初めて彼の生歌を聴いた日

　新橋駅前SL広場　2020.11.5　（写真提供：Instagram　@mayu_raki）

初めての路上ライブ

　私自身、路上で歌っている人を見たことはあったが、足を止めて聴いたことがなく、路上ライブ自体が初体験だった。いつも配信で歌っている彼が目の前で歌ってくれるというので、行ける距離なら行ってみようかと思い出かけた。オリジナル曲『One！』のMV撮影も兼ねてとのことでカメラを構えた友人とともにSL像の前にいた。「歌っていなければただの少年じゃん。」というのが第一印象。

　記録として書き残していたわけではないので、記憶は曖昧で正確ではないのだけれど、確か高橋優さん、藤井風さんのcover曲、オリジナル曲を織り交ぜて10曲くらい歌ってくれたと思う。通り過ぎる人が「うまいな。」といいながら振り返る。時々は立ち止まる人もいた。お一人、スーツ姿の男性が瓶ビールを両手に持ち座り込んで聴いてくれてた。たしか、そのビールの一本を差し入れされたと思う。

　すぐ近くのモニターの音が大きいが、歌いだしたらそんなものは全く気にならなかった。もちろん歌は上手い。特徴のある声で惹きつけられる。それだけでなくちゃんと私の心に届く。動画や配信の歌ももちろんいいと思ったが、直接に聴くのがもっといい。聴きに来てよかったとそう思った。

　途中の休憩の時には、近寄ってきてくれて声をかけてくれた。初めて直接に話をした。嬉しかったけど、何をしゃべったか全く覚えていない。気さくな笑顔だった。お願いすると握手もしてくれた。その手が冷たいことを気にかけてくれてホッカイロをくれるという気遣いと優しさ。（私にじゃないけど）　その時に、初めて遥くんファンの人にであった。今もHALMUDAハルミューダをともに応援する友だちができた。このとき撮影していたオリジナル曲『One!』のMVは、今はもうYouTubeから消えてしまったが、一瞬、自分の姿が映っていて嬉しかったな。今は路上ではあんまり『One！』は歌わないから、本当にレアな日になった。

　この日、遥くんファンの友人と「遥くん、将来的に絶対、来るよね。売れるよね。」「なんでみんな気がつかないんだろうね。」「私たち古参になれるね。」って話したことを覚えている。本当にそんな風になっている気がする今日この頃。