マイモニデスについて

12世紀のスペインに、ユダヤ最大の哲学者がいた。その名はラビ・モーシェ・ベン=マイモーン。ラテン語でマイモニデスと知られている。ユダヤ人でありながら、イスラム世界で認められ、キリスト教徒からも尊敬された彼は、中世ヨーロッパの知の巨人だ。哲学、医学、法学、天文学。彼の知識は多岐にわたり、その著作は今なお世界中で読み継がれている。しかし、彼の革命的な思想は、時に正統的なユダヤ教と衝突した。彼の代表作『迷える者への手引き』は、異端の書として排斥されることになるのだ。マイモニデスの波乱に満ちた人生と、知の探求の旅を追ってみよう。

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