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変わり続けるために、「やってみる」を積み重ねる

大学の授業がオンラインに切り替わってからもうすぐ1年が経とうとしている。
コロナ渦をきっかけにして、リモートワークやオンラインツールの導入が加速し、大学生の学びの環境はこの1年で急激に変化した。ホームステイで自宅学習を強く求められていた春学期から、今は徐々に外へと出て活動することも可能になってきた。今回は「緊急事態」から「ニューノーマル」に応じた生活、特に学びのスタイルという観点からnoteを書いていこうと思う。

私のゼミでは秋学期から「Zoom Under The Sky」というプロジェクトが始まった。これは名前の通り外に出て空の下でZoomをしよう!ということ。外に出てリアル空間で、Zoomというサイバー空間のツールを使う「ハイブリッド型」での学びを実践してきた。

このプロジェクトを始める前は、「緊急事態」で自宅学習一択しか選択肢がなかった。コロナが猛威を振るう前も基本的には大学に行って授業を受けることが私たちの学習スタイルであった。そこに、私たちが主体的に学習スタイルを選択していく過程はなかった。しかし、このプロジェクトを通して、学習スタイルが自分の中でかなり増えた。地元の様々なカフェで授業を受けてみたり、公園でサブゼミしたり、電車の中でオンラインイベントに参加してみたり、とにかくあらゆる外の場でzoomを繋いでみた。しかし、最初はトラブルの連続であった。サブゼミを地元のカフェでやっていたとき、店のBGMや周りが騒がしく、私の声が聞き取りずらい上にWi-Fiも時間制限がり、途中で接続が切れてしまった。この出来事があったために次週のサブゼミはWi-Fiの時間制限のない、しかも人との距離があり雑音の少ないカフェを探して、そこで行うことで少しずつ学習環境に適した場所を見つけていった。このように「サブゼミは対話中心だから話しやすいようにカフェにしよう」「集中して受講したいから学校に行こう」「オンラインイベントだからWiFi接続の良い家にしよう」こういった具合に、自分がどういった学習をしたいかに合わせて場所を選択できるようになっていった。学習できる場がどんどん街の中に増えていくことは、それまで自宅しか居場所がなかった春に比べ、あらゆる所に自分の居場所ができたような気がして精神的き豊かに感じる時間が増えた。

「学習スタイルの多様化は、自ら学習の環境デザインをするきっかけをつくった」


自分の中で学習スタイルが増え、学習方法を「選択する」というステップができたことにより、主体的に学習環境を整えようとする機会が増えた。コロナ渦になる前は、学習する場は「大学」であり、緊急事態下では「自宅」といったように学びのスタイルは画一的であった。だからこそ、今日はどんな学習で、何に気をつければいいかということを立ち止まって考えることはしていなかった。しかし、自分の中で学習スタイルが多様化したことによって、「今日はなんとなくスイッチ入らないから外でzoomしよう」「授業で集中したいから図書館でやろう」と無意識のうちに自分の状況や学習の種類によって環境を整えるということをしていた。かえって以前よりも「主体的に学ぶ」ということを実践できているように感じた。

このプロジェクトをやりながら、働き方の多様性と関連付けて考えることが増えた。最近では、以前のような無機質なオフィス空間で仕事をする以外に、ワーク内容に従って作業空間が作られているオフィスがあったり、地方でのリモートワークが推奨されていたりと、仕事をする上での「場」の選択肢が増えてきている。
これは、生産性・創造性向上の面もあるかもしれないが、同時に私たちがより豊かに主体的に仕事をしていくきっかけにもなるのではないかと感じた。そして、私たちは受け身で誰かが変えてくれることを待つスタンスではなく、このコロナ渦で試行錯誤しながら学習スタイルを模索したように、自ら選択肢を増やしていくことが環境変化に応じる生活を送れることも忘れないようにしたい。

これから秋学期もおわり、長い春休みに突入していく。これからが「前進する人」と「元に戻る人」の二分化になりうる、肝心な時期である。リモート環境では、個人の裁量権が拡大するからこそ、心と体のセフルマネジメントをし、自ら環境をデザインしていくことがますます重要になってくる。立ち止まらず、今後もより良い学習スタイルを模索し続け、ハイブリッドな繋がりを長期休暇でも持ち続けていきたいと思う。

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