No.6 - 株式会社友安製作所
一緒につくりたいもの
「つくる」を通じてつながる、集まるプロダクトアイデア
どんな会社ですか?
株式会社友安製作所は、カーテンレール、カーテン、壁紙、床材、照明、塗料などのあらゆるインテリア商材を製造・販売する会社です。1948年にネジの製造から事業をスタートし、カーテンフックの製造業を経て、いまでは「暮らし」に関わる幅広いプロダクトをつくるようになりました。「全世界の人々の生活の一部に自社製品を」をミッションに、2004年に自社ブランド「COLORS」を立ち上げ、オリジナル商品の開発から、海外メーカーのインテリア商材を独自に買いつけしての販売、工務店事業、DIYのワークショップスペース運営、カフェ事業まで多岐にわたる業務をおこなっています。
ここがスゴイ
1. インテリアに関わるものならなんでもつくることができる
インテリアに関わるものなら基本的になんでもつくることができるのが友安製作所。自社で取り扱う商品は30,000点以上もあり、しかもその約7割がオリジナル商品。カーテンレール、フック、床材にラグ、壁紙、タイルシール、アイアン家具……とにかく商品の数が膨大です。輸入商材については独自の仕入れルートをつくり、国内では友安製作所でしか買えないものもたくさんあります。
2. 自社にデザイナーやプランナーなどクリエイティブチームが在籍している自社にデザイナーやカメラマンなどのクリエイティブチームを有し、デザイン・製造・施工の全てを自社でまかなっている友安製作所。本プロジェクトのなかでは最も「なんでもつくることができる」事業者さんかもしれません。社員は若い人が多く、部活のような雰囲気もあるのが特徴で、上司、部下が気兼ねなく話ができるよう、たとえば友安社長なら「ボス」といったように、スタッフははそれぞれをニックネームで呼び合うようになっています。
3. 線材加工・溶接の技術が自社にある
木ネジの製造、鉄製のカーテンフック・線材加工品の製造・販売をおこなっていた創業当時の職人技術が、たくさんの商材を扱うようになったいまでも現役なのが友安製作所。製品に限らず、カーテンフックの生産機械や金型など、製品をつくる機械も自社でつくっています。
持っている技術
・線材加工や溶接の技術がある
・工務店事業もあり施工も自社でできる
・粉体塗装
・壁紙、ふすま、ファブリックへの印刷
・ファブリックの縫製
・鉄製品の製作(テーブルの脚など)
苦手なこと
・合板やガラスの加工などは自社でできない
・大型のものはできない
つくっている主なプロダクト
1. 真鍮製のノブ
ありそうだけどなかなかない引き出しなどに取り付ける真鍮製のノブ。職人がひとつひとつハンドメイドでつくっているので、量産品にはないぬくもりが。スクエアや丸型、六角柱などさまざまな形状がある。
2. 鉄製のカーテンフック
国内のカーテンフックのほとんどは海外製造のプラスチック製になってしまいましたが、学校や病院などハードに使用する現場では鉄のカーテンフックがまだまだ健在。創業初期から製造している友安製作所のカーテンフックは、国産の鉄製カーテンフックでは国内でかなりのシェアを誇ります。
3. 椅子などのアイアン家具
会社の食堂兼ショールームには、自社製品のファブリックを使って製作した椅子やソファ、テーブルなどが並びます。デザインから製造まで自社でワンストップでおこなえる友安製作所の底力がうかがえます。
工場の様子
1. 大判インクジェットプリンターで布製品をつくる
ファブリック製品は買いつけるだけではなく自前の大判インクジェットプリンターで自作もできます。こちらはイラストレーターとコラボした自社オリジナルの壁飾り。ふすま紙など大型の印刷物などもこれで製作するそう。
2. カーテンフックの製造
創業初期から製造を続けている鉄製のカーテンフック。年間で3,000万個がつくられています。ロール状になっている鉄製のワイヤーをまっすぐに伸ばす機械、フックの形状に曲げて裁断する機械など、すべて自作。プロダクトも機械も友安製作所の大ベテランです。
3. 溶接機などの調整・製造
工場の一角には、製造機械そのものや金型を作成・カスタムするための工房が。おかげで試作などもどんどん挑戦できます。
紹介映像
つくり手の思い
「いまでこそカフェスタッフも含め90人の社員を擁し、あらゆるインテリア商材を扱う会社として成長していますが、僕が2004年に実家の家業である友安製作所に入った時はかなりギリギリの状態でした。当時、最盛期には社員が30人ほどいたのですが、それがわずか6人に。傾きまくった経営を早期になんとかしなければならなかった」
「売り上げをアップさせる課題解決として、DIYに関する輸入商材の事業を考えついたんです。これは僕がアメリカの大学で産業心理学を学び、海外商社で働いていた経験が大きかった。そうしてインテリア商材へと乗り出し、自社ブランド『COLORS』を立ち上げたんです。とにかく、本当に必死だったんですよね。商社で働いていた頃は稼いでいたのに、友安製作所に入ったら給料15万、しかも実家に10万円納めてました。月5万円でヒーヒーいいながら家業復活のために動き回っていた(笑)」。
「おかげでカフェ事業、工務店事業、 DIYレシピなどを提供するWebメディア事業、レンタルスペース事業など、かなり手広い取り組みを自社でおこなえるようになりました。人々の暮らしに彩りを与えるために邁進しています。事業を拡大していくなかで雇う人数も増えて売上貢献度も上がっていますし、職人気質だった先代にもあたらしい事業をお願いすることができました。先代がいませっせとつくっているのが、真鍮でできた引き出しなどのノブ。可愛いけど珍しくて、結構人気なんですよ」。
「デザイナーなどのクリエイティブに長けた社員が自社にいるのに、どうしてわざわざYAOYA PROJECTに参加するのかと思うかもしれませんが、引き継いだ当初は本当にお金がなくて、クリエイターのアウトソーシングが出来なかったという理由があるんです。僕たちがつくる商品はもちろん悪くはないんですが、結局は身内なので、デザインやアイデア的にめちゃくちゃスゴい!ってものがないのが難点。新しい視点を持ったクリエイターの方に、外から自社の限界を突破してほしいんです」。
「大量に売れるものを求めてはいません。売れるかどうかわからないものになっても正直いい。友安製作所を次のステージへと引っ張ってくれるような、今までになかったものをクリエイターといっしょに考えていきたいですね」。