24/09/24 Inverted Angel

一気に涼しくなりすぎ!
夜ランニングに行く前に外気温を確認したら先週同じような時間に確認したときより10℃下がってました。

僕はどれだけ酷暑が長く続いても夏の終わりにはちゃんとしんみりする芯の通った夏好きなんですが、今年は夏の終わりを感じる間もなく一瞬で夏が終わってしまいました。あまりにも…あっけなさ……すぎる………。


Twitterでフォロワーさんが遊んでいるのを見かけて興味を持ったゲーム「Inverted Angel」を遊んでみました。収束するEDをふたつ開けたところ。

主人公はアパートの自室で足音を聞いて目を覚まし、来客にインターホンで応答します。その来客の女の子は主人公のことをやけによく知っているようですが主人公は彼女のことを知らない。
この状況でやりとりをしながら彼女の正体は何者か、なぜ主人公のことを知っていて訪ねてきているのか、そもそも主人公はどのような状況に置かれているのかということを推理するADVゲームです。

本作を推理ADVたらしめているのがシーケンスごとに挿入される「彼女は何者だと思うか」「彼女の語りに違和感はなかったか」といった問い。これにプレイヤーは回答することになるのですが、ここで自由記述ができるのが実に良い。
ゲーム側として想定されている回答は何パターンかの決まったものなのですが、簡単な自然言語解析を備えており想定パターンに近い回答はゲーム側でちゃんと拾ってくれるのです。

ADVを遊んでいて特に楽しい瞬間の一つが「自分の意思がゲームに汲み取られ、反映されたとき」なのでこれはすごく嬉しい。
以前遊んだ「扉は君の鍵で開く」も推理を自由記述できる推理ADVで非常に面白かったのですが、あれは拾うキーワードをマンパワーでコーディングされていました。そこにAIのサポートを得られるようになったのは開発する側にとってもありがたいのではないかと推測します。
逆転裁判を遊んでいるときに「自分の意図をゲームに反映させることが難しい」というゲームとのコミュニケーションにストレスを感じたことがあったので、こういう自由入力と自然言語解析の組み合わせはどんどんポピュラーになってほしいところ。

あと「Inverted Angel」は主人公の選択によってルート分岐するのですが、「選択によって収束先が変わる」…つまり主人公の選択次第でドアの向こうにいる彼女の正体や主人公のそもそもの状況など真相そのものが変化することが明言されています。
これはADVの実装としては決して珍しくないことなのでしょうが、選択によって世界そのものが変質するというある種ADVの「仕様」のようなものをフレーバー、遊びしろとして昇華しているのが魅力的でした。僕はこの手のゲームにあまり詳しくないのですが、結構ある手筋なんでしょうか?

分岐によって「常識的に考えると主人公の選択によって変わりそうもない部分」が変わるとなんだかワクワクします。
僕は今までこういうルート分岐のあるADVをあまり遊んだことがないのですが、今年頭にルート分岐のあるADVゲームを遊んでいるとき何気ないシーンでやけに新鮮味を感じたことを覚えています。あるルートでは正月に出店を出していた主人公のバイト先が別のルートでは一切そのようなことはなく主人公は寝正月を過ごしていて、世界に「正史」がないことになんだか感動したんですよね。
ADV要素のあるソシャゲはいくつかやったんですけど、ソシャゲってルート分岐がないから正史しかないんですよねえ。そういう意味では平行世界の導入によって分岐を暗黙的に実装したブルアカはやっぱりADV好きな人が作ってるんだなあ。