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苫小牧市 2024年6月定例会 一般質問

以下の内容は、2024年6月に開催された苫小牧市令和6年度第6回定例会の「一般質問」において、市議会議員である私、嶋中康晴が行った発言内容と苫小牧市の答弁をまとめたものになります。
文字数の関係で実際の言葉を若干簡略化していますが、内容については調整しておりません。(実際は全ての質問答弁がもっと丁寧な言葉でやりとりされています)

一語一句正確なやり取りをご覧いただきたい場合は、以下のURLよりアーカイブ動画をご覧いただければ幸いです。

【苫小牧市議会インターネット中継アーカイブ】

Ⅰ:災害対策(1)第2学校給食共同調理場について

質問先:環境衛生部・ゼロカーボン推進室、市民生活部・危機管理室
目 的:PPAの進捗状況確認と、導入施設における災害時避難施設としての併用を提案

▼嶋中
先日、本市と株式会社エネコープによるPPA(電力購入契約)の記念セレモニーが、太陽光発電を導入した美原町の第2学校給食共同調理場で行われ、私も屋上を見学した。
今回は本市の4つの公共施設に太陽光発電設備を整備し事業を開始。「ゼロカーボンシティ宣言」に基づき、計画10施設中7施設ですでに各事業者が発電事業を展開していると聞いた。
計画通りに進行しており高く評価をしているが、今回の株式会社エネコープとの記念セレモニーは各新聞紙面やwebニュースなどに非常に大きく取り上げられており、本市のプロモーションという側面でも大きな成果があったと感じる。
今回、何故このように特段大きくマスメディアに取り上げられたのか。
▼答弁
第2学校給食共同調理場での太陽光発電事業開始記念セレモニーは、発電事業者である株式会社エネコープと共催で行い、新聞メディア3社、テレビメディア5社に取材いただいた。
このように本市のゼロカーボン推進の取組が報道されることは、市民への周知や啓発という観点からも効果的である。今回、報道で大きく取り上げられたのは、株式会社エネコープにとって自治体との連携による再エネ発電事業が初であったこと、また、PPA方式による公共施設への太陽光発電の導入が全国的に見ても先行的な取組であったためと考えている。
▼嶋中
株式会社エネコープにとって初めての公民連携での再エネ発電事業であったこと。そして全国的に見て先行した取組だったということで理解した。
マスメディアに取り上げられることで市民が「未来へ向けてこんな取組をしているんだ」と認知してくれることは、非常に重要なこと。
昨日、首藤議員が一般質問の中で「市民からの信頼の重要性」を訴えていたのが印象的で、私も強く共感した。是非、今後も本市の取組や事業が、様々な媒体に大々的に取り上げられるよう、ニュースリリースの手法やメディア関係者との連携を深め、市の発信力を高めてほしい。
因みに、本事業は発電した電力を敷地内で使用し、非常時には施設内の非常用コンセントによって周辺住民も利用可能とのことで、地域住民にとっても直接的なメリットがある事業だと理解している。
更に本施設ができた美原町は、町内に津波から逃れられる高さの避難施設が他に無く、バイパスを渡って南高校まで避難する必要がある区画。津波からの避難に加え、有事には電源の確保ができる避難所として、地域の災害対策を大きく改善させたと評価されていると思う。
そう考えると、太陽光パネルの設置は高所となることが多いため、津波を想定した災害時避難所と条件が重なる側面も多いと思う。今回計画されている施設で、災害時避難場所も兼ねている施設はいくつあるのか。
▼答弁
災害時の避難施設への再エネ発電設備の設置は、災害時における電源確保の観点から利点があることはご指摘のとおりと考えている。
避難施設への太陽光発電設備の設置については、4施設で既に導入済みのほか、他の1施設でも現在計画している。
ただ避難施設との相性でいえば、例えば太陽光発電パネルを建物屋上に設置できたとしても、受電設備が地上階にあると津波浸水時に発電できなくなるといった課題もある。
市としては、こうした施設毎の構造上の問題も考慮しながら、引き続き災害時の避難施設などへの設置可能性について探っていきたいと考えている。
▼嶋中
受電設備の設置場所を考慮すると、現存する公共施設の全てで導入できるわけではないことは理解できた。
しかし先ほども伝えたとおり、一つでも多くの公共施設が災害時において津波からの避難や発電による電源確保を果たすことは、ゼロカーボン推進に留まらない重要な取組になることは揺るぎのない事実だと思う。今後の公共施設改築や新設の際には、本事業の導入含め、必ず検討していただきたい。こちら要望とさせていただく。
続いて、同施設に関して市民生活部にも質問する。本施設は完成時に美原町の町内会役員を招き、避難施設として案内・説明をしたと聞いているが、実際に施設を使った避難訓練は行われているのか。
▼答弁
第2学校給食共同調理場については、施設完成後の令和3年10月に近隣町内会の役員で現地を視察していただいているが、施設を活用した町内会の訓練はまだ実施されていない。
また、市の総合防災訓練についても、令和3年度が火山噴火、令和5年度が明倫中学校をメイン会場とした津波避難訓練を行ったため、第2学校給食共同調理場を活用した訓練は実施していない。
▼嶋中
総合防災訓練に関しては、中長期的な計画や年度による様々な狙いもあると思う。町内会の避難訓練についても、内容を強制できるものではないと理解している。
しかし第2学校給食共同調理場の屋上は、地域を一望できるロケーションも含め、子どもたちや地域の住民が楽しみながら参加できる避難訓練になるはず。是非、町内会へは積極的かつ継続的に提案してほしい。
西部西地域は本施設に加え、ビッグハウス明徳店など新たな災害時避難施設が増えており、市民生活部・危機管理室の取組に対し、高く評価をしているが、避難場所を確保するに止まらず、実際の災害を想定した訓練やシミュレーションをしてこその災害対策ではないかと思うが如何か。
▼答弁
災害を想定した訓練については有事の際に、地域住民が円滑に避難できるよう実践的な取組を行うことが重要であると市としても認識している。
昨年の総合防災訓練では、新たに津波避難施設へ指定した公営住宅などへの避難訓練を実施しており、今後についても避難施設を活用した実践的な訓練を企画していきたいと考えている。
さらに町内会に対しては地域における防災活動に合わせて、避難施設を活用した訓練実施を働きかけるとともに、施設との調整などの支援を行いながら具体的な災害対策に取組んでいく。
▼嶋中
民間事業者が管理する施設に関しては、実際の災害を想定した訓練無しではいざという時に機能しない、もしくは最悪の場合、混乱による二次災害に繋がる恐れもある。
少しずつ市民が避難できる場所が増えていることは評価し感謝しているし、地域によってはまだまだ避難所自体が不足しているところがある以上、限られた人員や予算で難しい部分もあると思うが、是非、同時進行で避難施設の正しい活用を学び、物心共に準備していくという次のフェーズにも注力していただきたい。こちら要望として本質問は終わります。

Ⅱ:福祉行政(1)緊急通報システムについて

質問先:福祉部・総合福祉課
目 的:緊急通報システムの利用状況と今後の方針を確認

▼嶋中
このシステムは65歳以上の高齢者等を対象とした、急病などの際に迅速な支援が受けられる仕組みと認識している。
先ずは現状を聞きますが、この3年間の登録者数および利用状況はどうか。
▼答弁
高齢者等緊急通報システムの登録状況ですが、年度末時点で令和3年度399台、4年度413台、5年度396台となっている。利用状況については、機械には消防署につながる緊急ボタンと、事業受託者のコールセンターに繋がり健康相談ができる相談ボタンとがあり、まず緊急ボタンは令和3年度73件、4年度83件、5年度46件、続いて相談ボタンは令和3年度39件、4年度52件、5年度83件となっている。
▼嶋中
継続的な登録者数と利用があり、市民にも必要とされているシステムであると分かった。
実は私の元にも市民の方から、非常に便利で安心なツールだという声をいただいているが、逆にまわりの人があまりこの通報システムのことを知らないという話もあった。
あくまで一個人の意見であり、鵜呑みにするわけではないが、これまでどのように市民や対象者に周知してきたのか。
▼答弁
緊急通報システムの周知は福祉ガイドブックに掲載するほか、市内全戸に配布される介護保険・高齢者サービスガイドや広報とまこまいにも掲載している。
また、高齢者世帯調査の際に民生委員から、または日ごろから地域包括支援センターやケアマネージャーからも勧めていただき、必要な方に伝わるよう努めている。
▼嶋中
全ての対象者に知ってもらうことは難しいと理解しているが、町内会などとの連携も含め、今後も周知活動を継続してほしい。
因みに、通報システムの機能の中には月に1回の定期連絡などありがたいサポートがあるが、正常に作動しているかどうかの機器点検など、どのようにどの程度実施しているのか。
また、システムの耐用年数についても知りたい。
▼答弁
機器の点検については、利用者宅に設置している機械から30日ごとに自動で発信される定時通報により機器が正常に通信できるかどうかを確認するほか、利用者宅に設置している機器は耐用年数に応じて利用者宅を訪問し、更新している。
なお、消防本部に設置しているシステムサーバーについては、現在運用しているものが令和元年度に設置したもので、耐用年数の関係等から来年度中には更新する必要があると考えている。
▼嶋中
点検スキーム、耐用年数に対する対応について、万全な体制で安心しました。
ただ、今の答弁の中に、来年度中には現在のシステムサーバーが利用できなくなるという内容がありました。これは更新すれば現在の機能やサービスが継続されるということでしょうか。
▼答弁
現機能の継続については、新たな高齢者の見守りサービス導入はスマートシティ構想にも位置付けられていることから、更新については新技術を活用したサービスなども含めて、どういった事業展開ができるか検討していく。
▼嶋中
単純な更新ではなく、新サービスへの変更になるという認識で理解した。
であれば、良い意味で幅広く機能やサービスを検討できるはず。例えば東京都板橋区では、自宅内で体調が急変するなどの緊急時にセンサーが異常を感知すると24時間体制で待機している民間緊急通報システム事業者のコールセンターに通報が入り、スタッフが状況に応じて119番通報や緊急連絡先に指定されている方への連絡が行われる。まだ時間はあるので、こういった他市町村の事例など幅広く調査すれば、より良い支援機器に変更されると期待している。
その点について、現状や方針を聞きたい。
▼答弁
高齢者等緊急通報システムの更新については、既に複数の事業者から高齢者の見守りに関する提案を受けており、議員ご紹介の機能も含めたものなど新技術を活用したサービスも出てきている。
市としても高齢者の安心に繋がるような見守りサービスについて、他市の状況や事業者からの提案なども含め検討していく。
▼嶋中
現状を含め前向きな回答をいただき安心した。
限られた予算の中で吟味されていると思うが、今後も一人でも多くの人へ周知できるよう注力していただきつつ、最新の技術や他市町村の事例にアンテナを貼り続け、利用者の方により安心・安全を提供できるシステムになるようお願いして本質問を終わる。

Ⅲ:教育行政(1)小中学校における合理的配慮について

質問先:教育部・指導室
目 的:小中学校で行われている合理的配慮の実情と、学校現場の支援体制について確認

▼嶋中
最近、市民から障がいのある子どもへの必要な支援。いわゆる「合理的配慮」について相談を受ける機会があった。
今回の相談者は学校現場において、担任の先生や校長先生が親身になって様々対応してくれており非常に感謝していたが、市教委としては学習環境への悩みや課題を抱える児童生徒に対し、現場にどのようなサポートを行っているのか。
▼答弁
各学校では、学習や学校生活に困り感のある児童生徒に気がついたり、家庭から相談があったりした場合、その状態を整理した上で、児童生徒の力を最大限発揮できるよう必要な配慮や支援を検討し実施している。
市教委においても、合理的配慮の提供を含めた特別支援教育に関する研修の充実や、どの子も安心して学べるようバリアフリー化など設備面を含めた環境の整備を進めているとともに、個別の相談に対して学校と共に検討し必要な支援や配慮を実施している。
▼嶋中
市教委と学校現場との連携について理解できた。
では、保護者に対しては具体的にどのような説明や周知活動を行っているのか。
▼答弁
保護者に対しては、子どもの学校生活上で気になる部分について個別に教育相談を適宜行いながら必要な配慮等について検討し進めている。また、保護者への周知活動としては、平成28年に作成した合理的配慮に関するリーフレットや、令和5年4月より運用開始した苫小牧市特別支援教育基本方針の周知をするとともに、発達に関する相談窓口である子ども支援室あかりについて家庭情報誌ほーむ&すくーる等において周知し、随時保護者からの相談にのれる体制を整えている。
▼嶋中
宣伝や集客と違い、大々的にPRすればよいというものではないので、慎重かつ丁寧に進めているであろうと思う。
それでは平成28年のリーフレット配布以降、実際に対応した例をいくつか知りたい。
▼答弁
様々な事例があるが、車椅子を利用する児童について、体を支えられるよう便器の周りを取り囲む作りの手すりを設置したことや、エレベーターのない学校で階段昇降機を準備し上の階での学習にも参加できるようにするなどの配慮をした例がある。
また各学校においては、書くことだけが極端に苦手な児童生徒に対して板書をタブレットでの打ち込みにする、タブレットで写真を撮って保存する、板書計画をプリントアウトしノートに張れるようにするなど、一人ひとりの実態に応じた配慮を実施している。
▼嶋中
各個々人の困りごとに合わせて、様々な配慮がされており安心した。しかし、小学校入学時や成長スピードによって身体的特徴や学習の習熟度にばらつきがある小学校低学年時は、保護者や子ども自身が学習環境に関する課題に気が付いていない場合もあると思う。
保護者や子どもたちに対し、気づきに繋がる機会の提供や、些細な違和感でも気軽に相談できる仕組みの構築はできているか。
▼答弁
就学時検診時での各検査や保護者との教育相談、幼稚園等からの引継ぎや情報収集など、小学校入学前から必要な支援について検討している。
子どもたちの困り感に対しても日常的な担任教師とのやりとりや、子ども専用相談電話やメール、SNS相談窓口のおなやみポストの周知などを通し、幅広く悩みに対して相談を促している。
▼嶋中
検討されている入学前からの支援については、是非とも導入いただけるよう要望する。
相談窓口についても引き続き注力してほしいが、一般に認知されている障がいではなく、レアケースな悩みや特異性の高い案件を保護者から相談された教員が、慎重かつ正当な対応ができるよう、市教委からはどのような支援をしているのか。
▼答弁
各学校では相談を受けた担任教師だけでなく、校内で指名されている特別支援教育コーディネーターを中心に校内で検討するなど組織的に対応している。
また市教委としても、合理的配慮に関する学校からの相談に常時応じる体制を取るとともに、教員向けの特別支援教育に関する研修は特別支援教育担当教員だけでなく、通常学級担任の参加機会を増やしたり、その内容を充実させている。
▼嶋中
因みに大阪では2021年〜2022年に、大阪の小中高9校に通う4,350人の子どもと保護者を対象に、Lid/APDという一般の聴力検査では発見し難い聴力の障がいに関する大規模調査を実施したことがあり、その際は調査の結果、0.8%の子どもがLid/APDと診断される可能性があるという調査結果だったとのこと。
非常に極端な例かもしれないが、本市においても認知されてない病気や障がいに関して教職員や保護者、子ども達に認知させるような取組はできているか。
▼回答
聞こえの問題や見え方の問題、認知の偏りの問題、コミュニケーションに関する問題など、子どもたち一人ひとりの状態は様々なので、新たな障がい名が出てくるたびに子どもたちに説明するのは難しいと考えている。
いつでも子どもが相談できるような担任との信頼関係を構築することや子ども向けの相談窓口の周知をより一層進めるとともに、教師が困り感に気が付いてあげられるように、市教委が主催する各研修等の中で新たな障がいについても取り入れながら、もしからしたらという視点で、つまずいている背景要因について、時には医療とも連携しながらきめ細やかに把握し、適切な指導・支援を実施することが重要だと考えている。
▼嶋中
様々なツールやサポート体制が組まれていることは非常に評価できると感じた。
この合理的配慮というのは決められた予算や対応マニュアルがあるわけではなく、個々人の困りごとに対し、担任の先生を中心とした現場の先生たちが保護者の方と連携して、可能な範囲で子どもの学習環境を整えるため配慮し支援するもの。
保護者の望む通りの支援にならない場合もあると思うし、実行した支援がなかなか実を結ばないこともあるかもしれない。先ほどの答弁にもあったように、信頼関係の構築を図り、各種研修や関係機関との連携、あらゆる手を打ち続けるしかないものなのだと思う。
通常の学校運営だけでも多忙を極める中、現場の先生たちには頭が下がる思いだが、「子どもたちが平等に教育を受けるための配慮」を引き続きお願いすると共に、市教委からも最大限サポートしていただくようお願いして本質問を終わる。

Ⅳ:教育行政(2)とまこまい型部活動地域移行ビジョンについて

質問先:教育部・学校教育課
目 的:とまこまい型部活動地域移行ビジョンにおける詳細や進捗の確認と、周知に関する提案

▼嶋中
私は昨年、本市の市議会議員として初当選してから、委員会も含めるとほぼ毎回この部活動の地域移行について様々な質問や提案をしてきた。
前職時代に地域のスポーツや教育に携わっていた私としては、本市のビジョンは教育現場の未来と向き合った覚悟のある計画・方針だと感じている。
しかし市民や生徒、保護者や事業者に対する周知・理解という意味ではまだまだ課題があり、特にあえて柔軟性を含ませた施策やスケジュールについては、なかなかその意図や狙いまで理解されていないと感じる。
今回はそこも踏まえ、市民がいまいちピンときていない、もしくは市民に知っておいてほしいと感じている部分をピックアップして質問します。
先ず最初に、最近の取組として専門委員への個別ヒアリングを実施したと聞くが、その内容とそこから今後にどう繋げていくのか。
▼答弁
とまこまい型部活動地域移行ビジョンの作成にあたり、教員である各競技の専門委員の意見を取り入れて作成しているが、個別ヒアリングは拠点校方式の導入や地域移行に向けた課題について各競技の専門委員長から活動状況等を聞き取り、取組に反映するために実施した。
今後については、生徒数に応じた活動場所の選定や指導者の配置方法等にヒアリングで得られた意見を活かしていきたい。
▼嶋中
地域や種目・競技などによる特性がそれぞれあるので、今後も現場の声を聞く取組は徹底して継続するようお願いする。
私が見聞きする範囲ですが、少しずつ学校関係者や地域の指導者、民間事業者、現在各中学校へ通う保護者にもビジョンの内容が伝わり始めていると感じる。しかし潜在的な、現時点では自分と部活の接点を見出せていない、今後受け皿になり得る市民や事業者にはまだまだ周知が足りていないと感じる。今後はどのような取組、周知活動をしていく計画か。
▼答弁
今後の取組については、校区ごとに保護者説明会の実施を予定しているほか、関係機関等を通じて競技関係者にビジョンの周知や受け皿団体の発掘等の協力を要請するとともに、詳細をホームページやSNS等を通じて周知していく。
▼嶋中
正解やゴールの無い取組になるのでたいへんかと思うが、「どれだけ地域や市民を巻き込めるか」。そして一人でも多くの人に「自分にもできることがあると知ってもらうこと」が最重要なので、引き続き注力するようお願いする。
因みに、既に様々な変化が始まっていると思うが、文化芸術や武道の進捗は如何か。
▼答弁
柔道、剣道、相撲の3種目については、これまでも地域のクラブや道場で活動し、大会参加時のみ学校単位で出場していたが、令和6年度から地域クラブに完全地域移行を実施した。
文化芸術のうち吹奏楽部については、現在4つのクラブに集約して指導者を確保し、いままでやりたくてもできなかった近隣校の生徒も参加できるように検討している。他の文化部活動についても、学校にある部活動を選択するのではなく、子どもたちがやりたいことを実現するための仕組みづくりをしたいと考えている。
▼嶋中
武道に関しては非常に順調なようだが、完全移行がゴールではなく新たなスタートだと思う。他の種目や競技の参考になる部分もあると思うので、引き続きサポートしながら課題などあれば柔軟に関係者へ共有してほしい。
学校や部活との繋がりが少ない、個人として教室を開くなどして地域で活動する指導者が多い文化芸術については、今回の取組をまだ詳しく知らない可能性がある。
こちらについても周知活動の強化、徹底をお願いしたいが如何か。
▼答弁
周知については、これまでも苫小牧市文化団体協議会の関係者と情報交換をしていることから、加盟団体を通じた周知方法を検討するほか、市内の文化系サークルと連携を強化していく。
▼嶋中
文化芸術については中学生という年齢に縛られることなく、大人から子どもまで共に活動する地域サークルなどに所属しやすいと思うので、引き続きアプローチを続けてほしい。
続いて「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」に書かれている「部活動地域移行推進コーディネーター」や「とまこまい地域総合クラブ」について、なかなか内容や構造を含めた理解が浸透しておらず、ここに市民や関係者の疑問・勘違いが生まれている印象がある。
先ず「部活動地域移行推進コーディネーター」について、準備中であることは理解しているが、どのような役割を担うイメージなのか。
▼答弁
「部活動地域移行推進コーディネーター」については、学校と行政、地域クラブを繋ぎ、指導者の確保や地域移行の実現に向けた方策検討を担う役割となることを想定している。
▼嶋中
非常に重要な役割になるので、今後の募集や人選について機会を作って提案要望していく。
では「とまこまい地域総合クラブ」についても解説してほしい。
「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」の文中にも「中学生の部活動の受け皿となる全ての地域クラブの運営母体として」という表現があるため、全ての活動団体が総合クラブに属するようなイメージを持つ市民もいる。このあたり、市民にも分かる説明に改善できないか。
▼答弁
仮称「とまこまい地域総合クラブ」については、市教委が所属する地域クラブを指定するのではなく、サポートを必要とする地域クラブから希望いただくものです。市民理解が得られるよう、今後の保護者説明会等で丁寧な説明を行っいます。
▼嶋中
総合クラブの存在は、指導はできるがチームや団体の管理、運営までは難しいという市民や、地域移行後も指導に携わりたい教員にとっても重要なスキームになる。十分な理解が進むよう、分かりやすく丁寧な説明をお願いします。
最近は新たな地域クラブや拠点校が増え始めているようで、前向きなイメージが少しずつ伝わりつつあると感じるが、移行期間に部活動指導員に登録される方が完全移行時には継続できない事例も出てくる。そのあたりはどのように考えているか。
▼答弁
部活動指導員については、専門的指導者の確保と教員負担の軽減を目的として配置している。
地域移行が完了した時点で、部活動指導員としての立場や役割は終えることが想定されるが、地域移行完了後も指導にご協力いただくなど、仮称「とまこまい地域総合クラブ」を通じて地域クラブに紹介し、指導者として活躍してもらえることを期待している。
▼嶋中
制度設計上、仕方のない事で理解できるが、貴重な人材ですので答弁にもあったように、地域移行完了後も指導に協力いただけるよう丁寧な事前説明や対応をお願いする。
もう一点、地域移行に伴う変化を想定した際に気になることがある。
これまでは中学校に入学すれば学校の部活動を把握することができたが、地域移行が進む中でクラブチーム等が新たに増えれば、保護者や子どもたちがそれを全て把握するのが困難になる。
私の息子は現在中学2年生で、漫画の本の影響でバレーボールに少し興味があるようだったので、西部西地域に新しくできたバレーボールチームのことを話すと、存在を全く知らなかった。
今後は正に、こういった事象が課題となっていくことが予想できる。
何らかの媒体や配布物、掲示物を活用し、地域単位で事業者を把握したり、種目・競技別の団体を認知できるスキームがあれば非常に有意義だと思う。今後、行政主導で情報提供の機会や仕組みを作る予定はないのか。
▼答弁
地域クラブ等に関する情報については競技種目ごとの活動方針や練習頻度、参加費用等に関する情報をホームページや学校を通じて案内したいと考えている。
その他、新たに設立されたクラブ等の情報についても、随時お知らせしていく。
▼嶋中
極力、変化に対応できる体制を構築してほしい。
特に近年の保護者はデジタルネイティブ世代が多く、今後はその比率が高まっていく。webページやSNSなど活用し、本市の部活もとい社会教育情報を周知徹底することも可能なはずなので検討してほしい。
最後に教育長に聞きたい。この「部活動地域移行」は学校教育現場及び中学生の放課後時間における大きな変化であり、市民の注目度も高い案件。現時点では不安や課題感を耳にすることのほうが多いのが事実だと思う。
しかし私個人としては、子どもたちが地域と関わることによる社会教育機会の充実だったり、教職員の働き方改革によって学習環境の向上や「いじめ」「不登校」などの問題と向き合える時間の確保など、この変化を行政・市民・事業者一体となって乗り越えることができれば、子どもたちの教育環境が今までよりも良いものになる可能性を持つものだと思っている。
是非、教育長の考えや想いを聞かせてほしい。
▼教育長
先日報道にあったが、全国中体連で競技人口の少ない競技の取りやめなど大きな改革が行われる。アイスホッケーも含まれており、本市としては心配も多くあるが、経験の無い指導者が顧問となり、引率を強いられていることを解消するのであれば当然の流れであると感じる。   
一方で、連日中体連の各競技の結果が報道され、皆さんも同様と思うが生徒たちの活躍をうれしく微笑ましくみている。
その中で、サッカーは西部拠点チーム、ウトナイのクラブチーム、バレーでも複数のクラブチームがすでに学校単位の部活動ではなく、地域のクラブチームとして参加している状況があり、子どもたちのために本気で考えてくれている先生方や各競技の関係者が、市教委の示したビジョン、ロードマップを理解して歩んでくれていることを頼もしく感じている。  
先日、近隣市からの視察を受けたが、こんなにも先生方が協力してくれていることをうらやましがっていた。苫小牧市の教員になれば、憧れた先生のようにこれからも子どもたちの指導に関われるという仕組みにしたいし、発信していきたい。
改めて、部活動の地域移行は必然であり、子どもたちの活動機会を確保し、側面として教職員の負担を軽減する大きな目的に向かって、ご協力いただきながらともに歩んでいきたい。
▼嶋中
この先に見ているビジョンは同じだと感じることができたので、本件は今後も様々な場面でピックアップし、市民への説明や周知、協力の呼びかけなど、私自身も最大限尽力する。
次年度以降設立される計画の専門部署も含め、行政としても教育委員会だけで進めるフェーズではなくなり、連携や引き継ぎの部分でも難しさはあると認識している。
それでも、少しずつでも、いち早く情報を開示していけば理解者や協力者も増えていくはず。
今年度は準備する内容が盛りだくさんで負担も大きいと思うが、刻一刻と変化していく現場や、対象となるお子さんを抱える保護者にも方針や進捗を提示し続ける必要がある。
本件に関する情報開示や進捗報告について引き続きお願いし、質問を終わります。

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