24/08/24 ネツァリオキツァリ

一昨日換気によって酸欠疑惑を解消し、たっぷり寝るぞと意気込んで寝まくったところ起きたら首を痛めてました。おかげで昨日は机の前に座っているのがしんどくて仕事にならない始末。
昨晩も寝返りを打つたびにアイタタタとなり一々目覚めながら六度寝ぐらいして、ものの見事にポケモンスリープの睡眠タイプは「うとうと」になりました。


『古代マヤ・アステカ・インカ解剖図鑑』を読みました。

タイトル通り、新大陸の文明、マヤ、アステカ、インカについての解説本です。ユーラシア大陸およびアフリカ大陸と文明の交流を持たないまま独自に暦や文字、宗教を発展させたこれらの文明について語られており、これら以外のメソアメリカにおいて興亡した文明についても触れられています。図がいっぱい載っていて、独自の体系を築いた高度な建築やマヤ文字、服装などを見られるのが嬉しい。

マヤ人はトウモロコシから生まれたともいうほどトウモロコシを神格化していたという話など日本におけるコメとも通じるものを感じたりして面白いですね。トウモロコシの黄・白・赤・黒の4色は世界の四つの色に通じるという考え方とかとてもロマンチックです。

さて、アステカといえば生贄の儀式。石仮面を作っていたアレですね(あれはジョジョの創作ですが)。
アステカ神話において、人類が栄える今の世界は5番目の世界らしく、これまでに4フェーズ別々の神性が世界を主宰してそれぞれ巨人が栄えたりしていたそうな。
今の5巡目の世界を支える神性は「動き」で、それによって太陽と月が動いていて人類が栄えているのですが、この世界も「動き」によって、つまり地震によって滅びるのだそう。いわゆる宗教的終末論。このあたり、日本人としては「地震で世界が終わる」というのはやけに身近に感じられて他人事ではないというか、引き込まれます。
そこで世界の終わりを引き伸ばすために神へ生贄を捧げていたのだそう。18ヶ月に1人ペースと書かれていたのでそんなものかと思っていたら他の色んな神にもそれぞれ生贄を捧げていて中小企業のお中元みたいになっていたそうです。後期には生贄作りのために戦争をしていたとか。

他の宗教や主義を見ても終末論が前面に出てくると割と「狂う」傾向があるというのはなんとなく見えるのですが、特にこの生贄に関してはやめどきがないのが厄介ですよね。変な話、例えば雨乞いだったら「やったけど雨降らないじゃん」とか観測しようがありますけど、「世界を終わらせない儀式」なので成功率は100%じゃないですか。今も世界終わってないですし。
世界が終わってしまう以上「一回やめてみよう」が絶対できないので省みるチャンスがないですし、こうなったらやめられないよね…。

本書で最も印象的だったのは以下のくだりなのですが;

残されている資料を読む限り、アステカ人は極めて人間的かつ感情豊かな民族であった。しかし、文化的発展の過程で何らかの理由で理性の支配が破綻した形跡がある。その結果、世界と生命の安寧が大量の人身御供によってのみ維持されるという精神の暗愚に陥ったと思われる。

その「何らかの理由で理性の支配が破綻した形跡」を詳しく教えてよ! 一番気になるじゃん!!