冷凍パイシート使ってみた

画面の大きな文字が怖いことがある
仕事中、メールの画面の文字が少し大きいような気がして、それがとてもとても許せなくなって席を外しました。メールは、私宛にはほとんど来ません。CCとか全社向けとかで、まだ若いし、大きな責任のある仕事内容でないからそれは当たり前なんだけど、読むものがないと暇で嫌です。私の仕事があるのも、まったくないのも許せないからずっとだらだら居るだけでお金がもらえるのが良いです。さらに、夜に寝ても昼間に必ず気絶するように居眠りをしてしまうので、それでも許されたいです。いまは誰にも注意されていないけど、注意されたら許せなくなってしまいそうです。許せなくなると、胸がドキドキするのとは少し違う感じで、首の後ろの方から何かが盛り上がってきます。そしてドキドキとは違う感じでドキドキして、体が、眠い時とは違う感じでカーッと暑くなって耐えられなくなって、じっとりと汗がたくさん出てきます。そうなるのは嫌なので誰にも怒られたく無いです。誰にも否定されたく無いです。少し仕事が間違っていたり、遅かったりしても、ほらほら!みたいなことは言われたくありません。でも、彼氏には言ってしまいます。彼氏に汚い言葉をぶつけているときは目の前がチカチカして、色鮮やかに見えるのと灰色に見えるのを繰り返しています。自分は向こうからは何もされないという安心感があり、踏みしめている床が熱く、柔らかく感じます。相手は何も言い返してこないでじっと黙っています。冷静な今はそれが彼の強さとわかりますが、その瞬間の私は、反論の言葉を求めて更に彼を傷つける言葉をどんどん溢れさせて、彼は出てゆきます。私は邪魔だからせいせいしたと思い、冷凍パイシートを解凍して調理し始めます。私は彼のカバンをゴミ箱に入れて満足しました。彼は思っていたよりはやく帰ってきました。彼は少し落ち着いた顔をしていました。私も落ち着いた顔をしていたと思います。おかえりと言うとただいまと帰ってきますが、それ以上言葉を投げることはありませんでした。私はこれ以上今は無理なんだと言う事をその時理解しました。

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