りかさとりか短文妄想(2021/9/2)

お題『補習の時話しかけた先輩と沙都子がキスしてるところを見てしまう梨花(見間違いで実際はしていない)』

※質問箱にて頂いたお題になります。ありがとうございました!

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夏休み中の学園は人も少なく、部活動をしている音だけが校庭や空き教室などから聞こえてくる。
部活動の音をBGMに私は足早に補習が行われている教室へ向かう。そこで頑張って勉強しているであろう最愛の人に会いに。
教室に着いて補習授業が終わっていることを確認し、教室内に入ろうとしたその瞬間私は見てしまったのだ。

「えっ…沙都子…」

沙都子とその横にいるのは…分からないけど上級生のようだった。いや、そんなことよりも…今私が見ている光景はなに…?
上級生の人の顔が沙都子の顔に近付き、その状態で時間が経過する。私からは沙都子のその顔は見えず、沙都子の背中越しではあるがその距離は私と沙都子が愛し合う時のもので。

「あ、ありがとうございますですわ…」
「いえいえ、可愛いところもあるのね」
「うぅ…」

二人の顔が離れるとそんな会話が聞こえてくる。沙都子の声色は、普段学園できくようなものではなくて。可愛い沙都子は私だけが知っているはずなのに。

「沙都子」
「あっ、り、梨花。迎えにきてくれたんですの」
「あら、お友達?ごきげんよう」
「ごきげんよう」

学園内での優等生の古手梨花をなんとか取り繕って挨拶をする。でもこんな場所はさっさと立ち去りたい。

「沙都子、行きましょう」
「えっ、ちょっと、梨花ぁ!?」

沙都子の手を強く引っ張って教室を後にする。沙都子は困惑したような声で私の名を呼ぶが、その呼び掛けは無視してまっすぐ進んでいく。
到着したのは普段から使われることのない、メインの校舎からは少し離れたところにある空き教室。以前、担任から学園内の見回りを頼まれたことがあり、その時に見つけた教室だった。

「ちょ、梨花、こんな所に来てどうしましたの?」

教室内に沙都子と入り、急いで扉を閉め、鍵をかける。
相変わらず困惑している沙都子を自分でも驚くくらいの力で、扉に押さえつける。

「いたっ…り、梨花…んっ!?」

背伸びをして沙都子に無理矢理口付ける。

「ふぁ、んん…ふぃ、ふぁ…!」
「んっ…はぁ…さとこ…」

自分の舌で沙都子の唇を舐めてやると、唇が少し開き始める。これを逃すはずもなく、私は沙都子の口内に侵入して動き回る。
歯の裏側をなぞり、彼女の特徴的な八重歯を舐め、そして彼女の舌と自分の舌を音が聞こえるように大胆に絡ませる。すると、少しずつ身体を震わせて、座り込む沙都子。これで背伸びをしなくてもキスができるようになった。

「はぁ…梨花ぁ…どうしましたの…?」
「沙都子は…私だけのものよ。私以外の誰も沙都子に触れることなんて許せない…!!」
「そんなこと…当たり前でございましょう」
「当たり前なんて…!だってさっき…貴女キスしてたじゃない!」
「…キス…?」
「さっきの上級生と…」

私の訴えにポカンとした顔をする沙都子に少し苛立ちながら説明をする。
すると、みるみる顔を赤くする沙都子にやっぱりか…という絶望が襲ってくる。

「違う、違うの、梨花。さっきのは私が…その…お昼に食べたご飯粒を…ずっとほっぺにつけたままで、それをとってもらっただけなんですの!」
「…へ…ごはんつぶ…?」

勘違いをして、勝手に怒って、無理矢理キスをして…とんでもない行動をしてしまった自分が恥ずかしくなり、沙都子に負けないくらい顔があつくなる。

「もしかして、梨花。それでヤキモチを妬いてくれたんですの?」
「うぅ…そうよ…沙都子は私の沙都子なのにどうしてって思ったのよ…」

沙都子に顔を見られたくなくて、その胸に思い切り抱きつきながら話す。
沙都子が髪を撫でてくれるその行為がとても安心できて気持ちがいい。

「まったく、梨花ってば早とちりなんですから。梨花の言う通り、私は梨花の私ですし、梨花も私の梨花ですわ」
「沙都子…大好き」
「私も、梨花が大好き」

沙都子の胸の中に埋めていた顔を少しあげると、沙都子の指が私の顎を掴んでそっとキスしてくれる。
あぁ、もう私は、沙都子のぬくもりがないと生きていけないーーー沙都子を愛している。


「みぃ…でもほっぺにご飯粒なんて、沙都子は隙がありすぎなのです。沙都子のご飯粒をとるのもボクだけがやりたかったのに…」
「もう、梨花ってば、わがままですわね」
「…わがままな私は嫌い?」
「…大好きですわ」

手を繋いで寮に帰る。今日は梨花の同室の生徒が外泊中のため、今夜はたくさん愛し合おうと思った。



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