海が怖い(2回目)をヒーリング
前回の宇宙飛行士のヒーリングで、広い宇宙の空間、遠くで瞬く星々が自身の人生の一つ一つの幸せの輝きだという思いに至ってから、無限に広がる空間への恐怖はずいぶんとやわらいだ気がします。しかしまだ海への怖さが残っています。「海が怖い」を解消すべく、引き続きヒーリングします。
【以下、ヒーリング内容を小説風に書いています】
意識を拡張して、癒しながらリーディングをはじめる。
辺り一体、うっすらと煙が立ち上っている。煙たい。土埃(つちぼこり)だろうか。ピュンピュンと銃弾が飛ぶ音が聞こえる。
戦場だ。銃弾が飛び交っている。戦場の前線にいる。
慌てて身を隠す。深さ80cmほどあるだろうか、人力で掘ったような地面の窪みにしゃがみこむ。銃を撃ってくる方角に背を向けている格好だ。紐で肩にかける形でライフル銃のようなものを持っている。一発ずつ弾がでるタイプか。時代は…。銃撃戦が主力のようだ。他は爆弾や大砲のようなものがあるようだか、ヘリがあるような時代ではない感じがする。1800年代だろうか、2つの世界大戦ほど最近ではないだろう。場所はヨーロッパ。地方まではわからない。だが、戦場の真っ只中にいる。
危ない。ここでは命が危ない。死ぬかもしれない。
怖さを払いのけるように、力を絞り出すように、振り向き、弾が飛んでくる方角に銃を撃った。そしてまた背を向けて隠れる。
ダメだ。ここはダメだ。死ぬ。生きて、帰れないかもしれない。
そう思った瞬間、辺り一面真っ白になった。
爆弾か? 爆弾にやられたのか? 俺は死んだのか。
真っ白な中で思い出す、故郷にいる母と妹。もう生きて会うことはない。生きて帰れなかった。俺がいなくなればこの先、母娘女二人で生きていかなければならない。大丈夫だろうか、こんな時代に。幸い、故郷(いなか)のほうは戦火を免れている。俺がいなくても、なんとかなるだろうか…。
戦争になんかに来るんじゃなかった。家を離れて、遠くこんな所まで、こんな所に来るんじゃなかった。
悔しい思いが伝わってくる。この青年は、徴兵ではなく、形式上は志願して来たようだ。理由まではわからないが、何か彼なりの事情があって来ることを選んだようなことは伝わって来る。全身が螺旋を描きながら、みぞおちの一点に凝縮していくような後悔のエネルギー。後になってわかる自分の思い。死んでからでは…。これは青年の思いだ。青年を癒す。
「戻りたい? お母さんと妹の所に。」青年に話しかけた。
うなだれていた青年はハッとしたように顔を上げ
「戻りたい! 生きて戻りたい!」そう叫んだ。
次の瞬間、
隣から「おい!」と呼ぶ声が聞こえた。「おい!(銃を)撃て!」
夢から覚めたようにハッとしたまま慌てて振り向き、銃を撃った。撃ったと同時に、シュッという音がして急激に体が熱くなるのを感じた。撃たれたのだ。倒れこみ、仲間に引きずられながら後ろのほうへ運ばれてゆく。気を失っている。
目を開けると、天井が見える。暗い。医療テントの中だ。たくさんの負傷者が地面に横たわっている。目を閉じるとまた意識が遠のいた。次に目を開けると、また天井が見えた。明るい。今度は病院のベッドの上だった。生きている。生きて、帰れる!全身から力が湧いた。
場面は進み、のどかな町の一軒の家の前。母親と妹が兄を出迎える。兄は杖をついている。片足をひきながら二人に駆け寄る。長年会えなかった家族との再会のように、青年は愛に溢れ、喜びに溢れている。
【ヒーリングを終えて】
「生きたい」という思いが、命を続かせる、命を次の場面に運ぶ、そんな気がしたヒーリングとなりました。今回の戦場のヒーリング、海が怖いと関係ないようですが、一度出てしまったら戻れない感覚、「海に出て戻ってこれなかったらどうしよう」という感覚はこの記憶が起源のようで。その他「家(ホーム)に帰る/帰る家(ホーム)」というテーマも、海が怖い1回目のヒーリングと重なります。母親と妹の存在も。記憶のパズルが集まってきています。
2020年2月11日 ハル自己ヒーリングより
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