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今からデスピアで勝ちたい人に送る完全マニュアルー基礎から最新構築までー【遊戯王マスターデュエル】

はじめに

こんにちは。しらこです。
私は遊戯王マスターデュエルでデスピアが実装されてからの半年以上、デスピアを使い続けて多くの大会で結果を残してきました。
直近では3/19開催の毎日CSで【60デスピア】を使用し6-0優勝しています。
これまでデスピアは環境に長く居続けているデッキではありますが、圧倒的な環境トップとなることはありませんでした。
その理由として私は『プレイングの難しさ』があると考えており、やはり使いやすくパワーが高いデッキの方が多くのプレイヤーからの人気が集まり使用率が高まります。それでもデスピアで長く戦えたのは言わば『プレイングの難しさ』は『使いこなせれば心強い』ことの裏返しで、それだからこそ半年間という長期間私がデスピアで勝ち続けられた理由だと考えています。

デスピアでの大会記録

https://twitter.com/peroshirako/status/1637455937085784065?s=20

ここ最近のCS結果を見るとデスピアの活躍が目まぐるしく、ここまで大会入賞が続くことは未だかつてありませんでした。
これにより【デスピア】が『使いこなせれば強い』だけでなく『環境的に強いデッキ』であると多くのプレイヤーに認知されてきています。
そして今まさに注目を浴びている【60デスピア】ですが、長年デスピアを使い続けてきた身から言わせてもらえば『基礎無しでいきなり使いこなすのは難しい』デッキだと思います。
『最近デスピアが勝ってるらしいから真似して使ってみよう』と気軽に手を伸ばしても、そもそも基本的な動きができなければ制限時間内に最適なプレイをすることは難しいでしょう。60デスピアはパワーの高いデッキですから、良く分からないけど勝ってしまったという試合も発生します。しかし、真に勝敗を分けるのは芝刈りが通らなかった基本のデスピアの動きに依存しますから、この記事を読んで頂く皆さんにはデスピアの基本的な奥深いテクニックから伝えていきます。

本記事ではこれからデスピア、60デスピアを使いたいプレイヤーに向けて
『デスピアの基本テクニックと押さえるべきポイント』→『MD環境のデスピアの理論(パッチワーク型)』→『最新のイシズ60デスピア』を進化の変遷と共に徹底解説していきます。
何よりもデスピアに対する考え方を身に付けて貰うことで、構築に対する理解を深めて頂き勝率を高めて貰えたいです、
後半では各環境デッキとの戦い方や、最も重要なミラーの攻略法も書いていますので、是非ご覧ください。

40枚構築
60枚構築

1.デスピアの強みを知る

デュエリストカップの目前ということで、皆さんも時間が無いと思いますので、本記事では効率的に重点を抑えて説明します。

まずは、私なりの『デスピアの強み』を言語化していきます。

【デスピア】は一般的に『ミッドレンジ』に分類されますが、そのミッドレンジの中でもトップクラスに強いデッキです。
その理由は
①烙印融合1枚からアタッカー、制圧モンスター、後続すべてが揃う
②妨害の受けが良い
③選択肢が豊富、かつ強い

大きくこの3点にあります。

①烙印融合1枚からアタッカー、制圧モンスター、後続すべてが揃う

今更言うまでもありませんが、烙印融合1枚からミラジェイド(アタッカー、制圧、後続)が揃い、さらに墓地に落ちた悲劇のデスピアンによって追加の後続もあります。
これにより先攻1ターン目に動いた後、次の相手ターンを凌ぎさえすれば、後続2枚、すなわち烙印融合と赫の烙印の二つの攻め手からほぼ確実にゲームエンドまで持っていけるパワーがあります。
しかし、先攻で1ターン耐えたら次のターンに勝てるというデッキは山ほどありますよね。罠デッキでも良いですし、展開系デッキでも同じです。
ではミッドレンジ系でデスピアが何故強いかと言うと、罠デッキと違って後攻1ターン目の出力が高く、展開系デッキと違って環境や盤面の対応力が高いことにあります。マスターデュエルはシングル戦ですから、先攻の試合だけ勝っても意味がありませんよね。
後攻でどれだけ不利な試合を返せるかが全体勝率を上げる要素ということでデスピアは強いのです。

②妨害の受けが良い

デスピアが灰流うららに弱いことは有名ですよね。烙印融合に対してうららを撃たれたら完全に止まってしまいます。
だからデスピアは弱いよね、という評価を見ることも多々あります。
しかし、逆に言うとそれ以外の妨害に対して非常に強いのです。先ほど挙げた罠デッキのように後ろに対するメタカードである羽根箒にも拮抗勝負にも負けず、展開系に対するメタである手札誘発で止めるというアプローチにも強く立ち回れます。
何よりも増殖するGに対して強く、先攻では2ドローされても2妨害を構えることができます。この『Gを撃たれたから負け』という要因で先攻勝率を落とさないことが展開系ではなくデスピアを選択することの丸さというわけです。
そして、先攻でGに強く止まれるながらも後攻のGに対しては高出力が出せるので後攻ワンキルによるゲームエンドが狙えるのも他には真似しづらい要素です。
また、永続罠やモンスター除去に対しても詰みが発生しにくいです。主となる展開方法が魔法での特殊召喚ですから、一般的な展開デッキのモンスターを用いた展開に比べ防ぐ術が難しいです。結果『烙印融合が通りさえすれば何とでもなる』のです。

③選択肢が豊富、かつ強い

これらの強みに加え、デスピアは動きの柔軟性が高く相手のデッキに応じてゲームメイクすることが可能です。シングル戦は相手のデッキが分からない状態で先攻展開を行う必要があるためどうしても『裏目』が発生してしまいます。しかしデスピアは完全に制圧してしまうのではなく赫の烙印を用いて相手の行動に合わせて妨害を選択し、相手の手札等状況を見ながらゲームメイクしていきます。そして、仮に相手ターンに相手の動きを止めきれなかったとしても①で話したようにターンさえつなぐことが出来れば2枚の強力な後続で差を広げていけるため、ターン単位での勝敗ではなく長い目線でゲームメイクをしていくのがデスピアの戦い方です。

以上が私の考える【デスピア】の強みです。

2.デスピアの展開の選択肢と選ぶ基準

デスピアは烙印融合からルベリオンを経由してミラジェイドが立つよね。なんて情報は皆さんご存じだと思うので、ここでは烙印融合から出来る選択肢とどのような基準でそれらを選んでいるかを話します。

烙印融合初動の展開①ルベリオンルート

デスピアの基本展開に烙印融合が絡むのは常識ですが、烙印融合から入る場合とアルベルから烙印融合をサーチして発動する場合ではその後の動きや強さが全然変わってきます。まずはデスピアの超基本となるルベリオン展開をおさらいしましょう。

烙印融合+手札コスト1枚とします。烙印融合を発動。

アルバスと悲劇を落としてルベリオンを融合召喚。チェーン①ルベリオンの効果で手札を1枚切り、チェーン②で墓地の悲劇の効果を使います。チェーン順は任意ですが、基本的にこの順番でチェーンを組んでください。理由はこのシーンで通したいのはルベリオンであり、ガンマや朱光を受けるのであれば悲劇の方がマシなためです。また、チェーン②にルベリオンを持ってくるとわらしを受ける裏目もあります。
ちなみに、ルベリオンの表示形式は先攻なら守備表示、後攻なら攻撃表示にしましょう。ルベリオンに無効を受けたら攻撃ができるためです。

ミラジェイドを融合召喚、悲劇でアルベルをサーチします。

アルベルを召喚し赫の烙印をサーチします。これでミラジェイド+赫の烙印(ガーディアンキマイラ)という構えになります。もしアルベルに対して泡影などの無効系を受けた場合はチェーンでミラジェイドでアルベルを除外して赫の烙印+烙印カード(追放など)をサーチする選択があります。ルベリオンが先に無効を受けるのがほとんどですが、Gを受けている場合など、ルベリオンに受けずにアルベルにチェーンというケースも稀にあります。
ここで赫の烙印と追放の両方を構えても墓地に悲劇しかいないため、一方しか発動できませんが、墓穴に対してチェーンでもう一方を使い妨害と後続確保することに意味があります。

この展開ルートの場合、先ほど言ったように無効系はルベリオンに向かいます。そこでルベリオンが止まった場合は悲劇でアクセスしたアルベルで赫の烙印をサーチすれば、相手ターンにキマイラを出すか、アルバスを拾ってミラジェイドを立てるかの選択肢から選ぶことが可能です。これに関しては相手ターン中に選択し、こちらの後続の有無や、相手のデッキタイプ(展開系デッキならミラジェイドだけでは不十分なのでキマイラで破壊+ドローで誘発を引きに行く)などで決めます。

烙印融合初動の展開②アルビオンルート

次にアルビオンルートですが、まずこのルートを選ぶメリットとして『手札コストが必要ありません』
デメリットとしては盤面形成できるのがミラジェイドなこと、悲劇が墓地に落ちないのでアルベル→烙印にアクセスできない+悲劇が無い分後続が少ない点ですね。
基本的には、ルベリオンルートを選んだ方が利点が多いのでアルビオンルートを選択するのは以下のような条件になります。

・烙印開幕初動やキット初動で手札ロスして展開する場合
・手札に誘発が多く捨てたくない場合
・おろ埋→悲劇初動で動いて悲劇を落とす必要が無い場合
・悲劇を1枚しか採用していなくて素引きしてしまった場合

です。

アルビオンの素材は光+アルバスなので朱光、ロンギヌス、ヴェーラー、ニビル等が落とす候補となります。このルートを取るためにもデッキに1枚以上光属性を入れておきたいところです。

アルビオンルートではミラジェイド単騎だけですが、アルビオン落としによる後続が繋がるので残りの手札も含めて戦うようにしましょう。

アルベル初動の展開と展開の分岐

次にアルベル初動の展開を紹介しますが、アルベル初動は烙印融合初動よりも弱いスタートとなります。
その理由は、烙印融合初動であれば一度通るとミラジェイドへの動きとアルバスの動きの2つのルートに分岐するため、どちらか一方が妨害を受けたとしても強い動きを続行できます。しかしアルベル初動に関してはアルベルに対する無効を受けてしまうとそもそも烙印融合まで繋がりませんし、烙印融合が通ってもその後のルートが一本道であるため妨害にも脆くなってしまいます。

アルベルを召喚し烙印融合をサーチ。そのまま発動。

悲劇を落としてルベリオンを融合召喚。ここがポイントで、先ほどのルベリオンルートであればアルバスをサーチしていましたが、既にアルバスを使っているのでそれ以外の選択肢を検討しなければいけません。

よって凶劇をサーチすることになるのですがこのままではミラジェイドの1妨害のみとなり、盤面としては貧弱ですから手札誘発が大量にある場合以外は力不足でしょう。
ここでの分岐としては3択あります。
このまま①ミラジェイド単騎でエンドするか、②③妨害の手段を変えるか、です。

初心者がやってしまいがちな展開なのですが、手札に凶劇だけが残っても妨害に関与しないことからミラジェイドを自分ターン中に使い赫の烙印をセットして相手ターンキマイラを狙う動きがあります。

確かにこれが決まった場合キマイラの1妨害+ドロー+凶劇で帰還したミラジェイドで1妨害とリターンが大きいのでやりたい気持ちもわかりますが、デスピアを使う上で重要なのは『相手ターンにミラジェイド効果をアクティブな状態にしておく』『リスクとリターンの見合っていない妨害を構えない』ことだと考えています。このルートの場合、ミラジェイドは相手ターン中にバニラ同然ですし墓穴の指名者という本来有効に働かないハズのカードがこちらの盤面の回答となってしまいます。
そして墓穴を受けてしまった場合妨害が無くなるだけでなく悲劇のデスピアンが除外されたことにより後続も合わせて失ってしまいます。こうなってしまうと、本来のデスピアの強み『烙印融合1枚からミラジェイド(アタッカー、制圧、後続)』全て台無しですからリターンに対してリスクが大きすぎると言えます。
デスピアを使う上でこのルートは出来るだけ選択すべきでないでしょう。
しかしながら、ミラジェイド単騎では盤面も貧弱でそもそも回ったけど負けた、という状態に陥ってしまいます。
そのため、私はアルベル初動の場合はほとんどの場合以下の展開を行っています。

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