ガッツポーズのある週末。

<正解>という意味ではなく一つの考え方として捉えて頂き、かつ共感していただければ幸いです。
少年団というシステムについて、あまり肯定的でない意見もあるようです。
大流としてはクラブチーム化しているわけで、それは一つの正解で、より向上心と技術力を高める為に極めて重要であると思います。
一方で少年団組織の弱体化が進んでいます。
淘汰という意味でやむを得ないかと言われればそうなのですが、無意味なのかと言われれば決してそうではないという事が伝われば良いだけです。
 うちの監督は酒屋さんです。ご自身のご子息はすでにとうの昔に大人になっているにも関わらず指導してくれています。ライフワークかと言われればそうなんでしょうが、
ヒマだからやっているわけでは決して無いわけです。(配達あるからとたまに中抜けする笑)
保護者もみんな基本的には善人ですが、私も含めて子供のことなんで何らかの意見を指導者に言ったりする時もありますが、そう言ったことに対する対応もまた絶妙で、ひとまずは受け止めておいて試合の采配で表現したりするんです。まさに名人芸。
過去には岐阜県を制したこともある名将といえど、近年この超片田舎の少子化問題最先端の学校ではなかなか過去の栄光に近づくことはできませんが、バットより玉網、グローブより虫かごみたいな鼻垂れを戦力として見事に仕事をさせる采配は圧巻です。
学校側でも苦労する不登校や各種問題児もグランドでは監督の言う事には素直です。これは軍隊的意味合いではなく、尊敬による自立の前兆。
授業中に監督が校内を巡回したら学校の困難な問題はおよそ解決するでしょう。
酒屋であるはずの監督は言います。
『子供の成長が楽しみなんや。』
ストライクとボールの意味も分からない小さな子供が数年後、
自分のわずかなミスでチームを負けさせたと泣くようになる事がどれほど人生の糧になるのか想像は容易です。
もう一度言います。『監督』は『酒屋』です。そして、自分の子供はとうにチームにいないのです。
報酬は小さなお弁当と、近所の子供の成長、それを喜ぶ保護者との共感。
そういう事に人生の多くの時間を費やしてきた人に最大限の称賛と感謝を贈りたい。
彼は次の週末も配達の後、<30番>に袖を通してグランドに向かいます。

いつも兄の練習や試合について行っていたうちの末っ子の娘は配達中の<酒屋>を見つけます。
『あっ!監督や!』

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