記録038
わたしより優れた誰か。わたしより優れた部分を持つ誰かの、その優れた部分が憎い。わたしが持たないものを持っていることがとてつもなく妬ましく羨ましい。
という下書きが残っていた。恐らく少しばかりマイナスに振れたので、それを増幅させてなにかを書こうとしていたのだと思う。
こういう気持ちすら、いまはきれいに均されて、わたしのなかにあるのは、ただひと握りの砂のようなまどろみ。いっときあらわれた黒いきもちを、なんとか捕まえて伸ばして拡げて、やっと日記を書けるだけの質量にしている。
職場の人々に心配されることが増えた。いよいよ目に余るのだろう。パソコンの前に座っていても、書類を目の前にしても、立って作業をしていてもゆらゆらと眠っているのだから。
入眠にあまり上手くいっていませんとようやく言えた。じゃあいま売り出し中のお薬に変えてみましょうと提案された。導眠剤にも売り出し中とかあるんだな。わたしも売り出し中とか言われたいな。まだ数日しか服用していないが、なかなかよい。でも日中の眠気は相変わらずだ。わたしはそれに毎日絶望しては、毎日こうしてトイレに駆け込み、なんとか自我を保つためだけにスマホの灯りを見つめている。
人と話す仕事がしたい。いまは本当に、それだけた。12月で辞める決心ができた。少し間が空いてもしょうがないから、とにかくもう契約を更新してはいけない。わたしには向いていない。人と関わる仕事でなくてはだめなのだ。
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