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冷凍されていたカレー

昨日、冷凍庫からカレーがでて来た。
作った覚えはなく、多分亡くなった母が作ったカレー。
もう数ヶ月が経っているので、すぐに解かして食べようと思った。
自然解凍し今日温め直した。
「んっ?エノキが入ってる!」こんなの入れてたっけ?(母が作るカレーに入ってたっけ?)でも私が作った覚えはないし、だいたいこんな保存の仕方はしない。他の家族も作った覚えも存在も知らない。だからやっぱりお母さんのカレーだ。
彼女が作った最後の料理。(私が口にする最後の彼女の料理と言う意味)
解凍して、そのまま食べれればよかったのだけど、残念ながら冷凍している間にいろんな物に揉まれ、袋に穴が空いていたようで、解かしている間に水分だけがだいぶ漏れてしまい、そのままで食べるのは難しい状態に…
水を足し、味も足した、偶然にも前日に初めてスパイスを使って調理したネギがあり、それも足した。美味しいカレーになった。
母の作ったそのままの物じゃないけど、でも彼女の作ったカレーはここにあり、私は食べた。
美味しかった。
何かを足されても、それは紛れもなく彼女のカレーだった。

少し前に友達がこんな話しをしてくれた。
人は亡くなる時に、残った人にプレゼントをくれる。旅立つ自分のスピリットを、残った人の中に宿して行く。だからなくならないし、いなくならない。(正確な言葉や言い回しは忘れたけど、こんな感じだったと思う)

確かにカレーの中に母はいた。そして私の体に入り、私の心と体になっていく。ずっと、ずっと、それは永遠に…


追伸:
そういえば今日は弟の誕生日だ!もしかしたら母からのプレゼントかも!って今気づいた


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