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【魚でもわかる!】オンラインポーカーを勝って一か月で五万円を獲得する方法(基礎編)


初めまして。

今日は八坂というハンドルネームでポーカーをしている私が、ポーカーの勉強を始めて10か月(2019三月~20201月)で月に5万円を稼げるようになった思考法をお話したいと思います。


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(2019年12月8日~2020年1月8日までの2万ハンドで1ドル108円換算で5万円ほどプラス)

まず初めにですが、この記事では私がポーカーのオンラインサイトのポーカースターズというサイトで勝つうえで前提知識となっている考え方に関して書こうと思っています。ですので具体的な方法に関しましては次の記事の(応用編)で公開したいと思います。

確率的な話や期待値的な話を含む記事です。

わかりやすく話すつもりですが多少難しい話もしますので、理解力が無い方や思考力が無い方が購入することはおすすめしません。

テキサスホールデムポーカーの基本的なルールやオッズやアウツの概念に関してもわかっていることを前提に話をするので、ルールがわかっていない人は調べてみてから購入を検討することをおすすめします。


・2NL~25NLで勝ちたい。

・そもそも2NL勝てない。

・ゲーム理論的な戦略を勉強してみたい。

という人にはおすすめですが、とにかくポーカーで遊びたい、というひとにはあまりおすすめできる内容ではないです。


追記)購入という書き方をしていますが、最初は後半を有料ノートにする予定だったのです。しかしあまりに出来がよい初心者向けの内容になったので、全部を無料で公開することにしました。なのでところどころがまるで有料ノートのような書き方になっているのですが、気にしないでください。



)追記:どのようなノートが好まれるかということをマーケティングした結果、ポーカーのノートを書く場合に、その人の実力を知りたい、といったニーズがあることが判明しましたので、僕の略歴を書いていきたいと思います。ノートの内容自体とは全く関係が無い内容なので飛ばしても大丈夫です。


僕がテキサスホールデムポーカーのルール自体を知ったのは4年前くらいで、ちょこちょこアミューズに行ったりはしていましたが、本気で勉強を始めたのは2019年の3月でした。

勉強を始めた当初はとりあえず『本物』を探して情報収集を行っていました。情報というものは玉石混合でかつ石の方が多いです。有名な書籍であるフィルゴードンのデジタルポーカーですら、今現在読み返すと正しいことは6割くらいで間違ったことが多く書かれています。例えばモノトーンボードの強いハンドはまくられたくないから高く打てなど。

情報収集を始めて二週間くらいでポーカー系のユーチューブをひたすらみていた時に、「なかのうえ」さんの動画に出会いました。そしてこいつはまともなことを言っていると直感しました。

今思うと僕のポーカーの勉強における最大の幸運がこのことだったと思います。

彼にコンタクトを取って、ポーカーを教えてくれと頼みましたが、最初は断られました。

しかし、突然彼は僕の申し出を了承し、そこから彼の僕に対するコーチングが始まりました。のちに聞いた話ですが、僕が昔TCGで日本トップレベルだったことが彼の耳に入ったらしく、TCGでトップのやつにポーカー教えたら面白いんじゃないかと思いコーチングをする気になったそうです。神のきまぐれってやつに救われました。

それが2019年の3月の25日くらいだった気がします。

その時点では僕は2NLは勝つレベルでしたが、5NLで400ドル負けていました。それから4月から6月くらいまでは一日中ポーカーの勉強をしていました。全財産6万円なのにピオソルバーも購入して勉強したり、ピオソルバーを回すためにローンを組んでマックブックプロを購入しました。おそらく4月から6月でピオソルバーを回さなかった日はなかったと思います。

2019年の7月から11月までは、車の免許を取るためにポーカーの勉強があまりできませんでした。実力も5NL負け組くらいだったと思います。

2019年の12月頃にようやく5NLが体感勝てるようになったので、16NLへ行くことにしました。

2019年の12月から2020年の一月まで16NLを一面で打った結果が冒頭の画像です。12BB出ていますが上振れで、体感は6.3BBほどです。

2020年2月現在は50NLを一面で打っていて、成績は7000ハンドで4バイイン負けです。体感はプラス1.5BBほどだと思います。頑張ります。

この一年間は中の上式GTOをもとに勉強してきたので、僕の負けは彼の顔に泥を塗ることになるので負けられません。僕の勝利は彼の理論の正しさを証明することになります。






目次

どうやって利益を出すか(オッズとアウツの話

バリューベット 

ブラフベット

バリューブラフ

GTOとは

フロップのコンティニュエーションベット

CB率



まずは基本的な考え方から話します。


そもそもポーカーにおいてどうやって利益を出していくのか。


これを明確にしないとどのようにプレイしていいのかがわからないと思います。例えば商売だったら100円で商品を買ってその価格よりも高い200円でその商品を売るから利益が出るわけです。200円で買った商品を100円で売っていては利益的ではありません。

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商売を例に出すと「そんなの当たり前じゃん」と思うと思いますが、ポーカーにおいては200円で商品を買って100円で売るということをしている人がたくさんいます。そういう人がいるから僕が勝てているわけなので、そういった方々がたくさんいることは喜ばしいことなのですが、この記事を購入してくださった人には損をしてほしくはありません。

そのためにもまずは「何が正しくて何が間違っているのか」を理解して頂きます。


極端な例を提示して説明をしようと思うのですが、簡単なポーカーの利益の出し方はフロップでロイヤルストレートフラッシュでオールインして相手からコールをもらうことです。

簡単ですね。しかし本質的です。


もちろんフロップでいきなりオールインをしてコールをもらえる訳がないので、これは本当に誰でもわかるけれど口に出さないような極端な例です。

ここで一つ考えてほしいことはなぜ僕がプリフロップでAAをオールインしてコールをもらうことを例示しなかったかということです。AAの方が強いっていうことはわかりやすいし、例にはもってこいではないでしょうか。少し横道に逸れますがあなたの実力を向上させる上で大切なことだと思うので考えてみてください。






答えは「相手にエクイティが残る」ということです。

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AAvsAKはAK側にエクイティが10%残ります。つまりポットに100点が入っていて相手がAAを見せながら10点のオールインをしてきた場合、どのようなハンドを持っていても即座にコールしなくてはいけません

それに対してフロップでロイヤルストレートフラッシュをオールインした場合、相手にエクイティは残りません。かならず100%でロイヤル側が勝利します。

ここで僕が言いたいことはポーカーというゲームはエクイティの奪い合いであるということです。

難しい言葉で言い直すとリバーにおけるポットシェアを最大化することがポーカーの目的です。

ロイヤルの話はもちろん極端な例ですが、ポーカーを数字でとらえるということはこういうことを何倍も複雑化したことです。復唱しましょう。リバーにおけるポットシェアを最大化することがポーカーの目的です。

逆に言えば、ポーカーの本質なんていうものはこの程度のものでしかないのです。しかしこの程度のものに僕を含めみんな四苦八苦しているのです。


AAとAKの例だとさすがに簡単すぎてぴんと来ない人も多いと思うので多少例を複雑にしましょう。


フロップがK65でUTGがポットサイズのコンティニュエーションベットを打ってきました。あなたのハンドは45です。さてどうしますか?

(UTGBB3BBスノーウィーレンジオープンの2ベットポットのベットサイズは3ストリートポットサイズ固定でエフェクティブスタック100BB)




2NLでは降りるという人が大半だと思います。もしかしたら16NLでも50NLでもおりるという人がいるかもしれません。僕も昔は降りていました。


しかし、もし降りているならばおそらくあなたは0.5BBほど損をしています。

初めのAAとAKの例だと即答できる人も多いかもしれませんが、ちょっと複雑にしただけで即答できる人はだいぶ減ると思います。

はじめに200円で買ったのものを100円で売る人なんているわけないじゃんと思った人もたくさんいると思います。僕でも最初にこの記事を読んだらそう思うかもしれません。

しかし今ではその例えを馬鹿にできないと思います。6.5BBで7BBを買える機会があったのに、あなたは買わなかったのですから。

一番最初に200円で買ったものを100円で売ってくれる人がいるからポーカーは儲かると話をしましたが、まずは自分が200円で買ったものはきちんと200円で売れるようになりましょう。

そのための道案内を僕がします。一緒に頑張りましょう。



では最初のロイヤルストレートフラッシュの例に戻ります。

もちろんロイヤルストレートフラッシュが完成したときにだけオールインしていたらそのポットだけは獲得できますが、それ以外のポットを獲得することができませんし、何より確率が低すぎることはみなさんさすがに感覚でわかると思います。

しかし、AAvsAKの例で示した通り、リバー以外のストリートにおける大抵の場合、それぞれのハンドにはエクイティ(=ハンドの勝率)が残っています。100:0になることはそうそうありません。

では今まで僕が話した内容を思い出してください。

根本的には200円で買ったものを201円で売れば儲かります。

ポーカーも同じです。


トーナメントのプリフロップでポットにSB3000BB5000のアンティ5000の状態でUTGから10万点のオールインが来ました。

自分は13000点を持っていてA8oかつBBです。コールしますか?しませんか?

これは200円で買ったものを201円で売るということと本質的には全く同じことです。

A8oは相手の10%レンジに対してだいたい35%の勝率があります。

39000点の35%は13650点ですが、その点数を得るのに必要なコールの額は13000点です。

つまり13000点で13650点を買っていることになります。

お得ですね。何回も言いますが、

勝ち組のポーカープレイヤーがしている事の本質はこれです。


GTO(ゲーム理論的に最適な戦略)などと難しい言葉が流行っていますが、ポーカーというものは究極的には相手のレンジに対して自分のハンドが何%のエクイティ(=勝率)があるのかを考えるだけのゲームなのです。(もちろんこれはGTOを否定しているのではないです。僕もGTOは大好きですが、もっと程度の低い積み木を積み重ねた頂点にGTOというものはあるんだよっていうことを言いたいのです。木原先生辺りはそのことをすごく理解していると思います。


はい。それでは第一ステップであるポーカーの利益の出し方はわかりました。相手のハンドレンジに対して、自分のハンドの勝率がいくらあるか見積もること。その見積もりが正しければ正しいほど利益的であり、その見積もりが間違っていれば間違っているほど、不利益です。


これを難しい言葉で書くと結局はGTOということになります。ピオソルバーにおいても入力するハンドレンジの設定が現実の相手のレンジと大きく間違っていれば、そこから表示される答えは間違ったものになります。

これは僕がよくしていた間違えの一つなのですが、自分のハンドを検証する際に、毎回スノーウィーのプリフロップチャートをピオソルバーに入力して「よし俺のアクションは合っていた!」とやっていました。みなさんも経験がないでしょうか。

現実の相手がスノーウィーのハンドレンジを使っているとは限らないのです。そのことを僕は失念してピオソルバーを回していました。

さきほど僕はポーカーとは相手のレンジに対して自分のハンドのエクイティが何%あるかを考えるゲームだといいましたが、そもそもの前提となる、相手のハンドレンジの推定自体を間違えていたのです。 




さて、それではあなた方は対戦相手がプリフロップで100のポットに10のオールインをしてきた際にBBで100%の頻度でコールができるようになりました。これでコールする際のストラテジーを一つ覚えたことになります。基本的にポーカーのコールは例外無くこれの繰り返しです。

相手のハンドレンジを見積もり、自分のハンドと比較して期待値が+ならばコール、-ならばフォールド。これだけです。具体的な期待値の算出方法は後述します。

では逆にベットする際にはどうしたらいいのでしょうか。


バリューベットの定義について


バリューベットという言葉はみなさん聞いたことがあると思いますが、きちんと理解している人は少ないのではないかと思いました。少なくとも勉強を始めたての僕は理解をしていませんでした。

ちなみにざっくりとですが先に答えを言ってしまいますと、バリューベットというベットは相手に自分より弱いハンドでコールをしてほしいベットだと理解しておいてください。

あと同時にブラフベットという単語も覚えてほしいです。またこれも後述しますが、ブラフベットというものはバリューベットとセットで使うものなので、バリューベットを理解するということはブラフベットを理解するということでもあるのです。便宜的に別のカテゴリーとして説明します。まずはバリューベットから。


少なくとも僕はバリューベットにしてもすごく勘違いをしながらプレイをしていました。みなさんには同じ間違いや勘違いをしてほしくないので、これに関して書いていこうと思います。

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(汚くて申し訳ないんですけれど無料なんで許してね


簡単にハンドの強さを図にしました。

フロップ関係抜きに左にあるハンドが弱くて、右にあるハンドが強いとします。


自分のハンドレンジが赤の領域で相手のハンドレンジが青の領域です。右の赤の領域のハンドは100%相手のハンドに対して勝ちます。ただし左の赤の領域のハンドは100青の領域のハンドに負けます。

このような状態をポラライズされていると呼びます。

英語でポラーが極端な、みたいな意味で、それの和製英語だとおもってください。このポラライズという単語はポーカーをする上で非常に大事な概念なので、覚えておいてください。ちなみに北極のことをポラー、北極熊のことをポーラーベアーといいますが、そのポラーです。地球上の極端に北にあるから北極なのです。



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熊はかわいいですが、ポーカーの話に戻ります。

バリューベットとはAの部分にあるハンドレンジでBのハンドレンジからコールをもらうことです。

Bの部分がベットをすることをバリューベットとは言いません。自分よりも弱いハンドにコールをしてもらいたいからこそポットを大きくしたいのです。


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つまり互いのハンドレンジの強さがCとDの状態だった場合、バリューベットは成立しません。こういうお互いのハンドの強さが中程度だった場合はチェックやチェックコールをしてショウダウンを目指す形になります。勝っているときにだけポットを大きくしたいので、勝っているか負けているかわからないポットではあまりポットを大きくしたくないのです。



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上の表では自分のレンジAと相手のレンジBの強さがほとんど変わらない状態ですが、こういう状態はポラライズされているとは言いません。わずかに緑色の部分が紫よりも強いですが、ほとんどかぶっている状態です。現実的なポーカーでは一番最初の表のようにはっきりと勝ち負けが決まっているわけではなく、上の表のように薄らぼんやりとレンジ同士が被っている状態の方が多いと思います。

こういう状態でCの部分ではバリューベットを打ってはいけません。

十分にハンドに勝率があるので素直にチェックしましょう。

具体例をあげると6499JというボードのTJなどはCの領域のハンドです。セカンドペアという弱くはないハンドですが9のスリーカードに負けているため、ベットがバリューだとは言いづらいです。

それを6のワンぺアからコールしてもらえたらお得じゃんとベットしてしまうと、6のワンペアからは降りられてしまい、9のスリーカードからはレイズされてしまいます。

再度繰り返しますが、バリューベットは自分よりも弱いハンドにコールしてもらうためのベットです。

勝っているかわからないけれど、弱くもないようなハンドは素直にチェックしてショウダウンを目指しましょう。

チェックした場合、もしかしたら相手のカードが97sなどで負けているかもしれませんがそれはしょうがないです。オールインしてたら97sを下ろせていた、そうしたらポットを取れていたのに。という考え方もあるかもしれません。

もちろんその主張は正しいのですが、このノートではゲーム理論的な話をしています。ハンドは平等に配られるという考え方をしている以上、マージナルな(凡庸な、中庸な)強さのハンドはチェックしてエクイティ(=勝率)を実現することを目指すべきです。

運は平等なので、次はあなたに97sが配られるはずです。その時にはきちんとバリューベットを打って相手からチップを奪いましょう。そうすればあなたも勝ち組プレイヤーの仲間入りができるはずです。






ではここでクイズです。

フロップでAK2と落ちてAKoでポットの33%サイズのベットをすることはバリューベットでしょうか。

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ここでバリューベットではないと答える人はいないと思います。



ではもう一問クイズです。

フロップでAhKh2dと落ちてAc6cでポットの33%のベットすることはバリューベットでしょうか。


これは即答できる人は少ないのではないかと思います。

なぜなら答えは僕もわからないからです。

正確に言うと相手のコールするレンジによってこのハンドがバリューベットかどうかは変わるからです。A7+でのみコールする相手なのであればA6sのベットはバリューベットにはなりません。

そんな人いないよ!というかもしれませんが、います。

少なくとも僕はすごく勘違いをしていて、自分が絶対にしないアクションは相手もしない、と決めつけていました。

これがポーカーの難しいところなのですが、世界にはいろいろな人がいるのです。つい昨日も50NLzでプリフロップでKKでオールインをしてT7oにコールされました。一番最初に言った通りにポーカーは極論レンジ推定力勝負です。しかし自分が絶対にしないアクションをしてくる相手のレンジを推定するのは難しいのです。なぜなら相手の気持ちがわからないからです

GTO的な話をしているのに、結局相手のハンドはわからないってそんな当たり前のことを言われても困ると思うかもしれませんが、ゲーム理論を勉強するうえで一番の弊害は自分の視点でしか相手をみることができなくなることだとおもっているので書いておきました。



ちなみにGTO的にはこのシチュエーションはベットをする頻度が高いです。33%サイズのCBであればCB率は95%頻度だと思います。

しかしそのベットする理由はA6sがバリューハンドだからという理由ではないので今回の例には不適切だと判断しています。

このNOTEでは「読者のポーカーに対する理解度を上げるために一緒にハンドやシチュエーションを考えていく」ということが趣旨なので、「GTOではベットします」という一言で片づけないようにしています。それを言ってしまうとピオソルバーを暗記したらポーカー上手くなるよ!で話が終わってしまうからです。



とにかく、ここで言いたいことは相手によってバリューベットかどうかは変わる、ということです。

一番最初にAKはバリューベットということを例に出しましたが、セットでしかコールしない相手にはバリューベットになりません。つまり本当に相手によってアクションを変えることは大事なのです。

絶対的なルールとして、相手に自分よりも弱いハンドにコールしてもらいたいベットというルールがバリューベットにはありますが、それを強く意識しすぎてポーカーの基本的な原則である相手によってアクションを変えるということを忘れないように気をつけましょう。

バリューベットのまとめとしては

バリューベットは相手に自分よりも弱いハンドでコールしてもらいたいベット。

またそのベットがバリューベットかどうかは相手のコールレンジによって変わる。

です。


補足(GTO的にはベットするサイズによってバリューベットの範囲と組み合わせることができるブラフのコンボの数が変わるのですが、まずは簡単にバリューベットというものだけを覚えていきましょう。すべてを一度に理解するのはとても大変です。一歩一歩進んでいきましょう。)



ブラフベットの定義について


ブラフベットは自分よりも強いハンドに降りてもらうベットのことを指します。

自分のレンジが赤い部分でポラライズしている状態で、相手のハンドレンジが青線の部分で中程度の強さを持っているとします。

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つまりブラフベットとは相手に負けているハンドレンジ(赤い太線のAの部分)でベットをして、青の相手が勝っているハンドレンジに降りてもらうことを指します。

このBのレンジをAのベットで下ろすのがブラフベットなのです。


バリューベットの項で説明をしましたが、

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このCとDのようなお互いの強さが同じレンジでもブラフベットはしずらくなります。この表をみて明確にどこを下ろしたくてベットするかいうのは難しいでしょう。

例えばですが、AK279などのボードにおける34sなどはブラフハンドです。4ハイはショウダウンをしても完全に負けているハンドです。強さで言えば限りなく0に近いところだからブラフをしてもショウダウンバリューが無いためにもったいなくないハンドだからです。(注1)

逆にこのボードでリバーでQQをブラフにするのは最悪です。2のワンぺア、7のワンぺア9のワンペアに勝っている可能性があります。十分に学習をしていないプレイヤーは相手が一回でもコールをしたらこのボードだとAかKはあるだろうとQQでもブラフをする人がいますが、おおよそすべてのシチュエーションで明確に間違いです。素直にチェックをしましょう。

QQだと強すぎて「そんなことないよ~」というかもしれませんが、J6348のボードでTTをブラフに変えたりはした経験は無いでしょうか。本質的には一緒なので、少しでもショウダウンバリューが残っていたらリバーは素直にチェックをしましょう。

GTOだとKハイでもリバーはショウダウンバリューがあると判断してチェックをします。現実的には低いステークスでここまで弱いハンドがリバーでショウダウンバリューが十分にあることは少ないのでリバーでKハイをバリューがあると判断するのはお勧めしませんが、Aハイ程度ならばバリューがあることが多いので焦らずにチェックをすることをおすすめします。5回に一回程度はポットが取れることが多いです。

つまり難しい言葉を使うと、リバーにおいてAハイは20%程度のエクイティがあるということです。ブラフは7ハイや9ハイで打ちましょう(注3)

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(BBBU2ベットポットのQハイボードのリバーのAKのエクイティをピオソルバーで見てみるとこうなります。単位はパーセント

(注3 『ショウダウンバリューが無いハンドをブラフに変える』、だから7ハイや9ハイをブラフにする、という考え方自体は正しいのですが、現在のテキサスホールデムの上位層では『ショウダウンバリューがなく、かつブラフに適しているハンドをブラフにする』、ということになっています。なので7ハイ9ハイがショウダウンバリューがないからブラフ!といった簡単な言葉で説明するのは少し正確ではないです。しかしブラフハンドの選定をしなくてはいけないレベルのポーカーをするにはそれこそ100NLz、200NLzにいかなくてはいけないので、今このノートでターゲットにしている25NLzまでの人には早く成長してもらう上で必要のない知識だと思ったので注という形でまとめました。



ブラフベットとバリューベットについて


ここまで読んだ人の中には気が付いてしまった人がいるかもしれません。

別にバリューベットだけ打ったらいいんじゃね?ということに。

ブラフベットなんてコールされたら負けてしまうのに、負けてるポットを大きくする必要なんてないのではないかと思いませんか?


正解です。

バリューベットだけを打ちましょう。ブラフベットなんて必要ありません。

常に強いハンドだけでベットをして、中間の強さのハンドと弱い強さのハンドはチェックフォールドしましょう。レイズされたらストレート以下の役は降りましょう。

おそらくこれだけで海外のカジノでは月に10万円程度なら稼ぐことができます。


しかし、おそらくオンラインの最低レートである2NLZでは勝つことはできません。

10年前のポーカーならばそういった戦略でも勝つことができたでしょうが、最近のオンラインはあまりに強くなりすぎていて、バリューベットだけを打つという単純な戦略では勝つことができなくなっているのです。

しかし、僕は現実に2NLzで勝つことができていますし、それ以上のレートでも勝つことができています。ではその方法とはどのようなものなのでしょうか。

それはバリューベットとブラフベットを打つということです。

なにを言ってるんだ、そんなこと当たり前じゃないか、と皆さんは思うかもしれません。しかし断言しますが、皆さんはバリューベットとブラフベットを本当の意味で打ててはいません。先述した通り、バリューベット単体だけでも海外のカジノで月に10万円程度であれば稼げます。しかしバリューベットとブラフベットを組み合わせて打つとその効果は何倍にもなるのです。それが本当の意味のバリューベットとブラフベットなのです。


数式でも説明できるのですが、めんどうだと思うので、簡単に結論だけを言ってしまうと、

リバーの時点で1のポットに対して1のオールインをバリューとブラフが2:1の割合で打つ

これをするとお金が増えます。

数式に関しては下記のgrassさんのブログがいいので気になる方は読んでください。

http://mathpoker.blog.fc2.com/blog-entry-19.html


ちなみにバリューブラフという概念をもっと雑な言葉で説明すると、バリューベットだけを打っているとさすがに相手が「相手がベットしてくるときは強い手札でベットしてる」ということに気が付いてくるのでコールがもらえなくなります。なので一定頻度で相手がコールをしたくなるようにブラフを混ぜなくてはいけないのです。

なので逆を言うと相手がリバーにおいてもこちらのバリューベットを無条件でコールしてくるのであればブラフを全くしなくても勝てます。

ちなみにほとんどの海外のカジノにおいてバリューベットだけを打つというこの戦略は相手が自分にアジャストしてこないために有効なので、本当にバリューベットを打ってるだけで海外のカジノの低レートは勝てます。(ただし相手のレイズには必ず降りましょう)

ただオンラインのポーカーはバリューだけだと勝てないので、今回のようなバリューとブラフを正しい比率で打ちましょう、という話になってくるわけです。


GTOについて


はい。みなさんお待ちかねのGTOについてです。

正式名称は Game Theory Optimal です。

名前は聞いたことがあってもなんかきちんとした意味はよくわかんない、みたいな人は多いのではないでしょうか。

一番わかりやすくかつ一言で終わる説明は、

じゃんけんにおけるGTO(ゲーム理論的最適戦略)は1/3でグーとチョキとパーを出すことです。


GTOを習得するメリットは相手が間違えている場所が明確になる点です。

たとえばじゃんけんの例ですが、じゃんけんのGTOはすべてのハンドを1/3で出すことです。

しかし対戦相手がグーを50%、パーとチョキを25%で出してくるとします。こちらがGTO戦略を使って1/3の割合ですべてのハンドを出せば相手の勝利期待度は1/3ですが、せっかくなのでこちらはGTO戦略と対の概念であるエクスプロイト戦略を使って対抗したとしましょう。


エクスプロイト(exploit)戦略に関して


えくすぷろいとえくすぷろいと、と単語はなんか聞いたことがあるけれど、正確な単語の意味はよくわからない、みたいな人が多いと思います。

そもそもエクスプロイトとは英語のexploitという単語が元なのですが、このexploitという英単語の意味は『搾取』です。コーヒー農園で黒人奴隷を搾取する、とかのあんまり日常的に使わない単語なので僕的にはポーカー以外の場面で出てくるとそんなにいい印象がなかった単語なのですが、ポーカーを始めてからは慣れました。

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僕的な感覚ではGTO戦略の逆がエクスプロイト戦略で、それらは天秤の両端のイメージです。

さて、上のGTOの項でグー50%パーとチョキ25%に対するGTO戦略は1/3でグーチョキパーを出すことだと勉強をしました。

では同じ例でのエクスプロイト戦略とはどのようなものになるのでしょうか。

答えは、パーを100%の頻度で出すことです。

上の例でGTO戦略を使った場合に必ずこちら側には33%の勝率が保証されます。しかしパーを100%で出すというエクスプロイト戦略を使った場合、こちらの勝率は50%にまで跳ね上がります。

GTO戦略が勝利期待度33%なのに対してエクスプロイト戦略を使った場合の勝利期待度はGTO戦略を上回る50%です。つまり正確なGTO戦略と正確なエクスプロイト戦略を比べた場合、正確なエクスプロイト戦略の方が勝利期待度が高くなります。

より高い勝利期待度を望める。これがエクスプロイト戦略の強みです。


ではエクスプロイト戦略の弱みとはなんでしょうか。

同じくじゃんけんで例えたいと思います。

同じようにグーが50%、チョキとパーを25%ずつ出してくる相手がいるとします。エクスプロイト戦略ではパーを100%出すとします。

しかし対戦相手には自分の出す手を変える自由があります。

何回も連続でこちらがパーを出しているうちに対戦相手もその戦略に対してのエクスプロイトをしてくるようになったとします。

そうした場合、対戦相手は100%チョキを出してくるようになるのですが、こちらのエクスプロイト戦略は100%パーを出すものなので、勝利期待度は0%になってしまします。

それに対してGTO戦略の場合、対戦相手が100%チョキを出すという戦略を使ってきた場合でもこちらの勝利期待度は33%になり、当初の期待度と全く変わりません。

つまりエクスプロイト戦略の弱みとは、(GTO戦略と比べて)より低い勝利期待度になってしまう可能性がある、というものになります。


まとめ

このノートではポーカーの勝ち方、バリューベット、ブラフベット、バリューブラフ、GTOについて説明をしてきました。

これらの情報は基本的なもので、具体的なポーカーの勝ち方というものよりは心構えとか、数学の公式に近いものです。

次回の記事ではより具体的なシチュエーションでどのようにポーカーを勝つか、について書きたいと思います。

はっきりと書くと、プリフロップとコンティニュエーションベットについて書きます。お楽しみに。








謝辞

上で書いたことのほぼすべては中の上さんが教えてくれたことであり、またいちろーさんやあっきーが教えてくれたことでもあります。もちろんまだまだ僕はつよくなりますが、今の僕があるのは最初期にポーカーを教えてくれたこの三人のおかげです。ありがとうございます。

















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