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まとめ8【GSを支えた人々】

ジュリーこと沢田研二さんの経歴やあれやこれやを徒然なるままにつらつらと綴って参ります。細々とやっていきます。

Xで連載(?)しているネタのまとめです。
よろしくどうぞ。

#沢田研二  #まだまだ沢田研二

【GSを支えた人々】

GSの名曲はそのほとんどが職業作詞家、職業作曲家によって書かれました。各バンドのメンバーはビートルズやストーンズの様に自分達で曲を作る事を熱望し、一部でそれを実現したバンドもいたのですが……。

「与えられた曲を演じるバンド」というGSにつきまとうイメージが「所詮アイドル」「プロダクション主導の操り人形」「商業主義」といった批判を招く事にもなり、特にロックファンからGSの音楽的評価は貶められてきました。

しかしプロが作ったからこそ、各バンドのイメージに合致した色褪せぬ名曲が生まれたとも言えます。ザ・タイガースの貴公子然としたイメージとすぎやまこういちのクラシカルな旋律はその象徴です。

もちろん「商業主義」という葛藤は各バンド内にも根差していましたが……。

【GSを支えた作詞家】

橋本淳

(HASHIMOTO Jun)

本名:与田準介。父は児童文学者の与田準一。すぎやまこういちに見出され作詞家に。以降、名コンビとしてGSの名曲を多く手掛ける。
また青山学院高校・大学の後輩である筒美京平とも数多の名曲を残した。

GS的世界を生み出した 橋本淳

主なGS作品
ザ・タイガース 僕のマリー/君だけに愛を
ジャッキー吉川とブルー・コメッツ 青い瞳/ブルー・シャトウ/白鳥の歌ザ・ジャガーズ マドモアゼル・ブルース
ザ・ゴールデン・カップス 長い髪の少女
オックス ガール・フレンド/ダンシング・セブンティーン/スワンの涙
ヴィレッジ・シンガーズ バラ色の雲/亜麻色の髪の乙女
ザ・ダイナマイツ トンネル天国/真夏の夜の動物園

主なGS以外の作品
いしだあゆみ 太陽は泣いている/ブルー・ライト・ヨコハマ
浅野ゆう子 セクシー・バス・ストップ
欧陽菲菲 雨のエアポート
小泉今日子 半分少女
郷ひろみ 誘われてフラメンコ/20才の微熱
ささきいさお 銀河鉄道999
野口五郎 青いリンゴ
平尾昌晃・畑中葉子 カナダからの手紙

【GS世界の立役者・橋本淳】
先にグループ・サウンズの始まりはザ・スパイダース『フリフリ』(1965/5/10)とお伝えしましたが。
「グループ・サウンズ的楽曲」の始まりはどこにあるでしょう。

「グループ・サウンズ的楽曲」とは、

・マイナー調の歌謡曲
・ヨーロッパを想起させるロマンティックな情景
・王子様が歌う切ない恋の歌

これらの特徴を有した楽曲です。『フリフリ』は上記いずれの要素も込められてはいません。とすると、楽曲としてのGSの始まりは……

ジャッキー吉川とブルー・コメッツ『青い瞳』(1966/3/10)

更に、記録的な大ヒットとなり「グループ・サウンズ」を決定づけたのが

ジャッキー吉川とブルー・コメッツ『ブルー・シャトウ』(1967/3/15)

となります。
この2曲は共に作曲がメンバーの井上忠夫、そして作詞が橋本淳です(編曲は『青い瞳』が井上、『ブルー・シャトウ』は森岡賢一郎)。

「シャトウ(仏:château)」は「城・宮殿」の意味。よく考えると「ブルー・シャトウ」は英仏混合※の妙なタイトルです。
※フランス語にも「青い」を意味する「bleu」という単語はありますが、フランス語の語順だと「Château Bleu」になるハズなんですね(笑)

元祖GS楽曲 『ブルー・シャトウ』

とにかくヨーロッパのどこかであろう森の奥、湖の傍に人知れず聳えるシャトウ。そこでは美しいお姫様が眠っています。何故そんな場所にお姫様が、涙を流して暮らしているのかは分かりません(笑)バラの香りが苦しい理由もよく分かりません(笑)
とは言え『眠れる森の美女』をモティーフとして、救いのキスをもたらすであろう王子様が呼びかける歌、といえるでしょう。

この曲に込められたエキゾティシズム、そして恋の予感に溢れるロマンティシズム。少女が憧れる要素を存分に詰め込んだこの詞から、「GS的世界」つまり「王子様とお姫様の(哀しい)恋の物語」が始まったのです。
少女たちは美しい青少年が切々と歌い上げる姿に王子様を幻視し、そして我が身を(鏡を見ないで)お姫様に同一視してGS的楽曲に熱狂しました。

この『ブルー・シャトウ』の大ヒットにより、同種の要素を備えた楽曲が多くのGSによって歌われることになるのでした。そして1967年が「GS元年」と語られるのです。
その先鞭を付けたという意味で、ブルー・コメッツそして橋本の功績は多大なものがあったと言えるでしょう。

ちなみに余談ですが。
この曲の魅力は井上による「外国のリズムと日本のメロディーを組み合わせた」旋律の力も多大なものがあるでしょう。日本全国で口ずさまれたのですが、特に子供たちが好んで歌っていたようです。
そんな中、当時子役として人気だったチャコちゃんこと四方晴美がお弁当にトンカツが出た喜びを歌に託し、「NHKのど自慢」で披露したことから替え歌も爆発的に流行。元歌を越える勢いで子供たちのヒットチャートを駆け上りました。

貧乏人が食事にありついた喜び(?) 『ブルー・シャトウ』替え歌
第9回日本レコード大賞受賞 『ブルー・シャトウ』

山上路夫

(YAMAGAMI Michio)

父は『荒鷲の歌』などで知られる東辰三。ジュニア雑誌の懸賞小説から執筆をはじめ、雑誌『平凡』への応募から作詞家へ。
いずみたく、村井邦彦とのコンビ作多数。GS以降にもフォークソングやCMソング、TVドラマ主題歌で広く人口に膾炙した作品を残す。

平易で奥深い表現でスタンダードな名曲多数 山上路夫

主なGS作品
ザ・タイガース 廃墟の鳩/嘆き
ザ・ワイルド・ワンズ 愛するアニタ

主なGS以外の作品
沢田研二 許されない愛/白い部屋
赤い鳥 翼をください
アグネス・チャン ひなげしの花
天地真理 虹をわたって/若葉のささやき/想い出のセレナーデ
小柳ルミ子 瀬戸の花嫁/漁火恋唄
GARO 学生街の喫茶店
井上順 お世話になりました
ザ・ピーナッツ 東京の女
由紀さおり 夜明けのスキャット
キャンディーズ あなたに夢中
野口五郎 私鉄沿線
ゴダイゴ ガンダーラ
天知茂 昭和ブルース
オフコース 群衆の中で
トワ・エ・モワ 或る日突然
TV『水戸黄門』主題歌 ああ人生に涙あり

なかにし礼

(NAKANISHI Rei)

本名:中西礼三。戦前の満州に生れ、引き揚げ時に壮絶な体験を経て帰国。
立教大学在学中より作詞家として活動。また小説家としても多くの作品を発表し『長崎ぶらぶら節』で第112回直木賞を受賞。
晩年は自身の闘病、戦争体験を語り平和運動にも尽力した。
ベートーヴェンの交響曲第9番日本語版も著名。

ドラマ性に満ちた詞と小説 なかにし礼

主なGS作品
ザ・タイガース 花の首飾り/美しき愛の掟
ザ・テンプターズ エメラルドの伝説
ザ・ジャガーズ キサナドーの伝説
オックス 夜明けの光
パープル・シャドウズ さみしがりや

主なGS以外の作品
菅原洋一 今日でお別れ
鶴岡雅義と東京ロマンチカ 君は心の妻だから
ザ・ピーナッツ 恋のフーガ
ザ・ドリフターズ 誰かさんと誰かさん
ピーター 夜と朝のあいだに
黛ジュン 天使の誘惑
弘田三枝子 人形の家
アン・ルイス グッド・バイ・マイ・ラブ
ペドロ&カプリシャス 別れの朝
北原ミレイ 石狩挽歌
森進一 港町ブルース
由紀さおり 手紙
北島三郎 まつり
細川たかし 北酒場
黒沢年男 時には娼婦のように
柏原芳恵 あなたならどうする
石原裕次郎 わが人生に悔いなし
TOKIO AMBITIOUS JAPAN!

小説
兄弟
長崎ぶらぶら節
てるてる坊主の照子さん

阿久悠

(AKU Yu)

本名:深田公之。明治大学より広告代理店・宣弘社に入社。劇画家の上村一夫は同僚だった。在社中より作詞活動を始めるが、兼業禁止の規定の為ペンネームを付けた。当初はすぐに改めるつもりで「悪友」をもじった軽い気持ちで命名したが、そのまま生涯に亘る筆名となった。
ザ・スパイダースの『モンキーダンス』(『フリフリ』B面)でデビューし、やがて独立。沢田研二、ピンクレディーへ提供した作品は軒並み大ヒット。小説にも『瀬戸内少年野球団』等の著名な作品を遺した。

沢田研二にダンディズムを注入 阿久悠

主なGS作品
ザ・スパイダース モンキーダンス
ザ・モップス 朝まで待てない/お前のすべてを
ザ・カーナビーツ 真夜中の恋人たち
ザ・テンプターズ 夕陽に帆をあげて
ズー・ニー・ヴー ひとりの悲しみ
ザ・タイガース 色つきの女でいてくれよ

主なGS以外の作品
沢田研二 時の過ぎゆくままに/勝手にしやがれ/麗人/Stranger-Only Tonight-
ピンク・レディー ペッパー警部/渚のシンドバッド/サウスポー
石川さゆり 津軽海峡・冬景色
都はるみ 北の宿から
八代亜紀 舟唄/雨の慕情
五木ひろし・木の実ナナ 居酒屋
鶴田浩二 望郷の町で
森進一 さらば友よ/東京物語/北の螢/昭和最後の秋のこと/さわりは名調子
北原ミレイ ざんげの値打ちもない
桂銀淑 アモーレ~激しく愛して~/昭和最後の秋のこと
ペドロ&カプリシャス ジョニィへの伝言/五番街のマリーへ
和田アキ子 笑って許して/あの鐘を鳴らすのはあなた
山本リンダ どうにもとまらない/狂わせたいの/狙いうち
桜田淳子 わたしの青い鳥
森昌子 せんせい/同級生/中学三年生
岩崎宏美 ロマンス/センチメンタル
フィンガー5 恋のダイヤル6700/学園天国
郷ひろみ・樹木希林 林檎殺人事件
郷ひろみ いつも心に太陽を
森田公一とトップギャラン 青春時代
尾崎紀世彦 また逢う日まで
小林旭 熱き心に
ももいろクローバーZ 天国の名前
TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』
TVアニメ『デビルマン』

小説
瀬戸内少年野球団

原作
悪魔のようなあいつ

安井かずみ

(YASUI Kazumi)

本名:安井一美。愛称:ZUZU(ズズ)。フェリス女学院、文化学院卒。
文化人が多く集ったイタリア料理店「キャンティ」常連。2度目の夫は加藤和彦(共に再婚)。洒脱なセンスで知られる。

没後、沢田研二は彼女の曲を歌う「ZUZU SONGS」を開催した。

初期沢田研二の世界を作り上げた 安井かずみ

主なGS作品
ザ・タイガース シー・シー・シー/ラヴ・ラヴ・ラヴ/ライラ
ザ・ワイルド・ワンズ バラの恋人

主なGS以外の作品
PYG 自由に歩いて愛して
沢田研二 あなただけでいい/あなたへの愛/危険なふたり/追憶
天地真理 ちいさな恋/恋と海とTシャツと
伊東ゆかり 恋のしずく
浅田美代子 赤い風船/しあわせの一番星/じゃあまたね
小柳ルミ子 わたしの城下町
飯島真理 愛・おぼえていますか
広田玲央名 だいじょうぶマイ・フレンド
和田アキ子 古い日記
加藤和彦 ヨーロッパ三部作
フォーリーブス 大人への階段
あいざき進也 気になる17才
郷ひろみ よろしく哀愁
西城秀樹 ちぎれた愛/激しい恋/この愛のときめき

訳詞
ドナドナ
オー・シャンゼリゼ
雪が降る
レモンのキッス

安井かずみ追悼TOUR ZUZU SONGS(1994)

【GSを支えた作曲家】

すぎやまこういち

(SUGIYAMA Koichi)

東京都交響楽団が奏でるヒット曲集の表題は『君だけに愛を』。

ファミコン音楽に携わる契機は、気まぐれにハガキを書いたゲームの感想を夫人が投稿し、それが偶然ドラクエスタッフの目に止まったこと。
55歳での新分野への挑戦となった。

TV、GS、CM、アニメ、ゲーム……多彩な分野で活躍 すぎやまこういち

主なGS作品
ザ・タイガース 僕のマリー/シーサイド・バウンド/君だけに愛を/花の首飾り
ザ・カーナビーツ チュッ!チュッ!チュッ!
ザ・ジャガーズ いつか誰か
ヴィレッジ・シンガーズ 亜麻色の髪の乙女

主なGS以外の作品
沢田研二 この空を見てたら
ザ・ピーナッツ 恋のフーガ/ローマの雨
橋幸夫 思い出のカテリーナ
GARO 学生街の喫茶店

TV
ザ・ヒットパレード
クイズ・ドレミファドン!
アニメ
伝説巨神イデオン
科学忍者戦隊ガッチャマン
サイボーグ009
魔法騎士レイアース

映画
ゴジラvsビオランテ

ゲーム
ドラゴンクエストシリーズ
風来のシレンシリーズ
半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!

村井邦彦

(MURAI Kunihiko)

慶応義塾大学卒業。GS、フォークを中心に『翼をください』など国民的な知名度の名曲を残した。また1977年アルファレコードの設立を機にプロデューサーとしても活動、荒井由実やティン・パン・アレーのデビューに携わる。1992年よりアメリカに移住。

ニュー・ミュージックの立役者 村井邦彦

主なGS作品
ザ・タイガース 廃墟の鳩/風は知らない/朝に別れのほほえみを/ラヴ・ラヴ・ラヴ
ザ・テンプターズ エメラルドの伝説
ザ・モップス 朝まで待てない

主なGS以外の作品
赤い鳥 翼をください
トワ・エ・モワ 或る日突然/虹と雪のバラード
ヴィッキー・レアンドロス 待ちくたびれた日曜日
辺見マリ 経験
ピーター 夜と朝のあいだに
北原ミレイ ざんげの値打ちもない

映画
悪魔の手毬唄
火の鳥(製作)

筒美京平

(TSUTSUMI Kyohei)

本名:渡辺栄吉。青山学院大学卒業後、橋本淳の勧めで作曲家に。幅広いジャンルで長年にわたって活躍。1960~2000年代まで全ての年代で1位、ベスト10には2010年代まで登場した稀代のヒットメーカー。

実は沢田研二と極めて縁が薄い(皆無ではない)

日本屈指の大ヒットメーカー 筒美京平

主なGS作品
ジャッキー吉川とブルー・コメッツ さよならのあとで/涙の糸
ヴィレッジ・シンガーズ バラ色の雲
ザ・ジャガーズ マドモアゼル・ブルース
オックス ガール・フレンド/ダンシング・セブンティーン/スワンの涙

主なGS以外の作品
いしだあゆみ ブルー・ライト・ヨコハマ/今日からあなたと/あなたならどうする
尾崎紀世彦 また逢う日まで/愛する人はひとり
南沙織 17才/純潔
欧陽菲菲 雨のエアポート
浅田美代子 赤い風船/しあわせの一番星
麻丘めぐみ 芽ばえ/わたしの彼は左きき/アルプスの少女
野口五郎 青いリンゴ/オレンジの雨/甘い生活
西城秀樹 恋する季節/勇気があれば
郷ひろみ 男の子女の子/裸のビーナス/モナリザの秘密/よろしく哀愁
岩崎宏美 ロマンス/センチメンタル/ファンタジー
桜田淳子 ひとり歩き/もう戻れない
太田裕美 木綿のハンカチーフ/最後の一葉
ジュディ・オング 涙のドレス/魅せられて
桑名正博 セクシャルバイオレットNo.1
近藤真彦 スニーカーぶる~す/ギンギラギンにさりげなく/抱きしめてTONIGHT
田原俊彦 君に薔薇薔薇…という感じ
松本伊代 センチメンタル・ジャーニー
小泉今日子 まっ赤な女の子/ヤマトナデシコ七変化/なんてったってアイドル
本田美奈子 殺意のバカンス/Temptation(誘惑)/1986年のマリリン
中山美穂 生意気/BE-BOP-HIGHSCHOOL/ツイてるねノッてるね
C-C-B Romanticが止まらない/Lucky Chanceをもう一度
少年隊 仮面舞踏会/君だけに
SMAP 心の鏡
KinKi Kids やめないで,PURE
TOKIO AMBITIOUS JAPAN!
井上陽水 カナディアン アコーデオン
NOKKO 人魚
内田有紀 TENCAを取ろう!-UCHIDAの野望-
小沢健二 強い気持ち・強い愛
藤井フミヤ タイムマシーン

アニメ
怪物くん
サザエさん

鈴木邦彦

(SUZUKI Kunihiko)

独学でピアノを習得した後、中村八大の薫陶を受け作曲を開始。作曲活動の傍らハンドベルの普及に取り組み、各種商品の開発も手掛けた。

ミュージックベルの考案者でもある 鈴木邦彦

主なGS作品
ザ・タイガース タイガースの子守唄
ジャッキー吉川とブルー・コメッツ 冬の嵐/雨の朝の少女
ザ・ジャガーズ ダンシング・ロンリー・ナイト
ザ・ゴールデン・カップス いとしのジザベル/銀色のグラス/長い髪の少女
シャープ・ホークス ついておいで
ザ・ダイナマイツ トンネル天国/真夏の夜の動物園

主なGS以外の作品
江利チエミ 酒場にて
奥村チヨ 恋の奴隷
藤圭子 花は流れて/明日から私は
黛ジュン 恋のハレルヤ/乙女の祈り/天使の誘惑
桜田淳子 神戸で逢えたら
ザ・ピーナッツ ガラスの城/さよならは突然に
内山田洋とクール・ファイブ 恋唄
西城秀樹 恋の約束/情熱の嵐/愛の十字架

TV
NHKのど自慢

ミュージカル
人間になりたがった猫

【GSを支えた人々】

……といったように、ここに掲げたのはもちろんGSに作品を提供した人々の一部ではありますが、実に錚々たる多士済々。まさしく日本歌謡史を彩る、いや歴史そのものといった顔触れが並びました。

こうした人々によって生み出されたグループ・サウンズの楽曲の多くは、「グループ・サウンズ的楽曲」の要素をふんだんに含むことで、少女たちの熱狂を巻き起こしました。
それと共に「優れた音楽作品」としての確かな魅力にも溢れていました。彼らが生み出したGSの楽曲は今日まで、GS以後の世代にも知られ歌い継がれる楽曲が多数存在することで明瞭です。時代を越えて伝わる魅力こそ、彼らが職業的作詞家・作曲家として確かな仕事をしていたことの証です。

如何にアイドルとしての、スターとしての魅力に富んだバンドやメンバーであっても、ここに掲げたような優れた作家による素晴らしい楽曲がなければ、GSは巨大なムーブメントにはなり得なかったでしょう。


とは言えザ・モップスザ・ゴールデン・カップスのように「作られた虚像」を良しとせず我が道を歩もうとしたバンドはありますし、そうした虚飾に反発した(主に男性)ロックファンからは、次代のニュー・ロックを生み出す土壌が育まれるのですが。

では、今回ご紹介したような楽曲を奏でたメンバーには、どんな人々がいたのでしょうか。前回触れたように「日本芸能史の一部を築いた」GS出身者を、次回はご紹介したいと思います。


(続く)


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