嫌な気持ちになるってわかっているのに

 楽しかった先輩♀との一日が終わり、次の日は家の掃除やら買い出しをして、3連休最終日は取引先が主催しているイベントへ行くことに。

 自分自身仕事は真面目にやるし、自分の役に立てることはやりたいという気持ちなんだけど、本当に仲がいい人以外は必要以上に会社の人とプライベートを一緒に過ごしたくない。だから本当は参加したくなかったけど、私以上の管理職の人たちがみんな参加していたのでこれは行かないとまずいな…と思い気が進まないまま参加の欄に丸を付けた。同じ部署の比較的仲良くしている女性陣もみんな行くから大丈夫かな、と思ってた。

 しかし、当日来てみると、部署の人たちは家族で来てたり、仲がいい人たちと約束して連れ立ってきている人がほとんどで、1人で来ているのは私くらいしかいなかった。そのイベントっていうのが大きな公園でショーだったりバンド演奏があったり出店が出てたりするやつで、1人でいるにはものすごく居心地が悪い空間だったのだ。

 みんなが楽しそうに出店でご飯食べたり、子供と遊んでる中、私は見たくもない地元の中学生のブラスバンド演奏を聞いたり、老人のフォークギターに耳を傾けていた。

 メインの催しが終わって、あたりが薄暗くなったので、私はそそくさとその場を後にした。きっと残った人たちは家族で家に帰ったり、みんなで飲みに行ったりしたんだろう。

 帰り道、自分が惨めすぎてちょっと泣いてしまった。

 30も半ばを過ぎて、私は自分がどういうことに傷ついて、どういうことが苦手かやっとわかってきた。嫌な人や嫌なことからは逃げてもいいし、自分の心を守るための防御策もわかってきたはずだった。それなのに、私はみんながやっているから、立場があるから、と世間体を気にして、行ったら楽しいことないって、嫌な気持ちになるだけだってわかっているのに自ら飛び込んで己を傷つける行為をしている。

 なんで私ってこんなに馬鹿なんだろう。

 もしかしたら、ちょっと期待していたのかもしれない。今の職場は優しい人が多いから、いい人が多いから、1人で来ても誰かかまってくれるだろうって。もしかしたらイベント楽しめるかもって。でもそうじゃなかった。普段私に人懐っこく話しかけてる人たちはみんな家族と来ていて、若手の子たちは違う部署の同期とわいわい楽しくやってて。

 この場に私は向いてない。ふさわしくない。

 こんなことなら、適当に理由つけて断って家で進撃の巨人の最終回見てる方が何万倍も有意義な時間おくれたのに。

 もうこれからはやりたくないことや気が進まないことは無理してやるのを辞めよう。もうこれ以上自分の心を傷つけたくない。

 せっかくいい気分だったのに連休最終日で台無し。
 自分のことがまた嫌いになってしまった。

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