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【本当にあった怖い話】(3)

札幌に住んでた頃、家の裏の川でよくBBQをしていました。その日も仲間を数名集めてBBQ。昼から始めていたので夕方にはいい感じに酔っ払ってお腹もいっぱい。
夜も更けてきた頃

『肝試し行かない?』

夏の風物詩。若いとなぜか行きたくなる肝試し。近所は滝が流れている公園があり、『夜は出る』とちょっとした心霊スポット。乗りで行くことに。
#飲酒運転はしてません
#ドライバーはノンアルコール

男3人女2人はコンビニでお酒とお菓子を買い、遠足気分でその心霊スポットの公園へ。駐車場に車を止める。出ると言われているのは滝がある付近だ。駐車場からは少し離れていて、細い階段を下りて少し歩く。車から下りると

『やっぱりやめる』

女子2人が怖気付いたのか車に残るとの事。心霊スポットなんて女子がいないとつまらん。が、仕方がないので男3人で行く事に。行こうとすると

『ちょっと待って!』

呼び止められる。僕の持っているカッパえびせんを少し置いていけと。そんなやりとりをしているうちに他の2人はドンドン進んで行き、滝に向かう階段を下りようとしている。

『置いてくなよ』

そう思いながら後を追う。
駐車場は少し高い位置にあり滝続く階段はかなり下にある。駐車場からは右に大きめのカーブを描いた道を降りて行くのだがそれでは2人に待ち合わない。
道なりではなく、間の下り坂の土手をショートカット。左手にZIMA、右手にカッパえびせんを持ち、颯爽と駆け下りて行った。


『男ってどうしてこんなに馬鹿なの?』女子2人は笑った。滝には行かないとはいえ心霊スポット。少し心細い。

『ちょっと待って!』

内藤を呼び止めた。せめてそのカッパえびせん置いてきなさいよ。カッパえびせんを半分ほど奪い遅れをとった内藤を見送る。

すると不思議な事が起きた。内藤の姿が突然消えたのだ。土手を急いで下りて行ったまでは見た。下りきってまっすぐなところに差し掛かった辺りで消えた。カッパえびせんが宙を舞った。

カッパえびせん??

2人の後を追い土手を駆け下りた。少々伸びた草の生えた土手が坂からフラットな面に差し掛かった途端に視界が変わった。

穴に落ちた


その土手のフラット面との境目には深めの排水溝があった。薄暗さと伸びた草で全く見えなかった。
全速力に近い速度で駆け下り、そのまま排水溝へ。落ちた勢いそのままに太もも強打し前方へ転倒。ZIMAとカッパえびせんが宙を舞った。
吐き気を伴った激痛が僕を襲った。もがいていると先に行った2人が帰って来た。

『なんもなかったわ。てか何してんの?』

僕の肝試しは終了した。
不思議な事ってあるんですね。
#肝試し
#心霊スポット
#カッパえびせん
#宙を舞う

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