tonamelとスポーツチャンバラの大会運営について
初めまして。
一般社団日本スポーツチャンバラ学生連盟の代表の岩尾光平と言います。
「スポーツチャンバラ?なんだそれ聞いたこともないぞ」と思った方もいるかもしれません。
基本的に試合はこんな↓感じです。
ゴムチューブ制の柔らかい剣を持ち、面(フェイスガード)をかぶって、1vs1で対戦します。
審判がコートに3人いて、有効打があったと思ったら、旗を挙げて判定します。相手の身体のどこを打っても1本というルールなので、どこを打たれてもクリティカルヒットになります。
そして、基本的に1本勝負でありポイント制ではないので、相手にどこかを打たれた瞬間、試合終了で負けが確定します。
私は大学生担当ですが、大学生だけで全国に40大学1200人ぐらいの選手がいます。
さて、ここまで書いてちょっと思った方がいるかもしれませんが、このようなルールなので、試合展開がむちゃくちゃ早いです。最初の一太刀、2秒ぐらいで終わる試合もあります。
したがって、200人ぐらいいるトーナメントでもあっというまに消化されます。8コートぐらいあると、1時間もかからないことが多いです。
↑相撲の番付表みたいな細かい字で書いてあるのがとある種目のトーナメントなのですが、このような100人単位のトーナメントでもあっという間に終わります。
しかもスポーツチャンバラには、相打ちというルールがあり、両者が同時に相手を打ち合うと、両方死んだものとみなされて、両者負けになります。こうなると、1試合で2選手が瞬時にトーナメント表から消えることになるので、さらに進行が加速します。
このようにスピーディーな進行なので、スポーツチャンバラの大会では、1回の大会で複数の種目に参加できることが多いです(わざわざ大会会場に来て2秒で負けて帰るのもあんまりなので)。
スポーツチャンバラにはいろいろな種類の武器があり、武器ごとに別種目になっているので、なんと13種目も種目があります
これは海外用の方向けに8種目を紹介しているパンフレットですが、これでも8/13です。
私が担当している大学生向けの大会では、基本的に、型の種目1つ、実際に打ち合う種目4つ、合計5種目にエントリーできるというレギュレーションにしています。よって、大会にエントリーした選手は、全種目1回戦負けでも、最低でも5試合は戦えることになります。団体戦にも出場する選手はさらに試合数が増えます。
このようにたくさんの種目が開催できることはいいのですが、その反面、対戦結果の記録処理がものすごい量になります。
2018年の全日本学生大会には550人が参加したのですが、550人が5種目のトーナメントに出るとなると、単純計算で2500試合以上の対戦が発生します。
これだけの量になると、まず対戦の組み合わせを作るだけで大変です。参加者の一覧表を作り、それぞれの選手がどの種目にエントリーしているかを振り分けて種目ごとのエントリー表を作り、そこからさらにトーナメント表を作って・・とここまで0.1人月ぐらいはかかります。
これは事前準備なので、まだ時間に追われないだけましなのですが、当日の大会運営はさらに大変です。最大で32コートで同時に行われている各種目の試合を管理し、どのコートからどの選手が勝ち上がって、次に誰と対戦して・・という処理を瞬時に行わなければなりません。しかも、事務処理専門のスタッフを数十人雇えるほどの大会経費はないので、手の空いてる選手が交代で記録係を担当することになります(男子の試合の際に、女子がスタッフをし、女子の試合の際に男子がスタッフをするなど)。
このように「膨大な事務作業を兼業のスタッフが紙ベースで処理している」状況ですと、どうしてもどこかでミスが発生し、勝ったはずの選手が負けたことにされている、準々決勝を飛ばして準決勝をやってしまったなどのトラブルが起きてしまいます。そしてトラブルのたびに全体の進行を止めて、口角泡を飛ばしてどこでミスってるか議論する・・というのがこれまでの大会進行でした。
Withコロナの時代になり、このような体制では、せっかくのスピーディーな進行が台無しになる上、人が滞留して3密が発生してしまい、感染防止上も非常によくないなと悩んでいたところでした。
tonamel導入による革命
このようになにか解決手段はないかと考えあぐねていたところに、出会ったのがtonamelです。
ある日、ネットを検索してたまたまtonamelのことを知り、これはと思って試しに練習試合に導入してみました。
tonamelのすばらしいところ
①トーナメントの進行状況を、審判・スタッフ・選手全員がリアルタイムに自分の携帯で確認できる。
これが何よりも素晴らしいです。大きな模造紙に対戦結果を貼りだしていたこともあったのですが、結局模造紙の前に人だかりができてしまい、感染対策上はよくありません。
自分の手元にある携帯で確認できるなら、人だかりができることもなく完璧です。
また、全員がいまトーナメントがどのような状況にあるか確認できるので、「準々決勝飛ばして準決勝やってしまった」というようなトラブルも絶対起こりません。
②個々人がアカウントをもって自分でエントリーする方式になっている。
これも非常にありがたいです。
選手側のエントリーを省いて運営側でエントリー入力する設計もありえたと思いますが、選手側に事前にエントリーしてもらっていることにより、選手側が全員大会前に一度はtonamelの存在を認識し、サイトを開き、エントリーを入力する程度には操作をしていることになります。大会のその場になって「トーナメントってどこ見ればいいんだっけ」とか言い出す人が発生しなくてすみます。
③トーナメントの結果表を大会後になってもURLを開くだけで確認できる。
これもすばらしい点だと思います。
ローカル上でのみトーナメントの結果を保存するアプリはあるのですが、これですと、大会の成績表を運営側のサイトにアップする際、いちいちデータを切り出す手間が生じます。
tonamelのおかげで、成績表にtonamelの該当種目をリンクするだけで済みます。
http://gakuseichanbara.world.coocan.jp/agame2020.html
こんな感じで作っています。
④スイス式の処理が一瞬
一部の大会でしか実施していないのですが、スイス式トーナメントを実施した際の処理の速さには感動しました。
スイス式は1回戦しか事前にトーナメントを組めないので、そのあとは対戦が終わる都度対戦を組み直さなければならず、膨大な時間がかかっていたのですが、本当に一瞬で処理していただけるので革命的だと思います。
tonamelにお願いしたいところ
このようにすばらしいtonamelなのですが、機能的にこういうのがあればさらにいいなと思うところもあるので、手前勝手に書いておきます(システム改修に大変な手間と費用がかかることは重々承知しています。利用料お支払いしているわけでもないのに、御無礼本当にお許しくださいm(_ _)m)
①3位決定戦システムをつけてほしい
スポーツチャンバラでは、3位2人にはせず、3位決定戦を行っていることが多いので、3位決定戦機能がないのはちょっと困っています。
tonamelで運営されているほかの大会はどうしているのだろうと思ってみていたら、「アナウンス」の部分に3位決定戦の結果を書き込んでいるところが多かったです。
より複雑なダブルエリミネーションをリリースされているので、3位決定戦の実装はおそらく可能なのではないかと思います。よろしくお願いします。
②抽選組み合わせに条件づけをさせてほしい
現在の抽選シャッフルは完全にランダムだと思うのですが、同チームから複数の選手が出る大会ですと、同チーム同士での対戦を避けたいという希望があります。
また、シード権を有する選手がいる場合はその設定もしたいところです。
もちろん手作業で変更することはできるのですが、恣意的になってしまうのではないかという懸念がぬぐえません。
その他のトーナメントアプリではよくある機能なので、可能であればぜひよろしくお願いします。
③トーナメント表に書きこみをさせてほしい
トーナメント表に線を引いたり、書き込みをできる機能があると、どこのコートで試合をするなどの注意事項を付記できて、とてもありがたいです。
現在はアナウンスのところに書き込んでいるのですが、トーナメント表に書き込めると一覧できます(オンライン対戦には不要な機能なので、あまり重要性は高くないかもしれません)
御礼
あつかしまくもご要望まで書かせていただきましたが、tonamelは本当に素晴らしいサービスです。
おそらくほかのオフラインスポーツでも十分に活用できると思います。
末筆ではございますが、tonamelの開発陣の皆さまへの御礼を重ね重ね申し上げさせていただきます。