市民の史跡活用について思うこと。

昨日は、妻のお店「ねこまんま」の出店手伝いということで、新潟県十日町市にある笹山遺跡の広場で物販の販売をしていた。

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新潟県の笹山遺跡といえば、国宝の火焔型土器、王冠型土器などを中心とした土器、石器、ベンガラ塊(計928点)が平成11年に国宝に指定されたという、同県の学史上極めて重要な遺跡の一つである。

史跡類の多い近畿圏ではこのような活用事例は多くあるものの、新潟県ではまだそんなに多くなく、しかもそれも最近の傾向である。それも、寺院や〇〇邸といった有形の建物群ならともかく、こういう遺跡自体を使ったイベントものってなかなか少ないんじゃないかな。理由の一つに、使用許可申請先がわかりずらい、なかなか許可が下りないということがあると思う。

ただ実際、県内にも多くの史跡公園や史跡広場が存在しているわけで、これを単なる「公園」として人々の生活から切り離しているのも「なんだかな~」と思う。

筆者は以前、某城の内部でのコスプレ撮影会を構想し、先方に打診したことがあったが、その当時は許可はもらえなかった。断られた要因として、①内部が資料館になっており、何かあった時に責任が取れないということと②館長さんにコスプレに対する理解がなかったことが考えられる。ただ、①については、開催時に施設の利用方法を双方で確認しあい、学芸員を配置するなどで対応できると思うし、おそらくそうしなければ、あの資料館は年間の利用者数だって、100行かないだろう。②については、「もっと若者文化を勉強して!」と理解を促すしかないよね。

もちろん、世の中の史跡や遺跡において、「活用」より「保存」が最優先されることは話だ。その場所自体がなければ、そもそも活用なんてできなかったわけだし、我々は先人からうけついだその不動産の遺産をしっかりと受け継ぎ、未来の世代に伝えていく義務を負っている。だから、その「活用」はあくまで「保存」の妨げになるものであってはならないだろう。

ただ、史跡の決められた区域内でのマルシェ的なイベントや、撮影を主な目的とするコスプレイベントの利用なんかは、もっときちんとしたコントロールの下のおいて、新潟県内の史跡でもたくさんやられても問題ないような気がする。

長岡でいうのならば、「馬高じょうもん館」のガラガラの駐車場内や「藤橋歴史の広場」なんかでマルシェを行っても面白いだろう。

そうやって、歴史好き以外の人にも史跡などを活用してもらって、その史跡や歴史自体に興味・関心を持ってもらうこともありだろう。

ちなみに、新潟市においては「県政会館」や「北方文化博物館」などで積極的にこういったコスプレイヤーや着物好きの撮影会などを受け入れる動きがあるようだ。

そういった意味で考えたとき、まだまだ史跡の活用としては、開拓しがいがある分野なのかな、と感じた。

時代とともに、社会のトレンドは常に変化してゆく。その変化する嗜好に合わせながら、その場所を史跡として残したかった人々、そこを生活の場として使っていた先人たちの変わらない想いを紡いでいくことも必要なのではないだろうか。

今回、遺跡の上で行われたマルシェに実際に参加してみて、ふとそんなことを考えた次第である。

最後に当日の様子がわかる動画をはりつけておくので、ご視聴と🔔してほしいです。よろしく。


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