敗戦後の日本人のメンタリティ

 統一教会の事実が少しづつ明るみに出てきているのだけど、それを考えるには、戦後CIAの庇護を受けたA級戦犯たちと韓国のカルト宗教が手を組んで反共団体勝共連合が作られた歴史から見なければならないだろう。
 アメリカと数年前まで戦争していたA級戦犯たちが反共の戦士としてアメリカCIAの手先となったわけだけど、A級戦犯たちは何がしたかったのだろうか?自己保身のためにプライドを売ったようにも見える。

 では、戦犯でない一般国民は敗戦後どんな気持ちで生きていたのだろう?神様の国と信じていたのに戦争に負けた。アメリカ軍が進駐し、日本人婦女への乱暴を恐れた当時の政府は国家的な売春施設を作り、多分貧しい女性たちにアメリカ兵の相手をさせた。売春施設外でも生きるために女性はアメリカ人と交際し、子供たちはアメリカ人に施しを求めた。
 男たちにはその日本はどう見えたのか?おそらくは男性たちの中に「激しい恥とみじめさ」があったろうと思う。戦時中は、家父長制でふんぞり返っていたり軍人として威厳を持っていたのが天皇もろとも「ダメな男性」になってしまったのだ。女性や子供からの視線に耐えられなかったのではないか。それで結局はプライドもすべて捨て、アメリカ人が与える仕事に尻尾を振って飛びついていったのだと想像する。とにかく権力に返り咲き不安に押しつぶされないように必死だったかもしれない。
アメリカ人には卑屈に頭をさげ愛想笑いをし、その反動で左派思想に峻烈に攻撃をして鬱憤を晴らす。A級戦犯たちはプライドの回復のために日本の中での権力を握ることに全力を尽くし、戦前の家父長制の価値観を復古し「かつて自分たちが偉かった時代」に戻し、その先にはアメリカと一戦交える野望があったかどうか?
 結論から言えば、アメリカと一戦なんてことは出来なかった。今後も出来ないだろう。アメリカの手先となって反共活動をしているうちに、国民の西洋化が進み、かつてのように天皇神道で国民を動かせる時代ではなくなったし、当の戦犯ファシストたちの「戦う動機」もすでに失っていることに気が付いたのだと思う。
 一度失ってしまった「天皇=神」は二度と戻ることはない。神無き右翼たちの目指すものは既になかったのだ。しかたなくしがみついたのが「外国人は劣っている。日本は凄い」という神話だったが、結局神話を越えて現実になることはなく、憲法を改正する、という時代錯誤的な妄執を地縛霊のように口にするようになる。
 戦後日本を動かした戦犯たちは、仲間を世界に見つけることが出来なかった。世界のどの国とも「対等に渡り合う術を知らず」取り残され、半笑いをしながらアメリカの尻を追いかけている。これは驚きだが、戦後80年日本は何も成しえていない。戦後補償で隣国とぐずぐずぐずぐず揉めながら、何一つ新しい事をしなかった。友好国の一つも作れなかった。
 アメリカの支配が上手かったという言い方もできるが、戦犯が作った「ポリシーも志も無い国家」の愚鈍さ。結局、戦後日本は民主主義革命を起こさなければ大人の国になれなかったのだと思う。
 だって結局、A級戦犯たちは誇りをもって自死を選ばないような連中だもの。そんな連中が作る国に誇りも責任も自由もプライドもない。
それが日本だ。


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