No.8 - 株式会社柳田製作所

画像1

一緒につくりたいもの

暮らしの中に非日常な体感・体験を取り入れるようなプロダクトアイデア

どんな会社ですか?

YAOYA PROJECTのなかで一番大きなものをつくれる事業者さんがやってきました。株式会社柳田製作所は、タンクローリーやごみ収集車などの特殊車両、工業用プラントなどの大型設備などに関わる大きな金属部品を製造しています。つくるものが大きければ大きいほど、ちいさなゆがみが製品全体に響いてくるのですが、柳田製作所はそのゆがみを最低限に抑え、クオリティの高い工業製品をつくる技術があります。最近はその技術を活かし、独自でキャンプ用品のブランドも立ち上げるなど、新しい挑戦にも取り組んでいます。

画像2


ここがスゴイ

1. 大きなものをつくる専門集団
もともと、バキュームカーやゴミ収集車などの特殊車両製造からはじまった柳田製作所。車両の最終組み立て完成まで自社でおこなえる技術がきっかけで、産業用プラントの製造にも着手しています。体育館のような広い工場で、巨大な産業用プラント製品などを製作しています。

特殊車両の製造でいえば、ライフスタイルの変化によってバキュームカーなどはかなりその数を減らしましたが、現在はタンクローリーのタンク載せ替えを引き受けています。タンクローリーといえば、大型トラックの上に燃料や食用油、飲料等のあらゆる液体を入れるステンレスのタンクが載ったもの。走行距離が長くなり、車体は乗り替える必要が出てきても、タンクの部分はまだまだ使えるということが多いそう。柳田製作所では、取り外したタンクを新しい車両に載せ替えるなどのサービスもおこなっています。

画像3


2. 高い溶接加工の技術
柳田製作所がもっとも得意とするのは溶接加工です。鉄はもちろん、スチール、ステンレス、アルミなど扱える金属はさまざま。大きなものを溶接加工する時に重要なのが、ゆがみを最小限に抑えること。ゆがみを先に見越して、ある程度金属を反らせたうえで溶接をおこなうのですが、その技術は機械化ができず職人技に頼るしかありません。大きいものを何度もつくるなかで、熟練の職人は「これくらいかな」と感覚でわかるのだそう。

画像4

3. 小さいものの製造もお手のもの
大きな製品をつくる環境があるということは、小さなものも製造ができるということ。柳田製作所では、大きいものと大きいものを繋げるための小さなパーツも自社でつくることができます。取材時には、足踏みペダルに連動してポンプのアルコールが噴射される消毒スタンドがありました。柳田社長いわく「職人がチョイチョイっと溶接してつくった」そう。

持っている技術

・12mx3.5mx3mほどの大きな金属加工ができる
・鉄、スチール、ステンレス、アルミなど扱える金属が豊富
・小さな部品も自社で図面をひいてつくることができる

自社ではむずかしいこと、できないこと

・大きなものをゼロから設計できる人がいない
・販路になるネットワークが少ない

つくっている主なプロダクト

1. camp873の焚き火台
得意の溶接技術を活かして、焚き火台やペグなどを製作。アウトドアブランド「camp873」を立ち上げました。

画像5

2. 消防車をカスタムしてつくった車
さらには新たに中古車販売業にも着手!町の消防団から払い下げられた消防車をカスタムし、オリジナルのキャンピングカーまでつくっています。ボーイッシュで無骨なデザインは今後人気になりそうです。

画像6


工場のようす

1. 図面を展開して、金属をレーザー加工、折り曲げる
大きな金属板をレーザー加工し、図面に合わせてブレーキプレスで折り曲げたり、3本ローラーで挟んで鉄板をロールさせます。機械を使うだけでなく、ハンマーで叩いて微細なゆがみの調整をおこないます。どれくらいの力加減でハンマーを振り下ろせば狙った角度がつくのか、熟練の職人さんは勘でわかるそう。日々の仕事のなかで培った職人技が光ります。

画像7


2.できあがった部品を溶接する
他社では±3mmまで許容しているズレも、柳田製作所では±1mmまでなどと厳格なルールがあります。製品にゆがみが出ないようにするには溶接する順番も大切。図面や計算式がないものでも、経験値を頼りにつくりあげます。

画像8

紹介映像

つくり手のおもい

画像9

「柳田製作所が常に心がけているのは『地域社会に貢献し、必要とされる企業』であること。特殊車両や工業用プラントなどの製造は、『人が安全かつ心豊かに暮らすためのものづくり』です。工業製品のニーズが多様化するなかで、高品質な製品を顧客に提供し続けられるよう、技術を高め続けています」。

「高品質なものをつくり地域社会に貢献することで、みんなが幸せになることを目指しています。幸せの価値観はみんな違いますが、働く楽しさややりがいをもつことで幸せになってもらいたい。定年退職する際に「お父さん、柳田製作所で働けてよかったね」と家族から言ってもらえたなら最高ですよね。そういうことを日々考えています」。

画像10

「とはいえ、長らく柳田製作所はBtoB一本でやってきた会社です。最近ではキャンプ用品などオリジナルブランドもはじめましたが、ずっと、自分たちのつくったものが最終的に社会でどういう役割を果たしているのか見えてこなかったのが課題でした。YAOYA PROJECTでは、プロダクトを開発して下請けだけをおこなう企業から脱せられたらいいなと考えています」。

「なんとなくのイメージは、日常と非日常を行き来できるようなプロダクトでしょうか。自社の強みである金属溶接の技術を活かしたアイデアをお待ちしています」。

画像11

公式HP
https://www.yanagida-ss.com/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?