りかさとりか短文妄想(2021/8/23)

お題『卒Blu-ray全巻購入特典(あみあみ)から何か』

※質問箱にて頂いたお題になります。ありがとうございました!

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それはふとした出来事だった。いつも通り、圭一、レナ、魅音、梨花、沙都子の5人で部活をしていたが、今日は梨花が惨敗。罰ゲームはシンプルに顔に落書きということになり、沙都子がペンを持って梨花ににじり寄る。梨花はいやいやと教室内を小走りで逃げるが、運動神経のいい沙都子に適うはずもなく、すぐに捕まってしまう。

「捕まえましたわ!もう離しませんですことよ!」
「み、みぃ…!」

沙都子が左手で梨花の右手を掴み、右手で梨花の顔にペン先をぶつけようとしたが、その手は梨花の左手によって静止される。
そうやってしばらくは押し相撲のような攻防を繰り広げていたが、やがて限界を迎えた梨花の力が抜け、二人してその場に倒れ込んでしまう。

「いっ!」
「うぅ…!梨花っ、大丈夫ですの?」

気付くと梨花は沙都子に押し倒されるような体勢になっていた。教室の床に後ろから倒れ込んだため、頭につよい衝撃が走るかと思いきや、咄嗟にペンを離した沙都子の右手が梨花の頭を支えていたため、事なきを得た。

「みぃ、大丈夫なのですよ。それより沙都子の右手…」
「へっ、あぁ、大丈夫ですわよ。それより頭をぶつけなくて良かったですわ」

そう言って梨花の頭をそっと撫でる沙都子に梨花の鼓動は激しくなる。

「沙都子…ありがとう…」
「ふふ、素直でよろしいですわね。ねぇ、梨花…忘れていませんわよね?」
「へっ…」

気付くと、さっきまで梨花の右手にただ重ねられていただけの沙都子の左手は、その右手に絡まるように強く握られていた。
そして、沙都子の右手にはいつの間に拾ったのか再びペンが…。

「さぁ、梨花…ご覚悟あそばせ?」
「さ、沙都子…!ちょっと、待って…」
「もう待てませんわ。行きますわよ」
「み、みぃ~~~~」

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顔に水性の黒ペンで思いっきり落書きされたまま、沙都子と二人で帰宅している梨花。その様子は明らかに不機嫌で。

「もう沙都子なんて知らないのです」
「梨花ぁ、罰ゲームは絶対なんですから、負けた梨花が悪いのでございましょう?」
「…そうじゃないのです…」
「え?」

そっと、梨花の左手が沙都子の右手に触れると、それは二人にとって手を繋ぐ合図になっていて。沙都子もなんの戸惑いもなくその手を繋ぐ。

「で、梨花は何がそんなにご不満なんですの?」
「不満なんかないのです。ただ、さっき…沙都子がボクの上に乗った時、そっと右手で頭を支えてくれたのが嬉しくて…」
「あぁ、あれですの?あんなの当然のことでございましょう?」
「それでよく考えたら沙都子と身体が密着してて、顔も近いし…って考えたらすごくドキドキしたのに、沙都子は罰ゲームのことばっかり…ボクの純情を返してほしいのです…!」

落書きされた顔ではあるが、その顔は赤く染まっていることがわかる。
沙都子も改めて、さっきの教室でのやり取りを思い出して、梨花と同様に顔を赤く染める。

「た、確かに…私夢中で気付きませんでしたがそうですわね…」
「沙都子には罰として、帰ったらまた同じようにしてボクと同じ気持ちを味あわせてやるのです」
「あら、楽しみですわ。でもそれだと梨花もまた同じ気持ちになりますでしょう?」
「沙都子にならずっとドキドキさせられてもいいわ」
「梨花…ふふ、大好きですわ」

ちゅっ、とペンで真っ黒になっている梨花の頬に沙都子がキスをする。

「もう、沙都子は本当にずるい…」

その日の夜はいつにも増して、イチャイチャが捗った二人であった。


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