ブラックホール研究から物流最適化へ  きっかけは社会を良くしたいという「想い」

はじめまして、Goと申します。
オプティマインドは、2021年6月に7期目を迎えました。当記事では、オプティマインドの創業メンバーである私の入社経緯、技術開発にかける想いについてお伝えしたいと思います。

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(台湾で開催された国際カンファレンス"East Asian Numerical Astrophysics Meeting"で中間質量ブラックホール理論モデルの大規模計算について発表した際の写真です。)

【プロフィール】
1992年中国出身、高校受験を機に日本へ移住。
名古屋大学理学部を卒業、名古屋大学修士課程では中間質量ブラックホールの研究結果において理学研究科顕彰を受賞。現在、名古屋大学素粒子宇宙物理博士後期課程に在籍。大規模宇宙流体計算のため最先端アルゴリズムを開発、HPCを用いて衝撃波数値計算を実行。
株式会社オプティマインドではVPoE兼テックリードとして、主に
・多点間経路探索
・ナビ開発
・社内エンジニアカルチャーの構築と採用
を担う。
クラウドサービスを用いたインフラ構築(kubernetes, AWS Lambda, IaaC)や、日本の複雑な道路事情を考慮した多点間経路探索のアルゴリズム開発に強みを持つ。
創業メンバーの1人として0からプロダクト開発、組織作りに幅広く携わる。

◆創業のきっかけ

名古屋大学の博士課程では、研究室で中間質量ブラックホールと分子雲の相互作用について数値計算を行い、リーディング大学院で人工衛星プロジェクトのマネジメントをしていました。
オプティマインドの創業者、松下と出会ったのもリーディング大学院がきっかけです。

当時私は、日々学術分野での研究を深めていく中で、果たして「自分の研究をどのように実際の社会に生かすことができるのか?」ということについて考えていました。

そんな時に、「アルゴリズムを用いて社会問題を解決したい」という強いモチベーションで活動しているオプティマインドのメンバーに出会い、何か貢献できるのではないかと思い参画することを決断したのです。当時はまだ事業内容は定まっておらず、業務内容も今とは違うことをしていました。そこから、人手不足という問題を抱える配送業界の課題解決のためにラストワンマイルの最適化に焦点を当てていくことになりました。


◆現在の仕事内容

私はVPoE兼テックリードとして、
・経路探索技術
・ナビ技術
・組織作りと採用業務
など幅広く担当しています。

・経路探索技術

日本の複雑な道路制約(時間帯別交通制限や車種別交通制限など)を考慮できる多点間経路探索エンジンを0から開発、運用して参りました。インフラ設計、DevOps設計を自身で設計することで、非常に安定性が高く、拡張性の高いエンジンをリリースできました。

・ナビ技術

弊社プロダクトLoogiaが計算した最適なルートをお客様にスムーズにご利用いただけるように、ナビアプリを0から開発いたしました。現在は技術サポートを行なっています。

・組織作りと採用


弊社では世界のラストワンマイルの最適化に一緒に挑戦する仲間を絶賛募集中で、エンジニアでありながらワクワクする技術を世界に広めたいという志のもと、積極的に採用活動に注力しています。技術講演をさせていただいたり、世界中の技術者と積極的に交流し、日々意見交換を行っています。


また、世界をリードするユニークな技術や社内カルチャーについての情報発信、チームの効率化や作業ストレスを低減するための自動化ツール作成などにも力を入れています。

技術開発について大切にしていることは、
Clean Code / Clean Architectureを活かして技術負債をできるだけ少なく保ち、ジュニアメンバーにとっても優しい開発環境を心がけることです。


◆技術力を支えたのは「3つの文化」

実はこの業界では、経路探索技術について「枯れた技術」と言われてきました。国内外で数十年以上アカデミック分野で研究開発が進んできましたが、現実社会での活用が難しい技術だと考えられてきたんです。

そんな技術分野で、

・Learnの文化(技術力)
・Fail Fastの文化(実行力)
・Whyを大切にする文化(先見力)

を常に心がけて粘り強く開発を進めてきたからこそ、ラストワンマイルの物流現場で活用できる『Loogia(ルージア』のコア技術の一つである経路探索技術が生まれたのだと考えています。

Learnの文化(技術力) 

世界中のオンライン授業や論文を参考にし、多数のリソースから自主的に学習を続けてきました 。創業時ジョインした当時のことを振り返ると、大学博士課程でスーパーコンピューターを活用した大規模流体計算を行なっていたため、アルゴリズム開発への関心や基礎知識はありましたが、あくまでもアカデミック研究中心で、現実社会で生かせる技術については開発経験がありませんでした。

その後自主的にFrontend開発、Backend開発、インフラアーキテクチャ設計、Software アーキテクチャ設計、DevOps、Nativeアプリの開発などの技術を学習。スタートアップでの新規技術開発の面白さは、学習した内容を即座に開発に活用し、お客様からのフィードバックをいただき、再度学習を深めながら開発を続けるという実践的なサイクルだと感じています。

社内文化としてメンバー全員のスキルアップをサポートする文化があり、例えば福利厚生として年間10万円のスキルアップ補助費支給、またエンジン開発者本人がマンツーマンで演習し個人能力アップにコミットする仕組みも弊社のユニークさだと感じています。また毎週エンジニア交流会を開催して、専門分野以外の技術や趣味などの関連トピックについてざっくばらんに話しながら交流ができるため、多岐にわたる分野について楽しく学習することができています。

Fail Fastの文化(実行力)


ナビ開発の経験やアプリ開発の経験はありませんでしたが、ナビを使用したいというお客様からのリクエストをいただき、学習しながらナビ開発を行いました。社内メンバーと一緒に実験走行しつつ、細かい調整を繰り返してきました。弊社カルチャーでは失敗を失敗と考えないところがあり、失敗は成功の種であると考えています。

実際、入社後からルートやナビに関する200個以上のフィードバックをお客様からいただき、常にユーザビリティ向上のために修正をしてきました。開発体制はAgile開発を導入しており、また開発ストレス削減のために積極的にツール開発・自動化しています。

Whyを大切にする文化(先見力)


実際のお客様にご利用いただいた際にあった事例ですが、ある日「このようなルートは現場では実際に走っていません」というフィードバックをいただきました。お客様のGPS走行データを基に統計的に分析したところ、確かにLoogiaが提示したルートと異なるルートを走行している傾向がありました。

そこで、問題解決のために社内セールスコンサルタントチーム、GPS解析チームと連携し、調整と開発を進めました。具体的には多数あるパラメーターを全て微調整し、走行実績とLoogiaが提案する走行ルートの相似度から経路を定量的に評価する仕組みを開発し、ルート評価の可視化を実施。その結果、お客様の好みのルート提案を実現することができるようになりました。チーム全体で「なぜそうなったのか、どうしたら解決できるのか」を考えて工夫することで、幅広い業種のラストワンマイル最適化の物流現場でご活用いただけるサービスを作ることができるのです。


◆将来実現したいこと

この先オプティマインドで実現したいことは2つです。


1. 現場ドライバー様に世界一可走性の高い経路を提供すること
2. エンジニアメンバー全体が心地良い開発環境を整えること

この2つを実現するために、
・経路探索チームと最適化技術チームが一丸となり、お客様からいただいたフィードバックに答えるアルゴリズムをさらに強化する
・真摯に技術に向き合うカルチャー、5Powersの文化を大切にしながら、新しいメンバーを巻き込みつつ、コードの質を維持できるように丁寧なオンボーディング、ジュニア層の育成、広範囲において開発サポートを行なっていくこと
を実行し、オプティマインドの一員として更なる成長を遂げたいと考えています。

株式会社オプティマインドでは、一緒に働く仲間を大募集中です。
カジュアル面談も大歓迎ですので、気軽にお声がけください。


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