→天皇賞春1着であった。今年も同じローテ。今年もきっちり日経賞を勝利し、その勝ちっぷりを見ても、この馬、本来の調子が戻ってきたと言っていいだろう。春の盾連覇に向けて不安材料を上げる方がむしろ酷な話。期待しかない。

■2枠4番 メロディーレーン

2019年の菊花賞で末脚で5着に入ったのが印象に残っている。長いキャリアの中で、数々の重賞に挑戦しているが、一度も馬券圏内に入っていない。
超小柄で頑張るところは魅力的だが、過去実績から好材料を見つけるのは至難。ここでも難しい。

■3枠5番 アイアンバローズ

2022年の阪神大賞典で2着。今年の阪神大賞典で7着。ステイヤーズSも同じく着順を落としている。重賞で目立った好走成績が少なく、優勝もしていないとなると、ここでも厳しいことは間違いない。

■3枠6番 アスクビクターモア

昨年、クラシック戦線を皐月賞5着、日本ダービー3着、そして最後の菊花賞を見事勝利した。
今年は、日経賞で一番人気に推されたが9着と大敗。不良馬場だったとはいえ、今回、天皇賞春に出走するタイトルホルダーはキッチリ能力を発揮し勝利している。菊花賞に勝利しているため、ポテンシャルはあると考えたいが、タイトルホルダーが一枚上手と言えそうだ。

これまで先行して好走してきたケースが多い、今回もうまくレースをリードできれば面白い。鞍上はこれまでコンビを組んできた田辺裕信騎手から、横山武史騎手に乗り替わる。若き天才の手綱さばきに期待が高まる。

■4枠7番 ディープボンド

天皇賞春を2021年、2022年と連続で2着。その他、阪神大賞典では今年は5着となったが、それまで2年連続優勝している。長距離に関しては、確実に主役級であることは間違いない。

6歳のキャリアだと京都新聞杯勝利という京都実績も持ち合わせている。この点は他の有力馬と比べ魅力的なポイントだ。
昨年の天皇賞春以降のレースで馬券に絡んでいないのが気になるが、過去2回と同じく今年も阪神大賞典からの臨戦態勢は状態万全とみる。
鞍上は長年コンビを組んできた和田竜二で、三度目の正直と行きたい。

■4枠8番 トーセンカンビーナ

7歳馬で24戦4勝。ここ数年では勝ち星がないどころか好走もほぼない。天皇賞春は、2020年に5着。2022年は10着で、今回が3回目となる。3度目の正直というには課題が多すぎる。厳しい。

■5枠9番 ヒュミドール

キャリア29戦でいまだ重賞に勝っていない。前走のダイヤモンドSで13人気のところ2着と番狂わせを演じたが、G3で勝ちきれない馬であることは確かだ。唯一の期待は、鞍上が盾男である武豊という点だ。不気味な感じがするが、印を打つには勇気がいることには変わりない。

■5枠10番 サンレイポケット

メンバーの中で最年長。長いキャリアの中で数々の重賞に出走しているが、ほとんど馬券に絡んでいない。厳しい。

■6枠11番 ディアスティマ

この馬のストロングポイントは先行力。うまく展開がハマればチャンスがありそうと言いたいが、今回先行力がある有力馬が多すぎる。穴馬としても分が悪いと言えそうだ。

■6枠12番 ブレークアップ

昨年、アルゼンチン共和国杯で重賞制覇。5歳のキャリアで重賞は3戦1勝。他の有力馬に比べ重賞の経験が少ないのが気なるところ。ただ、この馬の魅力は、「転厩後の初レース・休み明け・そして初の3000メートルであった前走の阪神大賞典」で3着という成績。これだけの不安要素がありながら3着は、馬のポテンシャルを認めざるを得ないし、新しい環境で生まれ変わった感がある。不気味な存在。一発あるとすればこの馬だろう。何かしらの印はつけておきたい。

■7枠13番 ボルドグフーシュ

通算成績11戦3勝。11戦中8戦では、メンバー上がり最速をマークしている。
重賞で勝ち星はないが、菊花賞2着→有馬記念2着→阪神大賞典2着と連対続き。トータルでも3-3-3-2と安定している。シルバーコレクターの異名が見え隠れしてきそうな気配だが、これほど安定した馬は頼もしい存在だ。

これまでのレースのパフォーマンスを見ると能力はメンバー上位と言っていいだろう。重賞で惨敗続きとなっているが、このまま生涯を終えるわけにはいかない。念願の初重賞制覇に向け期待したい馬。自信を持って本命とは言いづらいが、重い印の方針で検討したい。

■7枠14番 マテンロウレオ

昨年、皐月賞12着、日本ダービー13着と両方とも2桁着順と不甲斐ない結果となった。ただ、その後の秋競馬から直近大阪杯までの5戦はすべて掲示板に入っている。また、日本ダービーを大敗して以来の大舞台である大阪杯で4着という結果を踏まえると、確実に成長していると言えそうだ。

不安材料は、初の京都、初の長距離。これまでのレースから一気に1200メートルも距離が伸びることは不安でしかない。救いは鞍上がベテラン横山典弘騎手ということだろう。馬の成長とベテラン騎手なら十分上位は狙えるはずだ。何かしらの印はつけておきたい。

■8枠15番 エンドロール

重賞初挑戦で天皇賞春で好走できるほど甘い世界ではない。厳しすぎる。消しで問題ないだろう。

■8枠16番 シルヴァーソニック

通算成績21戦6勝。デビューから下位レースで実績を積み重ね、昨年、スレイヤーズSで初の重賞制覇を成し遂げた苦労人。ただ、3000メートル以上の距離に絞り込むと、7戦で2・0・4・1と好成績を収めている。

昨年の天皇賞春で落馬で競走中止となり馬券外の成績が1つ付いている訳だが、これを不運とし度外視すれば、すべて馬券圏内となり、安定感のある馬と判断できる。しかも、直近2戦は連勝しているところを見ると、安定感だけでなく勢いもある馬と言ってもいいだろう。

昨年、落馬で不運の結果となった。陣営もリベンジに意気込んでいるはずだ。レーン騎手とコンビを組んで直近2戦を連勝、引き続き手綱を握ることになるのは好材料。今現在、ベストな騎手とともに、芦毛の長距離砲のリベンジに期待したい。

■8枠17番 アフリカンゴールド

2022年2月の京都記念で勝利したのを最後に勝ち星から遠のいている。好走しているならまだしも、馬券圏内にも入っていないとなると、ここでの飛躍を望むのは酷な話と言えそうだ。厳しすぎる。

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