ヒューマンライブラリーとまわしよみラジオ ~「他者理解」「人間理解」のツールとして~

昨年は、ながおか史遊会にとって試練の一年だった。その試練は今年も続いているのかもしれない。

新潟市の新潟医療福祉大学さんや新潟青陵大学さんとのコラボによって知った‟ヒューマンライブラリー”というイベント。「他者理解」の促進という観点でもとても重要な取り組みだと感じ、2020年、有志を募ってながおか史遊会の分科ヒューマンライブラリー(HL)長岡を立ち上げた。Twitterもつくり、Facebookページも立ち上げ、若干の活動費も獲得することができた。

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ヒューマンライブラリー長岡Twitter

https://twitter.com/HLnagaoka

ヒューマンライブラリー長岡FaceBookページ

https://www.facebook.com/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E9%95%B7%E5%B2%A1-104553331006906

「さあ、これから勉強会を開催して長岡でも本格的にHLを開催するぞ!」というときに、このコロナ禍が到来。入念に準備していた2020年6月14日に企画していた勉強会の予定がぶっ飛んだ。

一人の人の人生を、一冊の書物に見立て、‟リアルでの語らい”を前提とするHLの開催が実質困難になり、オンライン化でのHLでの開催が検討された。ただ、リアル開催での実績もない中での、オンライン化はほぼ知識ゼロに等しい状態で、HLの開催を断念した。

一方、弊会では、HLとの別の企画として、「まわしよみ新聞」というワークショップをしていた。まわしよみ新聞は、確か、2014年から弊会で開催していたと思う。こちらはコロナ禍になる前からオンライン化方法を模索しており、そのような動きの中でコロナ禍が発生。全国各地のまわしよみ新聞編集者たちが、オンライン化のイベントに切り替えている中で、私自身もいくつか体験させていただき、オンライン化の方法を模索した。そのため、まわしよみ新聞は比較的早い段階でオンライン化することができた。

「まわしよみ新聞」は、新聞記事を選ぶチョイスも、その選んだ記事に対するコメントも、選んだ人の立場や視点で全く異なるものになる。そのいう意味で、同じ記事を選んでも、全く同じ編集、なんていうことは全くあり得ない。それこそがまわしよみ新聞の特性であり、おもしろみの一つである。

そして、新聞記事を選ぶ人たち一人ひとりに、エピソードがあり、そこに生き様があるのならば、その方々がどのような生い立ちを送ってきたのか、そして何を大切にしているのか、を知ることも、ひとつの「他者理解」を得るのに大切な手法なのではないだろうか。

オンラインでのまわしよみ新聞を展開していく中で、東京でのながおか史遊会の活動の理解と普及に努めていただいている、いいね!創造村の村長さんで、移住ソムリエでもある草柳ちよ子さんより「いっそ参加者の方にインタビューしてみたらどうか」という提案がなされ、それならば、ラジオ形式でやってみるか、ということから、まわしよみラジオが生まれた。キャッチフレーズは、「ゲストの考え方やものの見方をほんのちょっとだけまわしよみ」。

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ゲストの語る人生を聞くことによって、「ほう、こんな考え方もあるのか!」「こんな生き方もあるのか!」と気づきと理解を得ることを目的としているのだ。

そのことに気がついたとき、私の中でヒューマンライブラリーとまわしよみラジオが、ぴったりつながったのである。

ちよ子さんのnote→いいね!創造村 https://note.com/iju

このことは、ながおか史遊会にとっては、とてもエポックメイキングなことであり、陸奥賢さんが考案したまわしよみラジオから派生した、またひとつの新しい文化としてとらえることができるのでは?と確信した瞬間であった。

もちろん、HLを長岡で開催することを完全にあきらめたわけではない。オンラインでやる方法も現在研究中である。

ただ、「他者理解」というものの、ひとつの切り口として、「まわしよみラジオ」は有益なツールになり得ると考えている。一方は書物、もう一方は新聞である。

いずれも、「読む」という、情報の取得を得るうえで基本的な行為という点で、共通している。だからこそ、面白いのだ。

この「まわしよみラジオ」 はじめたのはながおか史遊会ではあるが、とはいえながおか史遊会の専売でも何でもない。「おもしろそう」「やってみたい」という方には大いに真似してほしいと思っている。

コロナ禍は確かにこれまでの文化を徹底的に破壊し、その文化の延長線上にうまれようとした文化の芽を完全に摘んだ。その一方で、創意工夫と革新から、「まわしよみラジオ」のような新しいものを創り出したのも、これはまた残念ながら否定できない事実であろう。

世の中が平常化した暁には、まわしよみラジオで語ってもらった方々に是非、今度は“本”として、さらに詳しいお話を聞きたいものである。

ヒューマンライブラリー長岡誕生の経緯についてはこちらを参照

https://nkyod.org/tp_r/218546?fbclid=IwAR0OkwHmlWNAxO3gmu_4njOXyGFr1WmPJGqBkPdVpL2Ab1XZFxEGv1Gmhyw

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