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Hiromi's Sonicbloom 2007.11.29 @BlueNote TOKYO 1st & 2nd show(2007.11.30)

11/29 Thu @BlueNote Tokyo
HIROMI UEHARA ~ Hiromi's Sonicbloom 1st & 2nd show

これですよ!
ブルーノート東京の「HIROMI UEHARA」の文字を見たら嫌が上にもテンションUP!!
上原ひろみ名義でブルーノート初登場(ですよね?)

今回は、今年の2月にリリースした「Time Control」というアルバムを引っさげての来日(帰国?)
しかも、ブルーノートだったので、奮発して1stと2nd の両方席を押さえました。

まずは1st ステージ。

イントロで早くも鳥肌。
アルバム1曲目の「Time Difference」ピアノとギターのユニゾンもバッチリ合ってました。
フューズ先生、たぶん、ひろみ先生に叱咤され、「拷問の時間だぁぁ」とか言いながら、がんばって指さらったのかなぁ(?)

そして、ひろみさんのMC。
チック先生を真似して、全員で乾杯!ってやったのも確か1stだったと思います。こういう一体感、良いです♪

で、2曲目以降、記憶に残っていたのは「熱い」「凄い」「感動」くらいなので、曲目がうろ覚えです。間違っていたらスミマセン。

MC明け2曲目は、たぶん、ボーナストラックとして収録されていた「Note from the Past」じゃないかなぁと。
イントロは、チック・コリア大先生の影響を受けたのかピアノの弦をハープっぽく鳴らしたり、打楽器のように弾いてみたり。
プリミティブな雰囲気で始まりました。
あらら、この曲、こんなに良い曲だっけ?というのが正直な感想です。

そして2曲目の最後(だったと思う)にベースドラムの皮が破けるというトラブル発生!!

ひろみさんが「MCで繋ぐのイヤだよぅ~」と半ベソ(?)のところへ
マーティンが「3分で回復するからピアノで繋げ」と言ったらしく
ピアノソロで「I Got Rhythm」をご披露。
こぉれがカッコ良い!! 
ガーシュウインも草葉の陰から喜んでいたことでしょう。
今後もライブで演奏してくれないかな~

曲が終わっても、もう少し時間のかかりそうなバスドラム。
そこで、質問コーナーへ突入。

丸畦ラーメンのこととか、DVDの予定とか、
ナイスな質問をしてくださった方に感謝♪

それでもバスドラは復旧せず・・・

今度は、フューズ先生がおもむろに弾き始めたギターに合わせて
ピアノとの演奏が始まる。
何ていう曲だったのか気になりつつ、一緒にスイング♪

・・・と、

皮の交換の済んだドラムが、さりげな~く演奏に加わり曲も終了。
マーティン、かっこよすぎです。
そして、アクシデントのおかげで、ちょっとトクした気分。

んで、アクシデント明けの曲が「Double Personality」ではないかと。
これはデビューアルバムに収録されている曲ですが、
元々録音にフューズが参加していたということで演奏してるんでしょうね。
サックスの代わりがフューズ先生のギターで、
このアレンジもめちゃめちゃカッコ良いです。
個人的にはサックスも入れた編成でいつか聴いてみたいです。
気のせいかマーティンもエンジン全開って感じでした。
「ミドレソ、ソレミド」でインプロビセーションが展開していたのは
この曲じゃなかったかなぁ・・・イマイチ、自信ありませんが。

そして「Time Flies」
この曲、すごーく好きな曲なのでイントロを聴いて「やった!」と小躍り。
でも冒頭、ノード君の音量設定が小さかったみたいで
「てへ」という表情をした(ように見えた)ひろみさん。

そして驚いたのが「XYZ」!!
バンド編成でも演奏してくれるんだ、と思いました。
ということは、今後も、ピアノトリオ時代の楽曲を
新アレンジで演奏してくれる可能性あり、ということですね。

アンコールは、「トムとジェリー」
これも冒頭だけ聴いてると「何の曲?」と思いますが、
耳慣れたフレーズが出て来て「うぉー!!」という感じです

あっという間の1stセットでした。
ふと気付くと、毎度のごとく、額にうっすらと汗が。
またしても興奮してしまいましたが、それも仕方ない。
投げる方がパワー全開なんだから、受け取る方だってテンションあがります。
でも、このやり取りこそライブの醍醐味です。

こんな凄い演奏を聴かせてもらって、もう思い残すことは無い!!と思ったのですが、
2ndステージへ突入。

2ndステージ 1曲目は「Time Travel」
最初のベースソロでトニーが大活躍!
オーケストラでチェロが朗々と旋律を奏でるような(ちと違うか?)
メロウな瞬間でした。
ドラム参戦でタイムマシンにエンジンがかかり、ノード君の警報が鳴り響き、
すったもんだがありまして、途中はお馴染みの曲のフレーズが時折顔を出し、
最後もトニーがやわらか~く歌ってキメてました。
トニーのベースの大ファンなので、超興奮!

2曲目は「Time&Space」、3曲目「Deep into the Night」
だったような気がしますが、逆かも。
ま、曲順は置いといて、
僕は「Time&Space」を聴いて、ぶっとびました。
CDよりも格段に進化していたように感じたし、
進化度合いが一番激しいように感じたからです。
はっきり言って、そんなに好きな曲じゃなくて、
普段、iPodで聴いている時も気分が乗らない時は飛ばして聴いてるような曲。

それが!!
なんていうか曲に推進力があって、グイグイ惹き込まれました。
インプロビゼーションも自由度が高いというか。
とにかく楽しかったです。
それをテンポアップしたフレーズで締める、って感じですかね。


「Deep into the Night」は、冒頭のギターとベースのソロの秀逸さ。
その昔、楽器の先生や指揮者から
「早めに喰いついて、音符の音価目一杯まで音を保ち、テンポの中で歌え」
と口すっぱく注意され、そしてトライしてもなかなかうまく出来ないことが、
目の前でいとも簡単に、そして軽々と展開されていました。
やりすぎると演歌になるし、控え過ぎると表情が無くなる。
この間の絶妙のバランスで歌えるあたり、さすがはプロの中のプロ!
自分と比較すること自体おこがましい話ですが、勉強になりました。

4曲目「Time's Up」
てっきり、おチャラケのオマケ曲かと思っていたので驚きました。
CDに収録されているのは「まだ続けたいのに~」って
ことだったんですね。本当にもったいない。

5曲目「Time Control,Or Controled by Time」
冒頭の変拍子早弾きパッセージを見守った後、
「フューズ先生、お疲れさま!」と心の中でエールを送りました。
この曲も個人的にすっごく好きです。


4曲目と5曲目のどっちがどっちか忘れてしまったのですが、
強烈なインパクトの残っている場面が2つあります。
1つは、ひろみさんが、ピアノとノード君を使って演奏した
「一人二役インプロビゼーション」(勝手に命名)

左手ピアノで問いかけて、右手ノード君で返事する掛け合い。
ノリツッコミってやつですね。
それにひろみさん自身がウケてるような感じでした。
もー楽しそうなんだもん。その姿がおかしかったです。

2つめは、ピアノひろみさんとギターフューズ先生の間で交わされる
インプロビゼーションでの会話。

ひろみ嬢:「こんなのどう?」
フューズ先生:「オレ様にはチョロいぜ」
ひ:「じゃあこれは」
フュ:「出来るに決まってんじゃねーかよ」
ひ:「こういうのも良いでしょ」
フュ:「やるじゃねーか」
ひ:「これでどうだ!」
フュ:「はっはっはー、おまえにゃ叶わねーぜ」

という感じ(かな?)
勝手にアテレコしました。
4曲目が一人二役で、5曲目が熱い会話だったような気がしますが
逆だったらごめんなさい。

フューズ先生は、1音と半音の中間にある危うい音程の音を多用するのですが、
その響きが、どーにもこーにもガムランを彷彿とさせるんですよね。
はい、ワタシがビョーキなだけです。終了。


そして、ひろみさんMC。
なぜか声が枯れてしまったようで、
ご本人も「シンガーじゃないのにおかしい」と自分にウケてました。
まあ、あんだけ声出してピアノ弾いてりゃね。

彼女は、東京のブルーノートで演奏することにより
世界中のブルーノート全てを制覇したそうです!!
その中で東京が一番良いと言ってました。
「東京ではお店の方が足元をライトで照らしてくれますけど、
 真っ暗な会場ではコケたこともあるんですよ」
とか言いながら、退場の時にコケてボーイに抱きかかえられてました。


そしてアンコール。
ピアノソロで、オリオン座の招待状主題曲「Place to be」
世界中を回って、最後に日本に帰ってこれて嬉しい。
みなさんの笑顔が本当に嬉しい。本当にありがとうございます。
そんなMCの後に演奏されました。
一音一音、噛み締めるように、そして丁寧に音が紡ぎ出されました。
会場もシーンと静まりかえり、ひろみさんと一緒に
嬉し涙の瞬間を共有していました・・・

最後は、愉快な仲間たちも加わっての演奏、「Time Out」!
音出しの延長のような感じでピアノが始まり、
ひとつひとつ楽器が重なって行き、曲が始まるというニクい演出。
この曲は、ひろみさんの曲にしては珍しく、
ずっと4拍子なのでアンコールにぴったりですね。

2ndもあっという間でした。
会場総立ちでメンバーを送り出します。

聴いている間中、自分の体を構成している細胞の一つ一つまでもが
喜んでいる気がしました。

2月、アルバム発売日のライブで3曲ほど生演奏を聴きましたが
あの時と今で、こんなにも楽曲が進化しているとは。
アルバム収録の段階で完成された感があるのに、想像以上の変貌ぶり。
毎回最高なのに、次に聴く時には、もっと最高になっている。
上原ひろみの演奏の魅力は、全身全霊のこもったピアノと、
この進化し続ける楽曲ですね!!


「いつかブルーノートくらいのキャパの場所で上原ひろみ名義のライブを聴きに行きたいな」と思ってましたが
その夢が早くも実現しました。
次はニューヨークのブルーノートで聴くのが夢です。

とにかく、この夜まで生きてて良かったです。
辛い仕事もガマンしてきた甲斐があった。

上原ひろみという才能と同時代を過ごせることに感謝したライブでした。

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