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フライトシミュレーターを体験してきた


1.きっかけ

コロナ禍で活動範囲が狭まっていた昨年の春頃だったか、近所の書店で航空系雑誌をパラパラと眺めていた。

フライトシミュレーターの特集があった。いつかはフルフライトシミュレータトライしてみたいと思いながら眺めていた。ただ、この時20年前の魂が目覚めた気がした。そう20年ほど前にはPCでそこそこやり込んだ経験があるのだ。へ~神戸にもあるのかと驚きながら頭にインプット。早速帰宅して、ネットで検索。なんと近いところに良い施設があるじゃあ~りませんか。しかも、体験はお得な価格設定。こりゃ行かないわけにはいかない!

でも、なかなか足が向かなかったというか、コロナ禍もあってタイミングがつかめず・・なんだかんだでモヤモヤしたまま1年くらい経ってしまったような気がする。

2.行くぞ!と決める

脳内はブレーキを踏みつつ、一方でチャレンジしたいという気持ちがどんどん高くなり、えい!行っちゃえと決めたのは今年の2月頃。病院へ行く日を半休から1日休みに切り替えることを企んだ。しかし2月の通院時には副業であれこれ気を取られていく気になれず、次は4月。施設の営業カレンダーを見たら、メンテナンス日にあたって、アウト。慌てて3月で都合の良い日を探して、ネットで予約申し込み完!。やっぱり思い立ったら吉日。早く決めたほうが心のためには良かったのかと自戒。一方で2月頃からYOUTUBEでテクノバードさん関連の映像を見る。ワクワクで勝手に盛り上がる(笑)

テクノバードさんのYOUTUBE(紹介動画:ソラミちゃんバージョン)

3.いよいよ当日

前日にリマインダーメールが到着。ありがたいですね、これは。

目的地のテクノバードさんは神戸市長田区にある。自宅からDoor2Doorで30分ちょい。近い!JR新長田駅から徒歩で数分。街中の倉庫・工場が立ち並ぶところにあるビルが目的地。貨物用の大きなエレベータでビルの5Fへ。エントランスは搭乗口の造り。ニクイ演出である。中はサロン風だったけど(笑) ブリーフィングと称するアンケートと希望をヒアリング。ゆったりする暇もなくセスナ172のシミュレータへ。自販機でコーヒーくらい飲む余裕が欲しかったな。

ビルの玄関にA看板
フロアの入り口は搭乗口っぽく


4.いざ!セスナに乗り込み

簡単な機器解説と操作説明を受けて、いきなり滑走路端にで~んとポジショニング。そのあたりはシミュレーターなのでラクチン。エンジンはアイドリング状態でいつでも離陸OKの状態。シミュレーターとしては比較的簡易なものかも知れないが、練習ならこれで十分。画面も美しく、慣れてくると没入感も味わえる。この写真では伊丹の32Lに居る状態。

セスナ172のシミュレーター

ラダーが難しい

そこからが大汗ものだった。まっすぐ進めない? PCのシミュレータではラダーがないままでやっていたので横風成分がなければ直進可能なのだが、ちゃんとしたシミュレーターではラダーで舵取りが必要。アイドリング状態からスロットルをチョイ足すと機首が左に振れる。これはプロペラの反動によるものだったか。単発機ならではの現象だと昔に何かで読んだことがある。ここで軽く右方向へラダー操作が必要なのだが、ラダーとブレーキを足で操作するので、ペダルの踏み方によってはブレーキになってしまったり、自動車の感覚でヨーク(ハンドル)を切ってみたり。全く操舵感覚がつかめず5回ほど失敗した。失敗できるのもシミュレータの良いとこではあるものの、5回も失敗するとさすがに凹む。実際はタクシングだけでも十分な訓練が必要なことは容易に想像できる。スロットルも押してパワーアップ、引いてパワーダウンの操作も慣れない。慣れないうちは逆操作をしてしまうこともあった。色々と失敗しながらなんとか離陸できたものの、かなりの蛇行運転での離陸だったのでひどいものだった。無理やり速度を上げて離陸した感じだった。

5.昔の感覚が蘇る

離陸後は、まずまず。飛びながら機器に慣れることが必要。力加減が分からないので徐々にやっていくしかない。ふらりふらりするもののなんとか飛行を続け、神戸空港周辺を一周して戻ることにした。そのころにはかなり操縦感覚が戻っていた。一応VFR(有視界飛行)なのだが、誘導電波もあるので参考程度に使う。アプローチコースは完全に自分の感覚。もう以前の感覚を取り戻している。だいたいこのあたりというところで左90度旋回して滑走路に正対。高度ははPAPIに従って着陸態勢へ。スロットルはガイドさんのアドバイスにしたがって2300rpmくらいで。少しずつフラップを下して減速していく。なんとまぁナイスなアプローチとなった。オンコース、オングライドパス。目の前の計器でも◇がほとんど動かない状態をKEEPしていた。施設の方も驚くレベルであった。しかし、接地直前でちょっと失敗してバウンドしてしまった。エンジンカットオフが少し遅かったのとフレアが気持ち早かったらしい。小型機の着陸姿勢に慣れていなかったのも一因だろう。

1回目のフライトの軌跡

1回目のフライトの軌跡はこんな感じ。経路は左回り。水平面ではキレイに一周しているが、垂直方向では笑えるほどフラフラ。前半はひどい状態だった。後半はバッチリ安定していたのが良くわかる。
実際の訓練飛行では1000ftを超えるのは厳禁!神戸空港周辺は関空への進入経路下に位置するので。これ、とても重要。私の軌跡では1300ftほどまで上がってしまっている。厳重注意というか、大変なことになっていたかもしれない。

調子に乗って訓練風に

1回目を着陸後、残り時間がそこそこあったのだが遊覧飛行ではなく、調子に乗って場周経路を飛ぶというそれっぽい選択をした。再度神戸空港RW27から離陸。ベースレグから、RW27へのファイナルへ  と行きたかったいところだったが、進入がが近すぎて(しかも高度も高い)・・・(PCなら強引に降りるけど)、結局は西側に回ってRW09への着陸となった。2回目のアプローチも1回目と同じくらいのナイスはアプローチ。オンコースで着陸に向かうところが気持ち良かった。アプローチ中は空中に浮揚している感覚。なんとも不思議な感覚だった。ファイナルも姿勢に気を付けて、エンジンカットオフのタイミングに気を付けて・・最後に少しフレアをいれて柔らかく着陸。なんとも気持ち良いフライトだった。あとで、ガイド用のモニターで飛行コースの記録を見せてもらった。確かにオンコース、オングライドパスでアプローチしているのがわかった。やはり、昔遊んでいただけのことはあるな。

約60分のセスナ172の体験飛行は終わり。
(つづく)

※記事中のシミュレータの画像はテクノバードさんの許可を得て撮影


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