東京JAZZ 2008 @東京国際フォーラムホールA 2008.8.30 (2008.9.2)
東京JAZZ なるものを、初めて聴きに行きました。
僕の場合は、特に「ジャズ」というジャンルが好きな訳ではなく、(もちろん嫌いじゃないし、最近はジャズばっか聴いてますけど)
上原ひろみが出る!というのが一番の理由
まず、昼の部。
jammin'Zebという、日本人の爽やかなアカペラカルテットの後、
突然客席で「ダン!!ダカダカダカダカ・・・」という音がしてビックリ。
タップダンサー熊谷和徳さん、客席からご登場です!
そしてステージには、いつの間にか黒い帽子をかぶった上原ひろみさんも登場!
うぉーーーー!
上原さんは、過去に何度か熊谷さんのタップとコラボしており、
この日も上原&熊谷コンビでの出演。
一昨年、上原ひろみのピアノトリオのアンコールで熊谷さんがゲスト出演したのを聴いていますが、
ピアノ+タップというシンプルな組み合わせは、この日が初めて。
感想:超、超、感動!
曲は、ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーを基本としてそこに数曲組み合わされている感じでした。
残念ながら、何の曲が入っていたのかはわかりませんでしたが、
それら数曲をラプソディ・イン・ブルーのモチーフで繋いでいたように思います。
正直、あんまり期待はしてなかったんです。
タップといえば フレッド・アステアの映画とか劇団四季の「クレイジー・フォー・ユー」で見たくらい。
イメージは「音楽に合わせてリズムを刻む」というものでした。
だから、あくまでも「音楽ありき」で考えていたのですが・・・。
でも、熊谷さんのタップは違いました。
上手く言えないけど、タップが既に音楽を発信している!
熊谷さんの音楽を表現する手段が、楽器や声ではなくて、たまたまタップだった、そういう風に感じました。
一挙手一投足すべてが音に繋がっているという心地よい緊張感が、
タップから漲っていました。
だから、ひろみさんのピアノとコラボ出来るし、
対等の立場で音楽が成立しているんだなぁと思いました。
二人で一緒に歌い、ひろみさんのインプロビゼーションに合わせてタップが歌い、その逆もあり、実際よりも、かなりあっという間に感じたステージを
鮮やかにキメてくれた上原&熊谷コンビに拍手!
そして何より嬉しかったのは、
上原ひろみのピアノソロでラプソディ・イン・ブルーが聴けたことです。
これ自体、かなり貴重な機会だったことでしょう。
次なるご登場は、ハンク・ジョーンズ率いるグレートジャズトリオ。
ハンク・ジョーンズ。名前を聞いたことは、あります、程度、みたいな。(ビギナーなもので)
でも御歳90歳には見えないし、彼の存在自体が、この日のテーマでもある「GREAT AMERICAN STANDARDS」なんだろうなーと思いながら聴いてました。
1曲目のピアノソロだけは聴いた事のある曲で、たぶん「In a Sentimental Mood」だったと思います。
優しいタッチなのに、音は艶やか。こういうのも大好きです。
癒し系というか大人なジャズ、という感じ。
そしてこれがジャズの歴史を生き抜いて来た人の音なのか、
と勝手に重厚感に浸ってしまいました。
その後、バンドメンバーが出て来てピアノトリオ、
そしてスペシャルゲストで、サックスのデヴィット・サンボーンも加わって
ステージが続きました。
デヴィット・サンボーンは、名前も演奏も知っていました。
彼のサックスの音色は、良く言えば派手できらびやかなんでしょうけど、
僕はもっと落ち着いた音色の方が好きです。
久々に見ましたが、歳取ったなぁと思っちゃいました。
昼の部最後は、ハンク・ジョーンズ&ロン・カーターwith NHK交響楽団。
あのN響が東京JAZZに出演するとは!ということで結構楽しみにしてました。
メンバーも要所は首席プレーヤーが押さえてましたね。
まずはN響だけでポップスを1曲演奏後に(曲名わからず)、ハンク・ジョーンズ&ロン・カーターが加わります。
曲目にはイマイチ自信ありませんが、僕にもわかったのは「My Favorite Things」のモチーフをちりばめながら、「虹の彼方に」「恋とは何かしら」といった往年の映画音楽をちりばめた感じだったでしょうか。
これは僕の推測ですが、ハンク・ジョーンズがソロを落としてしまったところがあったような気がします。譜めくり役の人が、ハンクに「今、ここですよ」と楽譜を指差して教えてるような場面が何度か見受けられました。
会場の大型スクリーンでも、一瞬、その場面を捉えてしまい、すぐ他のシーンにスイッチしてたような。ま、それも含めて、ハンク・ジョーンズの大御所チックな貫禄を醸し出していましたね。ロン・カーターのベースも、どうしてもオケの音量に負けてしまうので別の編成でちゃんと聴きたかったです。
N響って、ポップスコンサート的なものはやってるんでしょうか?
N響のポップス、すっごく良かったです。ノリも迫力もあって。
ボストンポップスみたいなコンサートもやれば良いのに。
こんな感じで昼の部終了し、夜の部は「DRAMATIC NIGHT」がテーマ。
僕が一番楽しみにしていた、というかこのために東京JAZZのチケットを買った上原ひろみ~HIROMI'S SONICBLOOMの登場です。
NEWアルバム発表後、初のライブということで、
CDに収録された楽曲達がどんな進化を遂げているか、ひじょーに楽しみ。
で、セットリストは次の通り。(これはバッチリわかる)
1. intro
2. Softly As In A Morning Sunrise
3. Clair De Lune
4. Ue Wo Muite Aruko
5. I Got Rhythm
6. Caravan
EC. Time Out
やっぱり、上原ひろみはライブですっ!!ライブを聴かなきゃ始まりません!!
どの曲も更に進化してました。
「月の光」は、冒頭、原曲と同じくピアノソロで始まり、
それが次第に上原ひろみ色に染まって行き、バンドに繋がってました。
「上を向いて歩こう」も、イントロの部分だけで「来た!」という興奮が押し寄せてきました。
ただ最初のテーマは、フューズ先生が崩して演奏し過ぎじゃ?
もうちょっと、♪上を向いて、歩こぅおぅおぅおぅ、涙がこぼれない、よーおーおーに♪という歌詞を、ちゃんと心の中で歌わせて欲しかったです。
「Caravan」のフューズ先生は、大活躍でカッコ良かったです!
おまけに、マーティン渾身のドラムソロ!!思い残す事はありません。
でも、一番感動したのは、I Got Rhythmでした。
突き刺さるような音の連打でテンポアップしますが、
一体、どこまで早いテンポになっちゃうの?っていうくらい早く感じました。
それでいて、曲が崩壊しないのはスゴいです、さすがです!
バンドとしては、きっと年末のツアーの時の方が、
もっと進化して帰って来ると思います。その時がまた楽しみです!
(チケット、無事取れますように)
と、ここで僕は退散しました。
翌日に自分の本番を控えていなければミシェル・カミロ(やっぱり名前しか知らないけど)を是非聴いてみたかったです。残念。
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