24/05/05 旧世界より

ゴールデンウィークということで3日から実家に帰省しています。昨日今日と風通しのいい部屋でゴロゴロしながら本を読み気ままにうたた寝して昼寝する生活。体力が回復していくのを感じます。

近所の図書館に行きました。幼い頃からずっとお世話になっていた図書館です。僕の脳内の蔵書を読了日順でソートすると前半の大半にはこの図書館のシールが貼られている可能性があります。かつて僕にとって「新世界より」の第2楽章は図書館の閉館時刻が迫る曲でした。

児童書の棚から『名探偵夢水清志郎の事件簿1 名探偵VS.怪人幻影師』を読みました。事件ノートの方は最後まで読んだんですけどこっちは初めて。
第1作がテーマパークで怪人と対決、第2作が学校の七不思議、第3作が秘宝、というのは「事件ノート」シリーズをセルフオマージュしてるんでしょうね。

あらすじとしては主人公の小学6年生・宮里伊緒およびその妹が近所の洋館に住まう自称名探偵の夢水清志郎に出会うという伝統の(?)開幕から、近くにできたテーマパークへ一緒に行くと事件に巻き込まれ…というもの。
そのテーマパークというのが「レトロシティ」という50年前の日本の暮らしを再現した区画で、外界から隔離されたパーク内では専門に雇われた役者たちが本当にそこに住んで50年前の生活をしているというもの。そして懐古主義的な価値観がかなり肯定的に語られる作品なんですが、はやみねかおる先生は前からこういうの好きですよね。
実際に懐古主義を押し付けているというよりは、子供がよく持ち合わせている「自分が生まれる前の古いものに接することの興味や、それで大人を喜ばすことの面白さ」に寄り添っているように感じました。
そしてそれだけに、大人になってから読むと…子供の頃のそうした媚びみたいなものが見透かされていたと思い知るようで、なんか恥ずかしかったですね…。