LCK観戦メモ Match9 HLE vs LSB | 2023 LCK Spring Split

まあまあ真面目に観ているものの、労働のせいでとてもじゃないが全試合は追えないので、特に気になる部分や印象深かった点をピックアップする形でやってみようかと思う。新Rosterで頑張っているチームも多いし、各選手ないしチームの特徴を掴むためにも。
あとから自分で読み返して何か得るものがあるように。

自分は主にafreecaTVのLCK_JP公式で観戦している。
これは昨年のSummerシーズンから行われている公式の日本語実況配信で、2023年からはLCKの開催曜日増加にあわせて、実況四人・解説四人のハチャメチャなメンバー構成が組まれている。
学生大会出身の実況者が居たりしてなかなかにしんどい部分もあるけれど、なんとかほぐれていってほしい。推しコンテンツです。これを応援する向きも少しある。

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Match9 HLE vs LSB Game1

ドラフトフェイズの流れ

各レーン熱いマッチアップ。
トップはJaxが少しずつ有利になり、K‘Santeではいずれスプリットプッシュを止められなくなる。
ミッドも同様に、Azirが序盤のハラスと終盤のスケーリングでAkaliに優る。
ジャングルはよくわかんないけどClid(Sejuani)の方が動きやすいんじゃないんですか?
焦点はなんといってもボットだが、先に両チームの狙いをまとめておく。

HLE→序盤はミッドのレーン主導権を軸に動かし、中盤のパワースパイクは譲るものの、各レーンで約束された終盤のアウトスケールを迎えるまで試合を延ばす。

LSB→序盤勝てる見込みのあるレーンがボットだけなので、最低でもイーブン以上で中盤のパワースパイクまで持っていきたい。ドレイクは欲しいがミッドのプッシュが間に合うか。

Ezrealという選択

ADCに4BANが割かれ、HLEがZeriを確保。放っておくとこれにはLuluがくっついてきて、ゲーム終盤にはZeriが落ちなくなってしまう。
LSBのピックにはレーン主導権を握るため(Luluのシールドを上回る)ハラスとプッシュの強力なJhin/Karmaなどが予想されたが、実戦はEzreal/Karmaを同時ロック。
それに対抗する形でHLEはHeimerを選択。ダメージトレードでついていこうとするものだが、半ば強制されたピックともなった。
今季LCKでは初登場となるEzrealであるが、やや消極的に見えるこのピックが後になってみればかなり機能していた。

EzrealをJhinと比較したとき、とりわけHeimerサポートを相手にした場合、タレットの処理の難易に差が生まれる。もちろんEzrealの方が遠い距離から短CD高回転のQで処理できるため優位である。
これはレーンフェイズに限った話ではなく、中盤以降のオブジェクトファイトにおいても顕著となる。

Heimerサポートの役割

Heimerサポートを持つ側としては、オブジェクトファイトの前にあらかじめポジションを取り、タレットを配置しておくことが重要となる。
互いの構成を考えた際、中盤のLSBはパワースパイクを迎えているとはいえ、ブッシュチェック能力の面ではHLEに劣る。先にレーンプッシュをしてオブジェクトに寄れるのも、Azirを持っている分だけHLEとなる。
つまりLSBの最も避けなければならないシナリオは「せっかくダメージ出る時間帯なのにHeimerのせいでポジション取れずにジワジワと負けちゃう」ことである。

ingameでのEzreal

試合を通してみると、Ezrealはその対策として非常によく機能した。
Jhinには不可能な立ち位置と速度でタレットを処理し、味方がポジションを奪い返すのを後押しする。(KarmaのEも添えてバランスがよい)
はっきりとした有利を作れないままもつれ込んだ終盤においても、Ezrealは常に高いポジションをキープしつつ、ウェーブクリアとタレット処理を遂行していた。(KarmaのEも添えてバランスがよい)
ポジション先行できていないHeimerサポートは、明確にその価値を落とす。Ezrealというピックはそのタレット処理能力によって、搦め手で以てHeimerのポジション有利を奪い、相手の中盤以降のパワーを大きく削いだ。
そしてついには試合を勝利まで導いた。

Heimerを使うLifeもそれを読んで、通常ではクリスタルセプターにラッシュするところを曲げ、1stコアをプロトベルトに取る。
これはタレットとWでスロウをばら撒いてゾーニングする、Heimerサポートの一般的な役割を果たせそうにないので、Eのスタンによるキャッチの確度を上げようと試みたものだが、結果としては苦肉の策に終わる。
(Game3におけるプロトベルト選択は、同じような意味合いもあるが、どちらかというとVarusのRなどによるキャッチから逃れる目的が強い)

Ezrealを使うLSB Envyyの働き

EzrealがSejuaniのRに狙われるシーンが幾度かあったが、それをスペル温存でいなすのは単純にEnvyyが上手かった。けれどJhinのようなベタ足ではそうもいかない。
試合の決め手になった最後の集団戦でもEnvyy(Ezreal)は常にEと長レンジのQで、ポジションを調整しつつダメージを出し続けた。

終盤もある程度火力が出せる、つぶしが効くピックと言えば聞こえは悪いが、それだけに留まらないパフォーマンスをEzrealで魅せたEnvyy。
Game1のレーニングフェイズでは一度Viperにoutplayされてしまったものの、Game2ではマッチアップの有利をきちんと活かして戦えていたし、Game3では常軌を逸したサイドステップでSejuaniのRを避けまくる(Varusのようなベタ足ではそうも……あれ?)など、かなりのポテンシャルがある。

他チームメイト四人が2003年度生(いや若…)という中で、唯一2000年生の彼(いや…若……)が今後チームの支柱となれるか。期待して観ていきたい。

名将候補

シーズン始まってから知ったんですけどLSBのヘッドコーチ、“あの”Ryuくんなんですよね。

“あの”Ryuくん

KRからEU、NAと渡り歩き2020年で選手を引退した彼が、昨年の夏からLSBユースのコーチを経て、今LCKでヘッドコーチとして采配を振るっていると思うと胸が熱くなりますね。
今回取り上げたシリーズでも、サイド選択を常にレッドサイドに取る、ドラフトではHeimerとEzrealの取り扱いでコントロールするなど、既にその手腕に光るものがありました。
Ryuくんが若さ溢れるLSBというチームをどのように導いていくのかにも注目したいです。

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