「投げ銭」っていうけど、ホントに投げ銭?

はじめに

noteでよくある「投げ銭」スタイルのコンテンツ(※補足参照)。
これについて、ちょっと考えてみました。

“「投げ銭」スタイルっていうけど、それってホントに投げ銭なの?”

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(補足)投げ銭スタイルのコンテンツ コンテンツを途中まで公開して、お金を払ったら残りを見れるようにするのではなく、コンテンツを最初から全て公開してしまって、面白かったらお金を払って下さいとするコンテンツのこと。
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「よくある質問」を読んでみて

たまたま、noteの「よくある質問」を読んだのですが、そしたら次のようなことが書かれていました。

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3-2. 購入したノートはどうやって楽しむことができるのですか?
購入したノートは、「ライブラリ」の「購入済みノート」一覧にて、いつでもご覧いただくことができます。(以下、省略)

4-2. 有料ノートが作者によって削除された場合、その後は閲覧できますか?
ノートを購入すると、購入者のメールアドレス宛にノートの内容がメール配信され、「マイライブラリ」内「購入済みノート」にていつでもノートをご覧いただけます。 なお、購入後に作者がノートを削除した場合も、「購入済みノート」画面にて閲覧が可能です。(以下、省略)
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注目したいのは、購入したノートはライブラリからいつでも見ることが出来るということです。
それがたとえ削除されてしまったノートであっても!

noteにおける「購入」の価値

noteにおいて「購入」を行った場合、実はそこには二つの価値が生じています。

一つは、「ノートの続きが見れる」ということ。
これは分かりやすい価値です。

もう一つ。
それは、「ライブラリでいつでも見れるようになる」ということ。
気付きにくいですが、これも大きな価値なんですね。

現実世界で考えてみます。

本屋に行くと、そこには多種多様な本が陳列されています。
包装されていて中身が読めないものもありますが、全部読めるようになっていることも少なくありません。
でも、全部読めるからといって、その場で全部読んで済ませようとはしないよね?
少し眺めて、面白そうだったり役に立ちそうだったりしたら、購入してあとでゆっくり読みたいと思うものです。
あるいは、仮にその場で読めてしまったとしても、あとで何度も読みたいと思える本なら、購入して手元に置いておきたいと思うものです

「読みたいと思ったときに、手軽に手に取って読み返すことが出来る」
これは大きな価値です。
だからこそ、仮に全部読めたとしても、立ち読みで済ませずに本を買うというモチベーションが生まれるわけです。

自分だけの本棚

再び、noteに返って考えてみます。

「投げ銭スタイルのコンテンツにお金を払う」という行為。
この一つの側面は、文字通り、そのクリエイターを応援したり、表現されたコンテンツに対して「面白かった」「役に立った」という意思を表現するというものです。
でも、これまでの文章を読めば、もう一つの側面が見えてくるかと思います。 それは、「コンテンツを自分の本棚に並べる」というものです。

noteのタイムラインは、いわば新刊の陳列です。
いろいろなクリエイターによる様々な作品が並べられています。
けれど、それは時間とともに流れていってしまうわけです。
あとで「あの作品、また読みたいな」と思っても、気軽に読むことは出来ません。
そこで、購入をしておけば、そのコンテンツは自分の本棚へ並べられ、あとで簡単に読み返すことが可能になります。 そうやって出来上がった本棚は、「自分だけの本棚」になります。

投げ銭スタイルのコンテンツにお金を払うことが、ホントにただの投げ銭であれば、お金を払った後には、ちょっとした満足感が残るだけです。
あるいは、近い将来にそのクリエイターのより素晴らしい作品に出会える可能性が少し増えるくらいです。

しかし、これまで見てきた通り、投げ銭スタイルのコンテンツにお金を払うことは、それ以上の価値を生み出しています。
ならば、それはもはや、ただの投げ銭ではないということです

「最初から全て公開して購入してもらう」というビジネスモデル

コンテンツを最初から全て公開し、気に入ったら購入してもらうというスタイル。
これがただの投げ銭に留まらないということは、購入者に対して価値をもたらす、立派なビジネスモデルになっているということです。
「投げ銭スタイルです」とか「気に入ったらお金を下さい」とか言うことなく、堂々と全文が読めるようにした上で「どうぞご購入下さい」と言えるということです。

ただし、そのビジネスモデルは「自分だけの本棚を作れる」という価値によって支えられていることに気をつけなければなりません。
なので、その価値がなくなってしまうと、途端に破綻することになります。

例えば、「『スキ』をつけたコンテンツをライブラリで見れるようにしました」となると、購入しなくても自分だけの本棚が作れることになってしまいます。
そうなると、購入することによって自分だけの本棚を作ることの価値はなくなってしまいます。

あるいは、クリエイターが作成したコンテンツが削除されたときに、ライブラリでそのコンテンツが読めなくなったりすると、購入することの価値はだだ下がりです。
現実世界で考えれば、ある本が絶版になったら、すでに買ってある本まで読めなくなった、ということに相当するわけですから。

noteのこれから

一方で、次のように考えることも出来ます。

「自分だけの本棚を作れる」という価値がこのビジネスモデルを支えているのならば、その価値をより高いものにすることによって、そのビジネスモデルをより堅固なものに出来るはずです

例えば、購入したノートの一覧性が向上し、読みたいと思うノートをすぐに見つけ出せるようになっていると、とてもいいです。
クリエイター毎に表示出来たり、コンテンツ毎に表示出来たり、グループ分け出来たりすると、とても見やすくなりそうです。
あるいは、ライブラリ内を特定の条件やキーワードで検索出来ると、いいですよね。
購入してライブラリに入れておこうというモチベーションが高まります。

これらは、noteのこれからに期待したいところです。

おわりに

「最初から全てを公開して購入してもらう」というスタイルが、ただの投げ銭を超えて、立派なビジネスモデルとして成立しうるということが分かってもらえたかと思います。

この文章はここで終わりですが、よかったら購入して、あなたの手元に置いてやって下さい。

それでは。

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