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製紙関連銘柄

※本記事はあくまで個人の主観に基づいているため、参考情報としてご覧ください。

◆テーマ全体感

製紙関連銘柄とは

広い意味での紙を製造する業種であり、その範囲は一般的に想像する書籍などの「印刷・情報用紙」からティッシュやトイレットペーパー、タオルなどの「家庭紙」、さらには段ボールや建材などに使われる板紙まで幅広いです。
近年は原料パルプのナノ化によるセルロースナノファイバーの研究開発事例も増えています(実用化は程遠そうですが、、)。
製紙産業の原料は古紙と木材を元とするパルプです。日本は森林大国と言われますが、原料木材は輸入が70%強となっており、木材相場、為替による原価変動が大きいという特徴があります。
また、ペーパーレスという言葉が流行って久しいですが、製紙業界の業績は全体的に停滞・もしくは下降基調にあります。

今回のテーマ

製紙業界の直近の動向として、①原燃料の高騰②製品への価格転嫁の2点があります。
①原燃料の高騰
製紙業界の原燃料には木材のパルプやチップ、原油や石炭があります。これらはいずれも21-22年ごろに価格が高騰しており、原価高騰という形で製紙業界の利益を圧迫していました。
例として木材相場を挙げます。木材相場の高騰はウッドショックとも呼ばれ、原因はコロナによる木材原料の減少、米中での建設ラッシュ、輸送コンテナ不足などと言われています。製紙業界各社は先も書いた通り、原料木材の多くを輸入木材に頼っており、木材相場の高騰と2022年の円安進行が業績に負の影響を与えました。実際にもともと利益体質ではない紙セグメントは大きな減益や赤字拡大を強いられています。
参考として、以下資料によると2020年を100として2022年は丸太の輸入物価指数で190前後と2倍近い暴騰をしています。

日本木材総合情報センター 木材価格・需給統計資料より

さらに上記資料で注目すべきは2023年になって丸太の輸入物価指数が減少に転じていることです。ウッドショックからの脱却が見えてきています。この傾向が進めば原価が下がるため製紙業界各社の業績は好転してくることが予想できます。

②製品への価格転嫁
①で記載した原価高騰、円安の進行は製紙業界各社にあまりに大きい負の影響を与えていたため、製紙業界各社は製品の値上げを相次いで発表しています

製品の値上げは会社によりますが直近で3回の値上げがありそれぞれで15%以上の値上げとのこと。3回合計で50%近い値上がりになっているとも報じられており、価格転嫁による業績向上も大きいとみられます。

まとめると、①の原価高騰の「落ち着き」と②の価格転嫁の「成功と維持」により、利鞘が生まれるのでは?というのがテーマです。これまでは原価高騰が苦しく減益となり苦しんでいたが、原価は下がり始め、価格転嫁もできているということであれば今後の業績向上(回復)の幅も大きいと見込めます。

関連指標

上記で書いていた現燃料の相場、為替(円安が進行すると悪影響)はいずれも製紙プロセスの原価に大きく影響するため要注意です。
それぞれの指数は注意しておきましょう。

直近のイベント

イベントは特にありません。各社の決算がカタリストとなるテーマになります。すでに製紙業界各社の24年3月期の業績予測が出ており、株価を上げている銘柄もあります。

◆関連銘柄

関連銘柄リスト

株たんの製紙テーマで引くと製紙会社から製紙用薬品の会社など色々出てきます。ただ今回はあくまで木材を原料にして紙関連製品を売るメーカーに恩恵のある話なので、対象となる企業は絞られてきます。

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