No.7 - 藤田金属株式会社

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一緒につくりたいもの

家事や家庭でのアクティビティがいつもよりちょっとだけ楽しくなるプロダクトアイデア

どんな会社ですか?

フライパンや鍋やコップなど、金属製のキッチン用品の製造・販売を行う藤田金属株式会社。創業69年を迎えた現在では、フライパンの製造が全体の7割を占めています。「軽い・優しい・便利。この3つのキーワードを何十年も前から大切にし、ものづくりを行ってきました」と、今回お話を聞かせてくれたのは長男の藤田盛一郎専務。YAOYA PROJECTについては昨年に続き、今回2度目のプロジェクト参加です。今年からはキッチン用品の枠を越えて、園芸用品やインテリア雑貨の開発に着手していることからも、新しい取り組みに前向きな姿勢がうかがえます。

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ここがスゴイ

1. 金型から出荷までをワンストップで
つくっている商品は、年間およそ21万点、800種以上。日本のものづくりの現場では金型、プレス、ヘラ絞りといった工程をそれぞれ別の工場で担うのが一般的ですが、藤田金属株式会社では金型製造から出荷までのなんと全工程を自社で行っているのだそう。「一度金型をつくってしまえばいつでも無数に製造できるので、コストを抑えられますし、効率の良い生産が可能です」というように、一貫生産の長年の蓄積が大きな強みになっています。

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2. 家族経営ならではのスピード感
2代目社長で藤田家の父が金型の製造を行い、その金型製造技術を今受け継いでいるのが三男です。ヘラ絞りなどの量産を担うのは次男。全体の指揮をとり、企画や営業を行うのが長男の藤田専務です。「藤田金属株式会社には「会議」はありません」と聞くと一瞬驚きますが、普段の家族の会話がそれに変わるから、と聞いて納得。アイデアを思いついたらすぐにみんなに共有して試作にかかれるような、風通しの良い環境がここにはあります。

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持っている技術

・金型の製造ができるので新しい型をつくれます
・「ヘラ絞り」技術で軽いフライパンをつくれます
・「ハードテンパー」加工で家庭で使う前の前処理が不要な鉄製商品を製造できます

苦手なこと

・カラーやメッキなどの塗装
・楕円形などの変形した金属の製造
・亀裂を走らせるなどの加工

つくっている主なプロダクト

フライパン
深型、浅型、表面加工といった多様なフライパンを製造していますが、なかでも「良いものを長く使いたい」という近年の消費者の傾向で再注目されているのが鉄フライパン。10年前には年間4733個だった販売数が、2020年は年間147,221個に(!)伸びていることからも、その人気ぶりが伝わります。フライパンの材質や持ち手など800種以上の組み合わせを楽しめる「フライパン物語」や、持ち手を外してお皿にもなる「フライパンジュウ」など、オリジナル商品の開発にも力を入れています。

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工場の様子

1. 金属板をプレス・ヘラ絞りで成形
丸く切り出した金属板をプレス・ヘラ絞り機にかけ、フライパンの形に成形します。すごいのは、このヘラ絞り加工。フライパン製造でヘラ絞り加工を採用しているところは国内でも2〜3社しかないそうですが、プレス加工ではどの部分も同じ厚みになるのに対して、ヘラ絞りでは側面を底面よりも薄く伸ばせるため、前者に比べて2割も軽く仕上がるのだとか!かつて、お気に入りの鉄フライパンを、重さゆえに泣く泣く手放した経験のある筆者も、これには頷くばかり。

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2. 消費者想いのハードテンパー加工
通常、鉄フライパンは錆止め用のクリア塗装が施されているので、使用前に家庭で空焼きすることで、塗装を剥がし、油を馴染ませる必要があります。その手間を省くのがハードテンパー加工。成形したフライパンの表面を高温のバーナーで焼くことで、表面に皮膜ができ油が馴染む。すぐに使える状態で手元に届くというわけです。フライパンにこの加工を施すのは、国内では他に見たことがないと藤田専務は言います。

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紹介映像


つくり手の想い

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「最近では「フライパンジュウ」がお陰様で好評を得ていることからも分かるのは、今求められるのは「長く使用できるもの」そして「ワンランク上のもの」。どの家庭にもあり毎日使うキッチン用品は、使いやすいのは当たり前。だからこそ、プラスαの機能をもたせたり、使い方や楽しみ方の提案をすることで、新たな価値を感じていただく必要があります。今年のYAOYA PROJECTでも「こういうの待ってた!」とお客様に言っていただける商品を目指したいですね」

「私にとって、昨年のYAOYA PROJECTの一番の収穫は「出会い」でした。私の仕事上、商社の方やバイヤーさんなど営業の得意先さんとのコミュニケーションが大半です。ですので、デザイナーさんや八尾市のメーカーや会社さん、台湾のクリエイターさんといった、これまでにない方々との出会いそのものがとても新鮮でした。彼らのものの見方は発見の連続でしたし、ものづくりの進め方なども非常に勉強になりました」

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「それと並行して、1社だけでは成し得ない「チームの力」に気づけたのも大きかったです。商品の魅力は地域に紐付けることで倍増する。これに気づいてからは、同じプロジェクトや八尾から生まれた商品を一緒に並べてほしい!という想いが高まりました。実際、バイヤーさんやメディアの方に合わせて提案してみると、大抵喜んでいただけるのも嬉しいことです。藤田金属株式会社とはもちろんですが、八尾市、またプロジェクト全体と一緒になって伴走してくれる方をお待ちしています!」(藤田専務)

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公式HP
http://www.fujita-kinzoku.jp/
https://frying-pan.jp/


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