初めての婚活パーティ

バツ友ができる

行きつけの小料理で定期的に呑むようになると、次第に互いの身の上を話す機会が増える。私はバツ2であることも、久しく逢ってはいないが娘がいることも隠すことなく話すと、「実は俺も、実は私も。。。」が結構あるものである。少しずつではあるが、バツ友コミュニティが形成されるようになってきた。
といっても、行きつけのお店で呑む以外にはゴルフの打ちっ放しに行く程度だったが。。。そんなある日「こういったのがある。」とバツ友の一人が紹介してくれたのが、婚活パーティだった。

意外と出席可能な婚活パーティが多い

バツ友が紹介してくれたパーティは、比較的大規模の会社で幅広いラインアップを揃えているとのことだった。私はこの手のパーティには、高額の結婚
相談所に勧誘される、サクラが多い、20代、30代を対象としているといった先入観があったのだが、彼曰く全く杞憂であり、一緒に行ってみようと誘ってくれた。(不惑過ぎて付き添ってもらうのも情けない話だが。)そうしたわけで、人生初の婚活パーティ出席と相成ったわけだが、直前に「事件」が起きる。バツ友に急用が入り、私が単独で行くことになってしまったのである。

とにかく慌ただしい。

私が出席したパーティは以下のような流れだった。

①1人1分ずつ全員と会話する。
②好印象の人をピックアップする。
③自分自身の印象度が提示される。
④フリートークで話したい人と、交替しながら会話する。
⑤良かったと思う人を選んで、相手からも選ばれていたら発表があって散会

問題は各プロセスの時間のなさだ。
まず①のプロセス、1人1分など会話にならないのである。名前を名乗って、世間話的な話題に触れたかと思えば、もう次の人と交替しなければならない。
そんな状態で②のプロセスに移っても、そもそも印象に残る人が皆無だからピックアップできない。そんな状態で③のプロセスを迎えた。

自分の印象度にびっくり

スタッフから1人1人に配布された長方形の紙片に自分の印象度が書かれている。(といっても私をリストアップしてくれた方の番号が無機質に並んでいるだけだ。)その中身を見て仰天した。慌ただしい中で誰の印象も残っていない私だったが、リストアップしてくれた方が相当の数いたのである。その日出席した男性では1位と記入されていた。何かの間違いか?トラップか?(この理由をご丁寧に説明してくれた人がいるの後術)何とも落ち着かない中で、④のプロセスをむかえることになる。

正直辟易したフリートーク

パーティの後半は、自分が話したい人と何度か交替しながら話すというものであった。といっても②のプロセスを怠っていた私である。近くにいた方に話しかけ会話を始めた。CAの方とかでそれらしくそつがないように感じた。そんな感じで2,3人と会話した後、司会より「女性から男性に話しかけてください。」というプロセスが通知された。但し、女性からは恥ずかしいとの理由で、男性諸氏は目を閉じ、女性からのアプローチを待つというものだった。しばらくして司会に促され目を開けると、先程話しかけたCAの方がいた。結構話が弾んだことを覚えている。再度目を閉じ、女性からのアプローチを待つ。
目を開けると別の女性が待っていた。そこからが大変だった。

話題の全てが、私が直前まで話していた女性の悪口のオンパレードだったのである。
「自称CAだが、パーティに週2で来てる。CAがそんなに来れるわけない。」
「先週は別の男性とカップルになっていたのに今日も来ている。」
「別の会社のパーティにも来ていた。」
「1日に2回のパーティをハシゴしていた。」等々。。。

会話にならない。一方的な「密告」以外の何物でもなかった。彼女にとって私とコミュニケーションを取るのが目的でなく、ターゲットの足を引っ張ることが目的としか思えなった。

心底疲弊したエンディング

当然⑤のプロセスで、選ぶなんてできず白紙回答、スタッフが何回かやってきて「書いた方がいいですよ。」と言われるも拒否。帰り支度を始めていると、隣席の男性が声をかけてきた。
「初めてですか?」
「はい。」
「でしょうね、他は皆常連なんですよ。だから皆にとって新鮮で人気があったと思いますよ。この中で引っ付いたり離れたり繰り返してると、新人さんには人気が集まりやすいんですよ。」

こんなところの常連になるなんて死んでも嫌だ。足取り重く会場を後にした。

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